シベリウス(1865-1957)
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シベリウス(1865-1957) レビュー一覧 7ページ目

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商品ユーザーレビュー

1438件
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  • 2011年秋よりラハティ交響楽団の新しい芸術監督に...

    投稿日:2011/09/03

    2011年秋よりラハティ交響楽団の新しい芸術監督に就任したオッコ・カムが、待望のシベリウスの管弦楽曲集の録音を開始した。第1弾は、劇付随音楽「テンペスト」や交響詩「タピオラ」を軸とした管弦楽曲集であるが、交響曲が含まれるのかどうかなど今後のシリーズの行方には興味が尽きないところだ。いずれにしても、今後のこのシリーズの継続、そして充実をこの場を借りて祈念しておきたい。オッコ・カムは若手指揮者の登竜門と言われたカラヤンコンクールで優勝(1969年)し、カラヤンによるシベリウスの交響曲全集を録音(DG)する際に、第1番〜第3番の演奏を任されたという輝かしい経歴を有している。その後、ヘルシンキ・フィルを率いて1982年に来日(当時35歳)を果たしたが、その際のライヴ録音もTDKより発売されている。その演奏は、北欧の新世代を代表するような颯爽としたものであったと言えるが、そうした芸風は、若干の円熟味を加えつつも本演奏においてもなお健在と言えるだろう。要所においては強靭な迫力も有しているものの、演奏全体としてはいささかも暑苦しくない、北欧の大自然を彷彿とさせるような清涼感に満ち溢れており、このような演奏を聴いていると、これぞ本物のシベリウスという気がしてくるから実に不思議だ。全体としては爽快でフレッシュな息吹を感じさせるような演奏と言えるが、それでいてスコアに記された音符のうわべだけをなぞっただけの薄味な演奏にはいささかも陥っておらず、どこをとっても北欧の雄大な大自然を彷彿とさせるような豊かな情感に満ち溢れているのが素晴らしい。劇付随音楽「テンペスト」におけるドラマティックで聴かせどころのツボを心得た演出巧者ぶりも心憎いばかりであり、あらためてオッコ・カムの類稀なる才能を感じさせられたところだ。いずれにしても、本盤の演奏は、今や北欧を代表する円熟の大指揮者となりつつあるオッコ・カムによる清新さを感じさせる名演であり、今後のシリーズの続編への大きな期待を持てる名演とも言えるだろう。そして、本盤で素晴らしいのは、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音であると言える。特に、交響詩「タピオラ」や交響詩「吟遊詩人」などにおける弦楽器の最弱音の再現には、かかる臨場感溢れる高音質は大きなアドバンテージと言えるところであり、本盤の価値を高めるのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

    つよしくん さん |40代

    6
  • 本盤には、シェーンベルクとシベリウスのヴァイオリン...

    投稿日:2011/06/14

    本盤には、シェーンベルクとシベリウスのヴァイオリン協奏曲という、20世紀に作曲された名作の演奏がおさめられているが、いずれも素晴らしい名演と高く評価したい。まずは、ヒラリー・ハーンのヴァイオリンの演奏が素晴らしい。ここでのヒラリー・ハーンのアプローチは、一音一音を蔑ろにすることなく精緻に曲想を描きだしていくというものだ。聴き手を驚かすような奇手を繰り出すことは薬にしたくもなく、むしろ地味な演奏のようにも感じさせられるほどだ。超絶的な技量は存分に発揮されてはいるが、無機的な演奏に陥ることはいささかもなく、どこをとっても内容にコクがあり豊かな情感を失っていない点を高く評価したい。また、音色の美しさにも出色のものがあり、その艶やかな響きはヒラリー・ハーンの面目躍如たるものと言えるだろう。したがって、12音技法で作曲されたシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲においては、晦渋さが相当程度緩和され、いい意味での明朗で、なおかつ滋味溢れる演奏に仕上がっているのが見事である。他方、シベリウスのヴァイオリン協奏曲においては、北欧の大自然を彷彿とさせるような透明感溢れる清澄な美しさというよりは、むしろ明瞭で艶やかな響きが支配しており、その骨太でコクのある音色はシベリウスの協奏曲をそれこそベートーヴェンやブラームスの協奏曲の領域にまで引き上げるほどの奥行きの深さを湛えていると言っても過言ではあるまい。このようなヒラリー・ハーンのヴァイオリンを下支えしているサロネン&スウェーデン放送交響楽団による名演奏も、本盤の大きな魅力の一つであると言えるだろう。北欧フィンランドの出身であるとともに、現代音楽も自己薬籠中にしているサロネンだけに、両曲ともにスウェーデン放送交響楽団を巧みにドライブして、整然とした中にも情感の豊かさをいささかも失うことのない充実した演奏を展開している点を高く評価したい。録音は、従来盤でも十分に満足し得る音質ではあったが、今般のSHM−CD化によって音質がより鮮明になるとともに、音場がかなり幅広くなったのではないかと思われる。ヒラリー・ハーンの精緻なヴァイオリン演奏を、SHM−CD化による鮮明な高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

    つよしくん さん |40代

    6
  • 先入観やレッテルを抜きに聴いてほしい。評論家の言う...

    投稿日:2011/05/19

    先入観やレッテルを抜きに聴いてほしい。評論家の言うことを鵜呑みにしやすい日本人はマゼールを過小評価するが、この演奏を素晴らしい。ゆったりしたテンポで過剰な味付けは無く、曲の素晴らしさにどっぷりと浸れる。オーケストラの音も透明で清涼感があり、特に6番がこんなにいい曲とは!他にはブルックナーを思わせる1番など他も高い水準でオススメです。

    アルマ さん |50代

    6
  • マゼールのシベリウスといえば、意欲的で生気にあふれ...

    投稿日:2011/04/24

    マゼールのシベリウスといえば、意欲的で生気にあふれたウィーンフィルとの名演が有名ですが、この録音には正直びっくりしました。マゼールは、シベリウスのスコアを虚心坦懐に音化していて、その結果として、大自然の微細な揺らぎから巨大な躍動までがありのままに提示されています。変な感情移入が皆無で、純粋にシベリウスの世界に浸ることができます。第五番第一楽章のpppでの弦の刻みは、BISのヴァンスカ盤に匹敵する凄味があり、終楽章の最後のfffはそれまでのffとは明確に区別されています。SONY録音がこんなに優秀だったとは…。本当にこのCDを買ってみてよかったと思います。

    アーノンクール さん |50代

    6
  • シベリウスの交響曲第3番、私はこの曲が大好きだ。こ...

    投稿日:2010/11/29

    シベリウスの交響曲第3番、私はこの曲が大好きだ。これほど素朴で美しく、繊細且つ清らかな音楽には滅多にお目に(お耳かな)掛かることができないのではないだろうか。私はこの第3交響曲こそが、シベリウスの作品においてだけでなく、他のあらゆる音楽のなかでも最も好きな作品なのだ。第1楽章の躍動感はまさに自然の息吹を感じさせ、どことなく民謡的な曲想にも親しみを覚えることができる。第2楽章の儚さや仄暗さはたまらなく美しい。聴く者の精神をぎゅっと鷲掴みにして泣かせるという類のロマン派なメロディーではなく、そっと心に寄り添うかのように慎ましく、たおやかに揺らめく名旋律である。変奏の効果もあって、しみじみと全身に染み入ってくる。私はこの第2楽章が好き過ぎて、『黄昏の明滅』と勝手にあだ名までつけて楽しむという有様だ。夕暮れ時や寝る際に聴くとなお良い。終楽章にあらわれるコラール風の旋律は、自然と敬虔な気持ちを抱かせてくれる晴れやかさが本当に素晴らしい。ムストネンによる当演奏は、上記の要素を全て満たしており、地味と言われがちなこの第3番の評価を高めるのに大きく貢献している。オーケストラの編成は小ぶりのため、清潔感ある響きがシベリウスの神秘の世界にふさわしい。思うところを徒然なるままに記してしまったが、つまるところ、私はこの演奏による第3交響曲がとっても好きだということ。どなたか共感してくれる方はいないものかなぁ....

    毒神貴族 さん |20代

    6
  • ラトルは、他のイギリス出身の指揮者と同様に、若き時...

    投稿日:2010/09/26

    ラトルは、他のイギリス出身の指揮者と同様に、若き時代にはシベリウスを得意のレパートリーとしていた。当時の手兵のバーミンガム市交響楽団と全集を録音するとともに、フィルハーモニア管弦楽団との交響曲第5番や、昨年テスタメントから発売されたイダ・ヘンデルと組んだヴァイオリン協奏曲など、録音の点数も相当数存在している。本盤は、そうした交響曲全集からの一枚であるが、いかにも新進気鋭の指揮者らしい快演と高く評価したい。いわゆる北欧の雰囲気を彷彿とさせる演奏というよりも、むしろ勢いに溢れた力強い演奏といった表現が相応しいと思うが、シベリウスの個性が全開になる前の、他の国民楽派の作曲家の影響が強く見られる作品であるだけに、こうしたラトルのアプローチも、いささかの違和感を感じさせない。前述のように、勢いに溢れたと表現したが、だからといって、繊細な抒情的表現にも不足はない。併録の鶴のいる情景も、あまり演奏されない曲だけに貴重な録音であるが、演奏内容もなかなかのものがある。ラトルは、最近ではシベリウスをほとんど演奏していないように思うが、是非ともベルリン・フィルと組んで二度目の全集を完成してほしいと思っている聴き手は私だけではあるまい。

    つよしくん さん |40代

    6
  • 僕が一番好きなシベリウスのシンフォニーは第6番。演...

    投稿日:2010/04/11

    僕が一番好きなシベリウスのシンフォニーは第6番。演奏は定番のベルグルンド&ヘルシンキ・フィルハーモニーの演奏が素晴らしい。音楽を言葉で表現するのは難しいが、音彩が宝石のように煌いている。感触はクールながらもどこか民族的な土くささがある。勿論、それは、第6番以外の演奏にも言えることである。 シベリウスの交響曲を聴き始めた頃はバーンスタイン&ウィーン・フィルの演奏を好んで聴いていた。晩年に収録された第1,2,5,7番の4曲である。しかし、バーンスタインは第3,4,6番を録音せずに他界してしまったため、代わりとなる演奏を探し見つけたのが、このベルグルンド盤。そして、この演奏を聴いた途端に、その余りにもの奥行きの深く清涼な演奏に驚きを覚え、バーンスタインのマーラーの演奏の如く濃厚で遅いテンポに違和感すら感じたのである。ヘルシンキ・フィルとの演奏は全てが実に内面的。奇を衒ったところが全くなく、どんなに鮮やかな音も心の内側から発せられた自然音になっている。どんなに美しいものでも、表面的に美しいだけでは心を打たれない。内面的な美しさがあってこそ、真に美しいと思う。ベルグルンドの第6番を初めて聴いた時、バーンスタインやカラヤンのシベリウス演奏では聴かれなかった美しい音が頻発してきて、本当に目眩しそうだった。シベリウスの交響曲第6番は、宝石箱から溢れ出そうな音楽なのだ。 なお、この曲に傾倒して作曲家を志したという吉松隆は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」との不思議な類似を指摘する。第1楽章のリズムは列車の律動、2楽章は渡り鳥の歌。

    adagietto さん

    6
  • ロジェストベンスキーのこの全集は、30年前頃のLPで聞...

    投稿日:2010/01/31

    ロジェストベンスキーのこの全集は、30年前頃のLPで聞いていた頃は粗雑な音が気になりましたが、それは再生の問題であってCDになった全集を聞いてみるとこれほどまでに音に細かなニュアンスがあったのかと驚きました。とりわけ金管楽器の強大な音は確かに「爆演」であり、それが好評と不評を大きく左右しますが、その奏法はロシア、旧ソ蓮のオーケストラにある程度共通するものであり、彼らの音に対する感覚がそのようになっているからだと思われます。よく聞き込めば決して野放図に演奏しているのではなく、光り輝くようなニュアンスを持っていることがこのCDから十分聞き取ることができます。(あるレベルにある再生装置でなければ金管の音を正確に再生しきれないので注意。)  この全集では第2番は比較的穏やかな演奏で、むしろトスカニーニの方が過剰な情熱を感じますが、快速の第3楽章から第4楽章への盛り上がりは見事な演奏です。しかし比較される演奏が多いために、演奏に苦心しているのでは?と思ったりします。第3番、第5番、第6番ではロジェストベンスキーの伸びやかに歌わせている弦楽器、とくにチェロが美しい音で捉えられていて、秀逸です。第4番ではムンクの叫びが聞こえます。今まで聞いた中ではデイビスとボストンSOの上品で堅牢な演奏が全集としてもっとも優れているように思っていましたが、このロジェストベンスキーの演奏は全く別の世界の優れた全集です。とくに第6番の第1楽章は他の演奏と比べるとこれが本当に同じ曲なのか?と感じるほどオリジナリティーに富む演奏です。この全集は好き嫌いのはっきりする演奏とは思いますが、優れたものであることは疑う余地はありません。細部にこだわって精密になればなるほど全体の強い流れを失うような今の演奏にはない、強い訴えがあります。

    yasukun さん

    6
  • トッシー・スピヴァコフスキーが、タウノ・ハンニカイ...

    投稿日:2010/01/13

    トッシー・スピヴァコフスキーが、タウノ・ハンニカイネンと録音したヴァイオリン協奏曲が、この商品の目玉。 すっきりとした抜けのいいスピヴァコフスキーの美音は、第1楽章冒頭の澄んだ空気感をいっそう引き立てる。 ハンニカイネンの伴奏も雄雄しく、悠然としたシベリウスの音楽の世界観をしっかりと描いている。 《タピオラ》は、スピヴァコフスキーが独奏したヴァイオリン協奏曲のオマケだが、オマケにするにはもったいないほどの充実した演奏。 ハンニカイネンの指揮は、決してスマートではないが、この音楽の内実に迫ろうとするが故のゴツゴツ感である。この演奏から教えられることは、存外多いのではないだろうか。

    窓際平社員 さん

    6
  • シベリウスの交響曲は3番以降から急速にチャイコフス...

    投稿日:2009/11/08

    シベリウスの交響曲は3番以降から急速にチャイコフスキー風のロマン派の残滓を脱ぎ捨て、透明性の高いシベリウスだけのエッセンスを凝縮した音楽に変容を遂げた。このクリスタルのような傑作群を、いかに本場物とはいえ十全な演奏クオリティを持たないローカル・オケやメジャーの大編成のオケで演奏するのは必ずしも適切とは考えられない。従ってHPOとの全集で高い評価を得たベルグルンドが、アバドやアーノンクールが真っ白なキャンバスに思い通りの絵を描きたい時に使っていた若い腕っこき揃いのECOを使って10年後に再録音した気持ちは極めて良く理解できる。結果は大成功で、少なくとも3番以降の曲に関してこれほどピュアで凝縮感のある表現は他に聴けないと思う。シベリウスの最高傑作にして最も美しい曲想にあふれた4番など、この演奏以外には耳を傾けたくないほどである。録音もよく(半分以上をオンノ・スコルツェが録っている)、これが現在入手できないのは残念でならない。

    Kei さん

    6

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ありがとうございました

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