CD 輸入盤

『ヴォツェック』全曲 C.クライバー&バイエルン国立歌劇場、アダム、ウール、他(1970 ステレオ)(2CD)

ベルク(1885-1935)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
ME1097
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ベルク:『ヴォツェック』全曲
テオ・アダム、ウェンディ・フィーネ、フリッツ・ウール、他
カルロス・クライバー&バイエルン国立歌劇場


父エーリヒ・クライバーが初演してベルクを感動させ、その後も作品紹介に努めたたという『ヴォツェック』は、カルロス・クライバーとの関わりも深く、全曲上演のほか、演奏会での「断章」も何度も指揮して成功を収めていました。
 しかし残念ながら状態の良い全曲録音は遺されていないようで、過去に発売されたものも冴えない音だったので、今回のものもあまり期待はできませんが、やはり資料としては貴重です。

【ヴォツェック】
 新ウィーン楽派の一員だったアルバン・ベルク[1885-1935]は、シェーンベルク、ヴェーベルンらと共に活躍しましたが、ヴェーベルンが未来を志向したと言われるのに対し、ベルクは過去と密接に繋がって、無調や十二音の作品でさえときに後期ロマン派的で濃密な気配を感じさせる音楽に仕上げていたのが対照的で、現在の人気にも繋がっているものと思われます。
 代表作『ヴォツェック』も、バロックなど過去の音楽のさまざまな様式を精緻をきわめた書法の中に効果的に取り入れた技法的側面と、淫靡・頽廃の果てに訪れる悲劇を描いた不条理な人間ドラマが密接に絡みあって聴き手に圧倒的な感銘を与える傑作です。

【アダムほかによる注目演奏】
この録音では、主役ヴォツェックにテオ・アダムが配されているのも注目されるところです。テオ・アダムはこの録音の3年後にヘルベルト・ケーゲルと『ヴォツェック』を演奏会形式で上演しており、そのライヴ録音は凄い迫力を持った演奏として知られています。
 マリー役のウェンディ・フィーネ(ファイン)は、南アフリカ出身のソプラノで、ケルン時代にはしばしばクライバーに起用されていたお気に入りでした。
 鼓手長役のフリッツ・ウールは、1960年代に活躍していたヘルデン・テノールで、この録音の翌年にはベームの指揮によるザルツブルクでの『ヴォツェック』上演で同じく鼓手長を歌っています。(HMV)

【収録情報】
・ベルク:歌劇『ヴォツェック』全曲

 ヴォツェック:テオ・アダム
 マリー:ウェンディ・フィーネ
 鼓手長:フリッツ・ウール
 アンドレス:ゲオルク・パスクダ
 大尉:フリードリヒ・レンツ
 医者:マックス・プレープストル
 マルグレート:グートルン・ヴェヴェツォフ
 白痴:フリッツ・ホッペ
 バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 カルロス・クライバー(指揮)

 録音時期:1970年11月
 録音場所:バイエルン国立歌劇場
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

ユーザーレビュー

総合評価

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前のお二人のレヴューを拝見しながら考えて...

投稿日:2010/12/13 (月)

前のお二人のレヴューを拝見しながら考えていたのだが、この作品を大変良くご存知のようであり、「クライバーの録音」ということで価値あるCDとなっていることが良くわかる。しかし、私の場合はこの録音から、そこまでの感激は味わえなかった。これが「椿姫」や「こうもり」だったら、耳の記憶を頼りに、全体の響きをそれなりに補って(あるいは想像して)楽しむことも出来るのだろうが、この作品でそれは極めて困難なのである。ところで、最後(練習番号320以降)の部分だけ、録音状態が異なっているのはどういうことなのだろうか。ここだけモノラルと思われるが、音はそこまでの「下手なステレオ」よりはるかに力強く、明瞭である。

ひろととろ さん | 神奈川県 | 不明

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第1幕冒頭の2小説半が完全に欠落している...

投稿日:2010/11/13 (土)

第1幕冒頭の2小説半が完全に欠落している。録音も一応はステレオであるが、音像が定まらず、素人がテレコを持ってうろうろしながら録音したような至ってお粗末なもの。ドロップアウトの量も半端ではない。歌唱の方もタイトルロールのテオ・アダムやクライバーのお気に入りだったウェンディ・ファインを含め、取り立てて特筆するような出来ではなく、オーケストラもミスだらけである。ということで、本来ならば「欠陥商品」「価値なし」と一刀両断したいところだが・・・。しかし、しかしである。この劣悪な条件の中で聴こえてくる音楽のなんと雄弁で血の通ったものであることか! この20世紀屈指の名作オペラにおけるオーケストラの役割や意義を、ここまで突き詰めて提示してくれた演奏はなかった。例を挙げればきりがないが、ひとつ挙げれば第3幕第4場の結尾部分を他の演奏と比較してみていただきたい。ここは単なるカエルの鳴き声の描写なのだが、続くニ短調の間奏曲へのブリッジとしての意味をこれほど明らかに伝えてくれた例はない。カルロス・クライバー。本物の天才である。

Deadman returns さん | 埼玉県 | 不明

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クライバーの伝記で、『ヴォツェック』は彼...

投稿日:2010/10/27 (水)

クライバーの伝記で、『ヴォツェック』は彼の大切なレパートリーだったと読んだ覚えがあります。その通り、気迫のこもった素晴らしい演奏でした。『ヴォツェック』は私自身大好きな音楽で、普段はベームの1955年のものをよく聴きます。最近はどちらを聴こうかという嬉しい悩みを抱えています。

Karl さん | 茨城県 | 不明

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人物・団体紹介

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ベルク(1885-1935)

“アルバン・マリア・ヨハネス・ベルク[1885-1935]は、新ウィーン楽派の一員として、シェーンベルク、ヴェーベルンと共に活躍したオーストリアの作曲家。師のシェーンベルクのもと、ヴェーベルンが未来を志向したと言われるのに対し、ベルクは過去と密接に繋がって、無調や十二音の作品でさえ後期ロマン派的で濃密な気配を感じさせたのがポイント。 裕福な商人の家庭に生まれたベルクは、最初、文学や演劇に関心を持っ

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