ショスタコーヴィチ(1906-1975)

人物・団体ページへ

CD 輸入盤

ショスタコーヴィチ:交響曲第10番、トルミス:序曲第2番 P.ヤルヴィ&シンシナティ響

ショスタコーヴィチ(1906-1975)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CD80702
組み枚数
:
1
レーベル
:
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

パーヴォ・ヤルヴィの凄い実力を伝える快演盤!
ショスタコーヴィチ交響曲第10番&トルミス序曲第2番


最近は発表するすべての作品が高水準といわれるパーヴォ・ヤルヴィ。大編成作品はシンシナティ交響楽団とのテラーク・レーベルへの一連の録音のほか、フランクフルト放送響や、エストニア国立響などと録音しており、中規模作品ではドイツ・カンマーフィルハーモニーと良い仕事をしてきました。
 今回登場するのはショスタコーヴィチの交響曲第10番とトルミスの序曲第2番という組み合わせのアルバムで、ヴィルトゥオジティの求められる作品ということもあってか、シンシナティ交響楽団が相手に選ばれています。
 共に大編成の作品ですが、曲が曲だけにいつもの彼らのサウンドよりもさらに重厚に仕上げられており、久々に手ごたえのあるテラーク・サウンドが聴けるのが嬉しい限り。
 演奏も見事です。第1楽章では、克明な旋律線を刻み込む低弦からまず立派。トゥッティの盛り上げも悲壮感漂わせながらも下品にならず、長大な音楽を一貫した緊張感で描く手腕はさすがです。細部まで緊密な造形にも驚くほかありません。
 スターリンをあらわすとされる第2楽章アレグロのスケルツォは、音が良いこととオケがうまいこともあってパワフルかつ緻密なコントロールの効いた演奏が、スリリングでありながらもどこか冷たく機械的という作品の内容を正しく伝えてパーフェクトな仕上がりです。
 緩徐楽章にあたる第3楽章アレグレットでも、各パートのバランスが適正に保たれた上で豊かな表情が付されているため情報量が多く、シニカルでコミカル、そしてうら寂しいという複雑な雰囲気がよく示されています。ホルンやファゴットなど管楽器のテクニックが卓越しているため、強力なピツィカートが印象的な弦楽、そして銅鑼と組みあわされることで陰影の濃い情感がダイレクトに伝わってくるのも大きなポイント。にぎやかな中間部も馬鹿騒ぎにならず、きわめて精緻に演奏されるため、スターリンの恐怖を回想するかのようなスケルツォ引用や、若き日の恋愛感情へのノスタルジーなども交えたシリアスな音楽が聴きごたえ十分です。
 第4楽章は、強力な音圧で迫る弦楽が印象深いアンダンテの序奏部と、リズミカルでユーモラスなアレグロの主部の切れ味の良いサウンドのコントラストも鮮やかな快演。ここでもオケのうまさが光っています。
 組み合わせのトルミスは、パーヴォ・ヤルヴィの故郷エストニアの作曲家で、ショスタコーヴィチに深く傾倒していることでも知られる人物。合唱作品が有名ですが、わずかながらオーケストラ作品も書いており、ここに収められた序曲第2番は、パーヴォの父であるネーメもレコーディングをおこなっています。
 鳴りの良さはある意味ショスタコーヴィチ以上のこの曲は、ダイナミックで明快な音楽で開始され、叙情的な中間部を経て、R.シュトラウスの『サロメ』の幕切れを思わせるエンディングで締めくくられるという作品。ヤルヴィとシンシナティ交響楽団はここでも実に見事で、ショスタコーヴィチ10番と同じく、父のシャンドス盤を大きく上回る演奏を繰り広げています。

【収録情報】
・ショスタコーヴィチ:交響曲第10番ホ短調Op.93
・トルミス:序曲第2番
 シンシナティ交響楽団
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)

 録音:2008年4月27-28日、シンシナティ、ミュージック・ホール

収録曲   

  • 01. Shostakovich: Symphony No. 10, Op. 93: I. Moderato 24:52
  • 02. II. Allegro 4:09
  • 03. III. Allegretto 13:04
  • 04. IV. Andante; Allegro 13:51
  • 05. Tormis: Overture No. 2 11:19

総合評価

★
★
★
★
★

4.5

★
★
★
★
★
 
4
★
★
★
★
☆
 
2
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
薄明の中に蠢く影は次第に輪郭を露わにし荒...

投稿日:2018/03/20 (火)

薄明の中に蠢く影は次第に輪郭を露わにし荒々しい民衆の交錯を見たと思うやまた朝霧の中に紛れて霞んでいく 戦後の不如意な民衆の心情が巷に充満している第1楽章 短いダンス・スケルツォの力感との対比が際立つ第2楽章へ 権力は踊る ものの見事に命輝く整然たる無慈悲が疾駆する 様々な人間と事物が交差する混沌とした第3楽章 ラプソディックな展開の中からしばしば立ち上がってくる決然とした意思と憧憬のテーマが印象的だ そして第4楽章へ 肩透かしと懐疑を生んだ問題のフィナーレは背反するAndanteとAllegroが無作為に繋がったようだ P.ヤルヴィの腕の見せ所 果たしてショスタコーヴィチの時代と政府への失望と侮蔑があからさまになった ショスタコーヴィチをR.シュトラウスの交響詩を聞くように聴いてはならない 終生自然主義の視点が貫かれている音楽だ ロマン主義や芸術至上主義に逃げずに聴こう あなたも如何   

風信子 さん | 茨城県 | 不明

1
★
★
★
★
★
じっくりと構えた10番の演奏、しっかりと...

投稿日:2012/04/22 (日)

じっくりと構えた10番の演奏、しっかりと歌わせる個所は歌わせシンチナティ響も答えます、この人のオヤジもショスタコの名手でしたが息子もなかなか、これからの続編を期待します。8番11番なんかを待ってます。

沼垂の五郎ちゃん さん | 所在地 | 不明

0
★
★
★
★
☆
テンポが速くてオーケストラが微妙に合わな...

投稿日:2011/05/17 (火)

テンポが速くてオーケストラが微妙に合わない場面が多い。 オーケストラの技術はしっかりしているので、指揮者 の問題だろう。スタジオ録音なら取り直しても良さそうな ものだが、多忙ゆえか? トルミとやらは曲がちょっと・・・・。

フルシチョフ さん | 東京都 | 不明

0

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

ショスタコーヴィチ(1906-1975)

「わたしの交響曲は墓碑である」という“証言”の中の言葉によって象徴されるショスタコーヴィチの音楽と生涯への価値観の変質は、今もって盛んな議論と研究、演奏解釈によって再認識過程の最中にあるとも言えますが、作品によってはすでに演奏年数も75年に及び、伝統と新たな解釈の対照がごく自然におこなわれてきているとも言えそうです。 圧政と戦争の象徴でもあったソビエト共産主義社会の中に生き、そして逝ったショスタコ

プロフィール詳細へ

ショスタコーヴィチ(1906-1975)に関連するトピックス

交響曲 に関連する商品情報

おすすめの商品

HMV&BOOKS onlineレコメンド