プレートル&シュトゥットガルト放送響/フォーレ:レクィエム、プーランク:グローリア
2025年11月21日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical

世界遺産に響いたプレートル畢生の演奏、
雄大で荘厳なフォーレのレクィエムと、得意のプーランク
日本では晩年になって人気がブレイクしたジョルジュ・プレートル。マリア・カラスと共演したオペラや、今も高い評価を得ている一連のプーランクなどの録音がありますが、決して録音の数に恵まれていたとは言えません。傑作フォーレのレクィエムについても市販目的の録音は無かったところにベルリン・ドイツ響との2007年ライヴ(以下、ベルリン盤)が2010年に登場してファンの渇きを癒しました。
今回、登場するのは1997年にドイツ南西部の街シュパイヤーにある大聖堂で行われたライヴ。神聖ローマ帝国盛期の1061年に完成されたこの大聖堂はロマネスク様式による世界最大級の教会で、世界遺産にも登録されています。その巨大な空間と長い残響がこの演奏を特別なものにする一助となったようです。
コンサート・ホールで収録されたベルリン盤の演奏時間は約36分で、こんにちでは標準的なものですが、当盤では40分近くをかけています。演奏の印象は所要時間以上に異なり、フレーズを非常に息長く作り上げ、ダイナミックスの幅も大きく、弱音からじわじわと高揚してゆく箇所などは、敬虔な美しさと劇的な効果が一体となってまさに息をのむほど。ヴィブラートを控えめにした合唱は長い残響の中でも透明感を失わず、終始あたたかな音色と高い密度を保ち、当時のフランス楽壇を代表する2人のソリストも音色・スタイルともにプレートルの解釈に一体化し、時に抑制された清澄さを、時にドラマティックな熱唱を聴かせます。大半の楽章の演奏時間は、デ・ロス・アンヘレスとフィッシャー=ディースカウを擁するクリュイタンス指揮の歴史的名盤と驚くほど酷似しており、ドラマティックな音楽つくりには相通じるものを感じますが、ソリストを含むスタイルや音色の統一では当盤に一日の長があり、特に大きなヴィブラートが目立つクリュイタンス盤の合唱とはだいぶ印象が異なります。教会での収録ながら、オケ、合唱ともに混濁が少ないのも嬉しいところ。フォーレのレクィエムを愛する人にはぜひ聴いて頂きたい演奏です。
フランシス・プーランク[1899-1963]はプレートルが得意とした作曲家で、グローリアには1961年のスタジオ録音があります。当盤と比較すると全体の演奏時間には1分程度の差しかなく、当盤の方が短い楽章もあります。長い残響の中でもキビキビとしたテンポをとって生彩ある音楽になっているのは、プレートルがプーランクの本質をしっかりとつかんでいる証拠でしょう。ポレのクリスタル・クリアな声と歌唱も聴きものです。(輸入元情報)
【収録情報】
1. フォーレ:レクィエム Op.48(1900年版)
2. プーランク:グローリア(1959)
フランソワーズ・ポレ(ソプラノ)
フランソワ・ル・ルー(バリトン:1)
南ドイツ放送合唱団
ヴュルテンベルク州立歌劇場合唱団
シュトゥットガルト放送交響楽団
ジョルジュ・プレートル(指揮)
録音時期:1997年5月16日
録音場所:ドイツ、シュパイヤー大聖堂
録音方式:ステレオ(ライヴ)
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