CD 輸入盤

テレマン:無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジー/レイチェル・ポッジャー(vn)

テレマン(1681-1767)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CCS18298
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD

商品説明

テレマン:無伴奏ヴァイオリンの為の12のファンタジア
レイチェル・ポッジャー(vn)
ドイツ・バロック期最大の人気を誇った作曲家、ゲオルク・フィリップ・テレマン[1681-1767]の音楽の明快さは、その実生活の多彩をきわめた華やかさと密接に関わっているとはよく指摘されるところです。
 テレマンは12歳でオペラを作曲するほどの早熟な天才でしたが、ライプツィヒ大学では法学を学び、同時に聖トマス教会では礼拝用の音楽も作曲、さらにはオペラの作曲もおこない、学内ではオケを組織し、新教会のオルガニスト兼音楽監督に就任するなど、キャリアの最初から実にマルチな活躍ぶりでした。
 23歳のときにはプロムニッツ伯爵の宮廷楽長に就任し、伯爵の好みでもあるフランス風な管弦楽組曲を数多く作曲、伯爵の避暑地ではポーランド系の民俗音楽やジプシー音楽に接して大いに刺激を受けます。
 27歳の時にはアイゼナハの宮廷楽長に赴任し、宮廷礼拝堂楽団を組織し、カンタータ・チクルスなどで君主の厚遇を得ますが、31歳の年にはこうした宮廷生活に別れを告げ、帝国自由都市フランクフルト・アム・マインの教会の楽長に就任。さらに9年後、40歳の年には、終生の活動の地となるハンザ自由都市ハンブルクに移って、その後46年間に渡って、都市音楽監督兼ヨハネスカントールとして、オペラに公開コンサート、教会音楽や自作の出版にと縦横無尽に活躍したということです。
 つまりテレマンの創作の背景にあったのは、当初は宮廷であり、やがて市民社会に変わっていくということですが、そうした市民社会の豊かな音楽環境があればこそ、《ターフェルムジーク》のような画期的な作品も登場したのでしょう。
 作風も変化しています。宮廷では対位法やフランス趣味を意識していたテレマンも、市民社会に出てからは、より自由な音楽を志向するようになり、その代表例ともいえるのがフルート、ヴァイオリン、ガンバ、チェンバロのためにそれぞれ書かれた《ファンタジア集》で、そこには誰もが理解できる率直で親しみやすい音楽があふれかえっています。
 当アルバムに収められた《無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジア》は、数多くの楽器奏法に精通していたというテレマンならではの作品で、その作風は実に明晰。
 重音はじめヴァイオリンの様々な技法を徹底的に駆使し、4章構成で緩急取り混ぜたファンタジアが12曲収められているというそのスタイルは、創意工夫と変化に富んでいてなかなか魅力的で、名技的な演奏技巧を演奏者に存分に発揮させつつ、バロック音楽らしい清々しい印象を与える見事な作品だと言えるでしょう。
 レイチェル・ポッジャーのアプローチはいつもながらの先鋭なもので、テレマンが作品に織り込んださまざまな要素を、持ち前のヴィルトゥオジティで鮮やかに抽出してゆきます。特にテンポの速い部分での爽快感はこの人ならではのものともいえ、アンドリュー・マンゼ盤とはまた違った意味で聴きごたえ十分です。
 さらにここでは叙情的な部分での歌わせ方のうまさ、ヴィブラートの美しさも光っており、ポッジャーの繊細な配慮が至るところに感じられるのが嬉しいところ。 残響豊かで演奏空間(音場)をきちんと感じさせてくれる録音状態の良さも特筆もの。 ヴァイオリン好きにはこたえられないアルバムの登場と言えるでしょう。

収録曲   

  • 01. Fantasias (12) for Violin solo: no 1 in B flat major, TV 40 no 14/P 35 no 1
  • 02. Fantasias (12) for Violin solo: no 2 in G major, TV 40 no 15/P 35 no 2
  • 03. Fantasias (12) for Violin solo: no 3 in F minor, TV 40 no 16/P 35 no 3
  • 04. Fantasias (12) for Violin solo: no 4 in D major, TV 40 no 17/P 35 no 4
  • 05. Fantasias (12) for Violin solo: no 5 in A major, TV 40 no 18/P 35 no 5
  • 06. Fantasias (12) for Violin solo: no 6 in E minor, TV 40 no 19/P 35 no 6
  • 07. Fantasias (12) for Violin solo: no 7 in E flat major, TV 40 no 20/P 35 no 7
  • 08. Fantasias (12) for Violin solo: no 8 in E major, TV 40 no 21/P 35 no 8
  • 09. Fantasias (12) for Violin solo: no 9 in B minor, TV 40 no 22/P 35 no 9
  • 10. Fantasias (12) for Violin solo: no 10 in D major, TV 40 no 23/P 35 no 10
  • 11. Fantasias (12) for Violin solo: no 11 in F major, TV 40 no 24/P 35 no 11
  • 12. Fantasias (12) for Violin solo: no 12 in A minor, TV 40 no 25/P 35 no 12

ユーザーレビュー

総合評価

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同じ無伴奏でもバッハのそれとは異なり、軽...

投稿日:2018/03/30 (金)

同じ無伴奏でもバッハのそれとは異なり、軽く楽しさだけで聴くことができる良盤です。演奏も音質も大変良いです。

せごびあ さん | 愛知県 | 不明

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リコーダーsoloによる12のファンタジーがあ...

投稿日:2011/12/22 (木)

リコーダーsoloによる12のファンタジーがあまりに素晴らしかったのでレヴューを書いたばかりなのだが、久々に彼女の演奏するVnソロの為の12のファンタジーを覗いてみたらレヴューが僅かに1件、何とも淋しい限りにつき投稿となった次第である。既にベテランのKUROさんが詳細に記述されているので割愛するが、小生も当盤は大々推薦!である。J・S・バッハの無伴奏Vnソナタ&パルティータばかりが注目される中(勿論とびっきりの演奏)、当CDを聴き逃すのは片手落ちとは言えまいか、ぜひぜひ御一聴をおススメする。

盤鬼hmv11 さん | 福岡県 | 不明

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この曲に関する限り、グリュミオー盤がベス...

投稿日:2002/06/16 (日)

この曲に関する限り、グリュミオー盤がベストであると思ってきたが、ここにまた、新たな名盤が生まれたと思う。とにかくすばらしい音色である。女流特有の繊細さも加味され、独特の雰囲気がよく出ているように感じられる。緩急の変化もうまくいっているようだ。

KURO さん | 福岡 | 不明

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