トップ > My ページ > monty さんのレビュー一覧

monty さんのレビュー一覧 

検索結果:40件中16件から30件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/07/28

    1979年4月7日、ザルツブルク祝祭大劇場におけるライヴ収録。前回発売時より画質・音質は向上した。
    カラヤン指揮のミサ・ソレムニスでは2008年に初めて発売された1985年収録の映像もあるが演奏内容は明らかにこの1979年ライヴの方が上。「グローリア」などではかなり鳴る一方で全体としては華やかさを抑えた艶消しの音色で澄んだ響きを構築。ベネディクトゥスでトマス・ブランディスが立って真摯なヴァイオリンソロを披露する場面は印象深い。声楽陣の充実ぶりも見事でソリストには華、合唱団の声には温もりがある。放送局との共同制作ゆえ映像に妙な「演出」がなく厳かな雰囲気なので落ち着いて鑑賞できる。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/07/28

    第1楽章は冒頭から微妙な緩急、強弱の変化がテンコ盛り。「運命主題」のアクセントの付け方も変わっていていったん解体されたのを再構築するかのように聴こえた。弦の音色の作り方が巧みで主部に入るところの寂しくささやく最弱音は大変美しい。楽章の後半からコーダにかけてはテンポや響きの厚みを自在に変え、エキサイティングな表現が展開する。指揮者の凝った要求に読売日本交響楽団はよく応じておりなかでもトランペットやホルンは大健闘。
    第2楽章は意外とあっさり目だが第3楽章は最弱音で徹底させつつそのなかでの強弱の変化も施すなど繊細に詰める。フィナーレは吹っ切れたサウンドの打ち上げ花火。速いテンポでオーケストラをギリギリまで追い込んで突き進む。ラストの「運命主題」の再現で急ブレーキをかけるとそこからは再び猛ダッシュ。さすがにアンサンブルが少し乱れるも凄まじい盛り上がりで聴衆の反応も熱狂的。
    併録の幻想曲『テンペスト』は緊迫感を保ちながら叙情性漂うほの暗い響きで入念に仕上げている。録音こそあまり多くないがチャイコフスキーの作曲家人生で重要な位置にある作品ゆえこの好演は嬉しい。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/07/28

    元々徳間ジャパンと東ドイツ(当時)の国営レコード会社ドイツ・シャルプラッテンが制作協力した音源。
    グリーグの管弦楽曲集の殆どに収録される『ペール・ギュント』組曲が入らなかったのはライナーノーツによると東ドイツ側スタッフの考えから。徳間側はやや戸惑ったようだが結果としては名演が残り日本でも売れたという。
    スウィトナー独特のリズムや内声の掘り起こしでどの曲も端正かつ起伏豊かに描かれている。とりわけ特徴的なのは『ホルベアの時代から』。割と淡白な演奏が多いなか低弦をよく響かせ、テンポと強弱の変化も細かくつけながら時には朗々と歌い込む。でも口跡は清々しいのがスウィトナーの持ち味。オーケストラの立体的で見通しのいいサウンドもさすが。昔NHK-BSの『ヨーロッパ音楽紀行』でこの演奏が流れた際、当時マリナーの録音で曲に馴染んでいた私はあまりの違いに驚いたのを今でもよく覚えている。
    キングレコードのリマスタリングは成功で音質は鮮明。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/07/28

    室内撮影での人物配置や撮り方、薔薇へ向かう蟻の行列、そしてラストの雨…映像は極めて力強い。戦争が人の心に残す傷の深さ、たとえ家族であってもそれが理解できなくなってしまう世代間の断絶の深さ、「理解する」ことはできなくも少しでも「分かろうとする」ことの大切さを見る者に伝えてくれる。村瀬幸子の演技も圧倒的というほかない。

    が、残念なことに説明過剰なセリフが映像の持つ説得力を弱めている。作り手は大きな視点から語ろうとしたはずなのに狭い視野で解釈されかねない映画になってしまった。非常に惜しい作品。それでもラストで殆どのモヤモヤは吹き飛ばされる。

    野上照代氏らによるオーディオコメンタリーが興味深い。単なる黒澤賛美に陥らず撮影の舞台裏を明かしている。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/17

    ブラームスは岩城さんが亡くなる約3ヶ月前のライヴ録音で晩年力を注いだライヴによるブラームスの交響曲全集録音の完結作となった。この全集録音は4→2→1→3の順に行われたが後へいくほど出来がよく、とりわけ3番は格別に素晴らしい。膂力を誇示しがちな冒頭はふわっと鳴らされ、その後の運びもゆったりとしなやか。音楽に進むにつれてじわじわ厚みが増していくが、どこか肩の力の抜けた感じがあり重苦しさとは無縁。すっきりと歌われる中間楽章を経てフィナーレへ。ここで初めて少し力を入れて骨格の揺るぎないハーモニーを築き上げている。オーケストラも全員一丸となって応え、ラストの充実をもたらした。アンコールのワルツは綺麗だけどちょっと寂しくなる。
    併録は間宮芳生に委嘱した2作品。「タブロー2005」は室内オーケストラの機能をフル稼働させるような凝集力の強い内容。演奏からは岩城さんの現代作品を機微にデッサンする能力が晩年においても健在だったことがうかがえる。もう一曲は民謡を使っているが盆踊り調ではなく非常に垢抜けた佳品。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/23

    ↓の方の評価はかなり辛口ですが結構いい演奏だと思います。確かに音色の輝きや艶が乏しいのは残念ですが鳴り物、打ち物の技量は現在のN響と遜色なく真剣さという面ではむしろ勝ってます。終盤ではスウィトナーらしい潤いのある歌い口が生かされており聴き応え十分です。音質も問題ありません。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/17

    冒頭のクラリネットのほの暗い歌から弦楽器の澄み切った音色までの繋がりからして美しい。楽器が増えてくるにつれて音楽は静かに熱を帯びていき、深い抉りのきいた強靭な響きが拡がっていく。時折縦の線が乱れる場面もあるものの指揮者、オーケストラともにシベリウス特有のリズムを身体でつかんでいるため音楽全体の流れや骨格が揺らぐことはない。冷涼としたアンダンテ、荒々しいスケルツォを経て遅めのテンポによるフィナーレ。厳しく引き締められた響きには悲哀、温もり、そして気品といった多彩な表情が宿る。様々な思いが封じ込められた締めくくりの緊迫感はとりわけ印象深い。聴衆の心も揺さぶられたようで驚くほど盛大な拍手。余白にアンコールとして演奏された悲しきワルツ。優美さと不気味さの交錯に心奪われる。解説書掲載の信子夫人のインタビューが面白い。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/17

    第4番はフィンランド人の音楽家にとって特別な作品らしい。ということはヘルシンキフィルそして母親がフィンランド人の指揮者渡邉暁雄、どちらにとっても特別な作品と言える。確かにオーケストラの鳴り方は1番の時とかなり違う。アンサンブルがぐっと緻密になって響きそのものは伸びやかさと潤いが増している。そのオーケストラを操る渡邉暁雄の棒も好調そのもの。リズムの扱いの難しい曲だが一つ一つの要素をきっちり際立たせながらも無理のない流れを形作る。かなり突き詰めた音楽作りをしているにもかかわらず、あまり「細工」が浮かび上がらないのはオーケストラと指揮者のなかで音楽が完全に手の内に入っているため。客演でここまでもっていけたのには渡邉暁雄がフィンランド語でリハーサルできることがプラスに働いたのかも。
    第7番は深い闇のなかから手探りで進んでいき次第に光が差していくさまが見事な物語的展開のもとに描かれる。澄み切った弦、しっとりと奏でられる管の響き合いと織りなしは格別の美しさ。色々な意味でハードなプログラムのラストだがオーケストラの集中度は維持されている。決然とした弦のフレージングで曲が結ばれると割れんばかりの拍手。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/17

    渡邉暁雄:都響のコンビの充実ぶりがうかがえるディスク。交響曲第5番は録音が遠めなせいもあってやや淡白だが透明度の高い響きで歯切れよく仕上げている。オーケストラのアンサンブルは緊密で楽器間のバランスも良好。この曲でままありがちな濁った金管の強奏を押し付けられることがない。フィナーレの和音の連続もきれいにこなしている。
    続く『トゥオネラの白鳥』はアルバムの白眉。演奏に先立ち渡邉暁雄がこの演奏会を最後に帰国するアメリカ人客演オーボエ奏者バート・ギャスマンを紹介、彼のイングリッシュホルンを聴かせたいのでトゥオネラの白鳥を演奏すると話す。盛大な拍手に続いての演奏はギャスマンの深い情感の通うソロとそれに寄り添う都響が作り出す静かなドラマに魅了される素晴らしい内容。この1曲だけでも渡邉暁雄の指揮者としての力量や人柄を実感できる。
    余白みたいに入っているブルッフだが藤川真弓の全盛期のピンと張った輝かしいソロは聴き応え十分。ふくよかなで流麗な響きによるサポートも頼もしい。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/17

    クレンペラーのマーラー録音のなかでもこの9番は格別。遅いテンポのなかで音楽は壮大さを見せつつも停滞やべとつきは感じさせず、自然に脈動しながらすっきりと流れていく。余計な色づけは排し、全てを取り払った後に残る作品の核心が宿す情感を厳しい輪郭の響きで浮かび上がらせる。1967年キングズウェイホールにおける録音。HQCD化は成功でシャキッとした透明度の高い音質。冴えない音質の輸入盤でこの演奏に出会ってしまった方は買い直す価値大だと思う。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/04

    ツァラトゥストラは冒頭の轟音のインパクトで引っ張るのではなく、品格漂う透明度の高い響きでロマンティックに描き、曲の後半の魅力を引き出している。バンベルク響の名コンサートマスター、フォルヒェルトのソロも指揮者との呼吸が巧みで潤いがある。
    そして素晴らしいのがカップリングの祝典前奏曲。澄み切った弦を中心にオーケストラを息長く歌わせており実に清々しい。さらにタンホイザー序曲(パリ版)が余白に入っていてこちらも聴き応え十分。特にバッカナールが美しい。
    音質も自然で適度に生々しくシュタイン:バンベルクのハイグレードな職人芸を堪能できる。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/04

    レコーディングではなぜか凡打の目立ったバレンボイム:シカゴ響のコンビだがこのシュトラウスは数少ないクリーンヒット。シカゴ響の各セクションの奏者による朗々としたソロをバレンボイムが頼もしく支える。ホルン協奏曲は冒頭のひとくさりから覇気があり最後まで緊張が途切れないし、オーボエ協奏曲や二重小協奏曲では一転して優美で温かい音色を基調にしっとりと仕上げる。思いのほか曲想に柔軟な対応を見せるところにバレンボイムの団員への敬意がうかがえた。
    余白のホルンとピアノのためのアンダンテや2曲のピアノ小品では「ピアニスト・バレンボイム」も楽しめる実に盛りだくさんでお得なアルバム。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/04

    野島稔(1945〜)の名を広く知らしめたディスク。研ぎ澄まされたタッチが作り出す凝集感のある響き、リズミカルな音楽運びによって大仰な身振りで弾かれがちなこれらの作品を引き締まった構築美で描き出す。とりわけメフィストワルツとピアノ・ソナタは見事。しなやかで透明度の高い音色が作品の骨格を明晰に浮かび上がらせる。音質に定評のあるレファレンスレーベルならではの生々しい録音も魅力。文字通り目の前で弾いているような臨場感だった。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/16

    1994年3月、ベルリン・フィルハーモニーでのライヴ録音。
    相性が良かったとはお世辞にも言えないショルティとベルリンフィルだがこれは例外的な好内容。ショルティの思いのほか力みのない音楽運びにベルリンフィルがしなやかな響きで応じている。グローリアではさすがに彼らしく期待通り(?)の強いメリハリをつけるが硬さやうるささとは無縁。またベネディクトゥスでのコリア・ブラッヒャーのヴァイオリンソロが絶美。これほど透き通った音色で気高く奏でる演奏はあまり思いつかない。一方声楽陣は独唱がテノールのコウルがやや弱い以外はなかなかの美声だし合唱のがっしりした声も立派。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/09/25

    第1楽章冒頭から感情のウェイトが乗っていて全篇に出てくる動機をしつこいくらい濃密に扱う。主部では大きな緩急とともにオーケストラが稜々とした響きを奏でメロディーはうねるように歌い抜かれていく。弦楽器の量感と管楽器の音圧はかなりのもので指揮者の思い入れがストレートに伝わってくる。このムードは第2・第3楽章に入っても続き、濃密なロマンの香りが充満。そしてフィナーレはスコアのテンポ変化を3倍くらい拡大解釈することで骨格が崩れる手前ほどの起伏を形作っており、ハラハラドキドキさせられる。ラストには強烈なリダルタンドまで飛び出すので聴き手はもうおなかいっぱい。ライヴゆえの乱れはあるがオーケストラのテンションは高く余白のブラームスのハンガリー舞曲第1番も濃厚な味つけ。やや乾いているが鑑賞には十分な音質。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:40件中16件から30件まで表示