ハンキー・パンキー
(黒沢健一/秀樹)インタビュー
2008年9月25日 (木)
※インタビューを最後まで読んでくれた方にスペシャルプレゼントあり!
デコレ村のハンキー・パンキー
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坂本九と
黒沢健一(以下、健一) えっと、スタッフの人からいきなり、“パンダにならいか?”って言われまして(笑)。音楽的な部分よりもまず、その、パンダになるということが解らなくて…。改めてプロデューサーに説明を受けたんですよ。そこで、色んなキャラクターをアーティストが担当して歌を唄うというコンセプトが解りまして。“では、私は何をやればいいんでしょう?”という話になりまして。“デコレ村のキーとなる楽曲、「上を向いて歩こう」をパンダとしてカバーして欲しい”と。それを、“弟とやってみたらどうか?”と。“どうやらあまり仲良く無さそうだから、これを機に一緒にレコーディングをしてみたらどう?”と気を使って頂きまして(笑)。“まあ、パンダならいいかな? 2人でスタジオに入るのも”みたいな(笑)。 黒沢秀樹(以下、秀樹) ぶっちゃけそうですね(笑)。でも、正直、2人でやるって言われたとき、兄貴はやらないって言うだろうなって思ったら、“やる!”って言ってきたんで、“ほんとに?”って思いましたね(笑)。 --- (笑)。2人でレコーディングをするのは約10年ぶりになるんですよね? 秀樹 うん。まあ、ちょこちょこ一緒に活動はしてたんですけどここまでがっつりやるのは久しぶりですね。 --- 10年ぶりにレコーディングしてみてどうでしたか? 秀樹 あんまり変わらないですね。ていうか、今回の話は急に現実化していったというのもあったんで。さらに、全くのゼロからじゃなかったので。デコレ村というコンセプトもあって、やる曲も決まっていてというのがあったので。それに乗っかるというか…。2人で全部作ったわけではないので。楽と言えば楽でしたね。まあ、最初のリレーションがしっかりしていたので。だからこそ自然に出来たというか…。それと、ソロ活動をし始めて色んな人と仕事をして、ようやく「ボーカリスト、黒沢健一」という目線で見れるようになっていた自分に気づいて。それはバンドをやっていたときには感じ取れないとこだったんですけど。改めて押し引きがやっぱり俺も兄貴も上手くなってるなぁって思いましたね(笑)。 健一 (笑)。まあ、それもそうですけど、秀樹とは長年バンドをやっていた経緯もあって、説明しなくても解るというか。例えば、“この曲のこの部分はこういう感じで”とかを説明しなくても解るんですよね。他の人から見れば全然解らないと思うんですけれど、ほんと、独特なんですよね。小さいサークルでの会話というか。うちらでしか通じない音楽用語とかが久しぶりに出てきて。そういう感じでセッションしていって、決めて、楽曲が出来上がったという感じですね。 --- もう、音を出した瞬間から、昔と変わらない感覚だったんですね? 健一 そうですね。秀樹との作業ではね。まあ、L⇔Rのときは木下君とか他のスタッフがいたんで、ちょっと違うんですが、L⇔Rのときのチームの感じの一部が僕ら兄弟だったんで、久しぶりにやっても昔と同じような音の匂いというのは出るんだなぁと思いましたね。 --- 『太陽に歌って』にて「上を向いて歩こう」のカバーをやることになって。兄弟で一緒にやることになって、そして、かの、フィル・スペクター(※アメリカの音楽プロデューサー。1960年代から1970年代にかけて「ウォール・オブ・サウンド(音の壁)」と称されるゴージャスなサウンドを作り、ポピュラー音楽の分野で大きな足跡を残した)を彷彿とさせるアレンジにしたのは誰のアイデアなんでしょうか? 秀樹 既に他のアーティストの皆さんがカバーしていた「上を向いて歩こう」を聴かせてもらって。そこで、僕らがやるに当たって普通のアレンジしてもしょうがないなっていうのがあって。2人でやるんだったら何かしら突き抜けたものじゃなきゃつまらないと思って。さらにこういう企画モノじゃなきゃ出来ないものをやりたいと思いまして。 健一 僕も、デコレ村で展開されている音楽を先に聴かせてもらって、“「上を向いて歩こう」を、どういうアプローチにしようか?”というのを考えましたね。パンダというキャラクターを踏まえて、声を変えたり、キャラクター中心に何かを表現したほうがいいのかとか。それとも自分達の声のままでいいのかとか…。すごく考えて、秀樹に電話したんですよ。したら、“もう黒沢兄弟の好きにやっていいらしい”ということを聞いて、“じゃあ、なんでもいいんだ!”ってなって(笑)。 --- まさか「上を向いて歩こう」がフィル・スペクター調のアレンジで、「The First Star〜上を向いて歩こう〜」という名でここまで素晴らしい楽曲になるとは予想していなかったというか。スゴイなと。素直に感動してしまったんですけど、ここまで完成度の高い作品に仕上がると予想していましたか? 秀樹 予想とかそういうものはなかったですね。でも細かいディテールとかは置いておいても、なんとなく見えている部分は大きかったんで、それをスタジオでやるだけでしたね。坂本九とフィル・スペクターとエヴァリー・ブラザーズ(※50年代からアメリカで活躍。ドン・エヴァリーとフィル・エヴァリーの兄弟の最大の武器は、なんといってもその絶妙のヴォーカル・ハーモニー)の合体!です(笑)。 健一 でも不思議だなって思いましたね。やはりここまで変わったことができるのはこの兄弟だからこそなのかなってね。アーティストによって得意なスタイルってあるじゃないですか?その得意なスタイルって作業的に時間がかからないものなんですよ。頭で考えないというか。だから、「上を向いて歩こう」という素材があって、フィル・スペクター調でやろうというアイデアがある時点で、“こうなるだろう”というのがストレートにもう解っていたというか。 --- “フィル・スペクターだからこうなんだ!”としか言えないと。 健一 そうそう。だから、周りのみんなはもう、“しょうがねぇえなぁ…”って感じでしたよ(笑)。 秀樹 本当はもっと作りこみたいところもあったんですけどね。最終的には、“俺たちが黒人になれないから完璧になれないんだ!”って結論に至ってあきらめた部分もありましたけどね(笑)。とはいいつつ随分手をかけましたね。もう、エンジニアの人と話をしたりして、本当に当時使っていたマイクを調達してレコーディングしたりしましたし。でもドラムの口径が違うから鳴りが違うとか。色々無理な部分もありつつもやれる限りのことはやりましたね。 --- こだわりましたね、色々と。 秀樹 あの、僕だけがなんか偏屈でこだわり主義的なアーティストに思われがちですが、みんなそうなんですよ。やっぱりいい音を作りたいと考えると究極なものを突き詰めたいと考えますからね。ようは、いい音っていうのは実際なんなんだろう?という…。でもね、今回は、フィル・スペクターだからこれ!っていうことでね。様々なサウンドを実験させてもらっていい経験になりましたね。
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