アバド作曲家ボックス・シリーズ

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2015年6月4日 (木)

アバド／ハイドン：交響曲集（４ＣＤ）
名手ハーセスとのトランペット協奏曲も収録！

1981年にアバドが設立したオーケストラ、ヨーロッパ室内管弦楽団は、ＥＣユース・オーケストラの出身者によって編成されており、若手ながら場数を踏んだ経験の豊富さと、何よりもアバドへの共感に満ちた積極的な演奏姿勢が、高く評価されていました。　レコーディングでも、シューベルトの交響曲全集や、ロッシーニのオペラ『ランスへの旅』は世界的にも高い評価を得ていましたが、それらに引けを取らない優れた内容を持つのが一連のハイドンの録音です。　もともとシリーズでの企画ではなかったのか、8曲だけの録音で終わってしまったのは残念ですが、ここでの切れ味鋭くしかもハイドンらしい端正で洗練されたフォルムを示す演奏は、この時期のアバドと彼らならではのものだったのかも知れません。聴いていて実に気持ちの良いハイドンです。
　今回の新装発売に際し、アバドのハイドンの注目音源でもあるトランペット協奏曲を追加収録しているのもポイントです。シカゴ交響楽団とおこなわれたこの録音では、同団首席奏者で名手として知られるアドルフ・ハーセスがソロを担当して見事な演奏を披露しています。（HMV）

【収録情報】
Disc1
ハイドン：
1.　交響曲第93番ニ長調 Hob.I:93
2.　交響曲第101番ニ長調 Hob.I:101『時計』

Disc2
3.　交響曲第96番ニ長調 Hob.I:96『奇蹟』
4.　協奏交響曲変ロ長調 Hob.I:105
5.　トランペット協奏曲変ホ長調 Hob.VIIe:1

Disc3
6.　歌劇『月の世界』 Hob.XXVIII:7～序曲
7.　交響曲交響曲第98番変ロ長調 Hob.I:98
8.　交響曲第100番ト長調 Hob.I:100『軍隊』

Disc4
9.　交響曲第102番変ロ長調 Hob.I:102
10.　交響曲第103番変ホ長調 Hob.I:103『太鼓連打』

　アドルフ・ハーセス（トランペット：5）
　マリエケ・ブランケンスティーン（ヴァイオリン：4）
　ウィリアム・コンウェイ（チェロ：4）
　ダグラス・ボイド（オーボエ：4）
　マシュー・ウィルキー（ファゴット：4）
　シカゴ交響楽団（5）
　ヨーロッパ室内管弦楽団（1-4,6-10）
　クラウディオ・アバド（指揮）

　録音時期：1984年（5）、1986-95年（1-4,6-10）
　録音方式：ステレオ（デジタル）

アバド／ベートーヴェン・ボックス（１０ＣＤ）
交響曲全集＋ピアノ協奏曲全集＋三重協奏曲＋エグモント＋献堂式ほかも収録！

ベルリン・フィルとの交響曲全集が5枚分、協奏曲が3枚分、そしてアバドらしいマニアックな作品が2枚分という構成のお買得ボックス。
　今回特に注目されるのはマニアックな内容の2枚のアルバム。セッション録音されたDisc10の『献堂式』の音楽は、『アテネの廃墟』の音楽に序曲と声楽曲1曲を加えたもので、バロック趣味の壮大な序曲のほか、超有名な「トルコ行進曲」が聴けるのが面白い51分ほどの作品。組み合わせの『レオノーレ・プロハスカ』は11分ほどの劇音楽。グラスハーモニカの音色が美しい曲もあったりする秘曲です。
　Disc9は、1991年におこなわれたジルヴェスターコンサートのライヴ録音。会場がシャウシュピールハウスのためか、ベルリン・フィルの音が力強く再現されているのがポイントで、合唱幻想曲などキーシンの冴えたピアノもあって凄い聴きごたえ。『エグモント』の音楽は31分ほどの抜粋ですが、劇的な効果を形成できるナンバーが選ばれており、名優ガンツらの熱演もあって迫力満点。ステューダーとの「おお、不実なる者よ」もシャープな仕上がりですし、『レオノーレ』序曲第3番のダイナミックな演奏もライヴならではの盛り上がりを楽しませてくれます。
　メインの交響曲全集（Disc1～5）は、アバド自身が気に入っていたという音源を収録。アバドとベルリン・フィルは1999年から2000年にかけてベルリンでの録音により全集を完成、発売しています。
　その後アバドはガンに倒れますが、回復後の2001年にローマでおこなったベートーヴェン連続演奏会での第1番から第8番の8曲の演奏を非常に気に入っていたため、既発売音源の8曲を差し替えた形での交響曲全集もリリースされることに。このローマでの演奏は先にDVDで発売されていましたが、ドイツ・グラモフォンは、ベルリン・フィル及びユーロアーツの許諾を得てCDリリースに漕ぎ着け、CD化にあたっては新たなマスタリングを実施、DVDの音声トラックを上回る音質を実現しています。なお、第９番については、アバド自身が旧盤の演奏を気に入っているということで、同じ音源が使用されています。
　ポリーニとのピアノ協奏曲全集は、1992年から93年にかけてのベルリンでのライヴ録音。
　三重協奏曲はアバド唯一の録音。近年ドゥダメルとの録音で話題のベネズエラのシモン・ボリバル・ユース・オーケストラを指揮したもので、ソリストにはイリア・グリンゴルツ、マリオ・ブルネッロ、アレクサンダー・ロンクィヒという豪華なメンバーが揃えられています。（HMV）

【収録情報】
Disc1
ベートーヴェン：
1.　交響曲第1番ハ長調 Op.21
2.　交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』

Disc2
3.　交響曲第2番ニ長調 Op.36
4.　交響曲第4番変ホ長調 Op.60

Disc3
5.　交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
6.　交響曲第6番変ホ長調 Op.68『田園』

Disc4
7.　交響曲第7番イ長調 Op.92
8.　交響曲第8番ヘ長調 Op.93

Disc5
9.　交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』

Disc6
10.　ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
11.　ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19

Disc7
12.　ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
13.　ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58

Disc8
14.　ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
15.　ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲ハ長調 Op.56

Disc9
16.　ゲーテの悲劇『エグモント』への音楽 Op.84
17.　おお、不実な者よ Op.65
18.　『レオノーレ』序曲第3番 Op.72a
19.　合唱幻想曲ハ短調 Op.80

Disc10
20.　祝典劇音楽『献堂式』のための音楽
21.　舞台劇『レオノーレ・プロハスカ』のための音楽 WoO.96

　マウリツィオ・ポリーニ（ピアノ：10-14）
　イリヤ・グリンゴルツ（ヴァイオリン：15）
　マリオ・ブルネロ（チェロ：15）
　アレクサンダー・ロンクィヒ（ピアノ：15）
　エフゲニー・キーシン（ピアノ：19）
　シェリル・ステューダー（ソプラノ：16,17）
　シルヴィア・マクネアー（ソプラノ：20,21）
　ブリン・ターフェル（バリトン：20,21）
　ブルーノ・ガンツ（語り：16）、他
　RIAS室内合唱団（19）
　ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ（15）
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団（1-14、16-21）
　クラウディオ・アバド（指揮）

　録音時期：2001年（1-8）、2000年（9）、1992-93年（10-14）、2006年（15）、1991年（16-19）、1994年（20,21）
　録音場所：ローマ（1-8,15）、ベルリン（9-14,16-21）
　録音方式：ステレオ（デジタル）

アバド／メンデルスゾーン・ボックス（５ＣＤ）
交響曲全集＋序曲集＋ヴァイオリン協奏曲

定評ある交響曲全集＆序曲集にヴァイオリン協奏曲を追加収録したお買得ボックス。
　番号付き交響曲の全集に加え、『フィンガルの洞窟』をはじめとする7つの序曲、弦楽八重奏曲からの「スケルツォ」、ヴァイオリン協奏曲まで収めた作品数の多さは魅力。
　メンデルスゾーン作品の明晰な様式感と伸びやかな旋律美はアバドのスタイルと合致するもので、細やかなフレージング処理や楽器間のバランスなど細部にまで神経を通わせた演奏はさすが。（HMV）

【収録情報】
Disc1
メンデルスゾーン：
1.　交響曲第1番ハ短調 Op.11
2.　弦楽八重奏曲 Op.20～スケルツォ（管弦楽版）
3.　『真夏の夜の夢』序曲 Op.21
4.　序曲『フィンガルの洞窟』 Op.26
5.　序曲『静かな海と楽しい航海』 Op.27

Disc2
6.　交響曲第2番変ロ長調 Op.52『賛歌』

Disc3
7.　交響曲第3番イ短調 Op.56『スコットランド』
8.　序曲『美しいメルジーネの物語』 Op.32
9.　トランペット序曲 Op.101
10.　序曲『ルイ・ブラス』 Op.95

Disc4
11.　交響曲第4番イ長調 Op.90『イタリア』
12.　交響曲第5番ニ短調 Op.107『宗教改革』
13.　吹奏楽のための序曲 Op.24

Disc5
14.　ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64

　シュロモ・ミンツ（ヴァイオリン：14）
　エリザベス・コネル（ソプラノ：6）
　カリタ・マッティラ（ソプラノ：6）
　ハンス＝ペーター・ブロホヴィッツ（テノール：6）
　ロンドン・シンフォニー・コーラス（6）
　シカゴ交響楽団（14）
　ロンドン交響楽団（1-13）
　クラウディオ・アバド（指揮）

　録音時期：1980年（14）、1984-85年（1-13）
　録音方式：ステレオ（デジタル）

アバド／シューベルト・ボックス（８ＣＤ）
交響曲全集＋ロザムンデ＋ミサ曲集＋歌曲集

定評ある交響曲全集に、劇音楽『ロザムンデ』、ミサ曲第2番と第6番、そして管弦楽伴奏編曲版による歌曲集などを追加収録したお買得ボックス。　シューベルトの交響曲は第6番までの6曲については、ロマン派よりもむしろ古典派に近い編成と内容が特徴的で、見通しの良いサウンドで克明に演奏された場合は、そうした印象がより強くなります。　アバドが創設したヨーロッパ室内管弦楽団による演奏は、サウンド・バランスや楽員個々の技術、演奏への積極性も申し分なく、これに指揮者アバドの、カンタービレを大切にしつつ、ピリオド様式にも意を払った入念なベーレンライター版解釈が加わることで、完成度高い仕上がりが示されています。　『未完成』と『グレート』についても、シューベルトの意図した楽器編成を守り、クリアなサウンドの中で、音楽の多彩な表情を明晰な構築を保ちながらあらわすことで、作品本来の軽やかな旋律美や色彩美を楽しむことができます。　交響曲のほかに、『ロザムンデ』序曲と、『グラン・デュオ』管弦楽版が収められているのもポイントです。『グラン・デュオ』は43分もかかる大規模なピアノ連弾曲で、その作風からシューマンが交響曲の可能性を示唆し、ヨアヒムが実際にオーケストレーションをしてクララ・シューマンに捧げ、ブラームスが指揮して演奏したという歴史的な背景を持った編曲作品でもあります。（HMV）

【収録情報】
Disc1
シューベルト：
1.　交響曲第1番ニ長調 D.82
2.　交響曲第2番変ロ長調 D.125

Disc2
3.　交響曲第3番ニ長調 D.200
4.　交響曲第4番ハ短調 D.417『悲劇的』

Disc3
5.　交響曲第5番変ロ長調 D.485
6.　交響曲第6番ハ長調 D.812

Disc4
7.　交響曲第7（8）番ロ短調 D.759『未完成』
8.　グラン・デュオハ長調 D.812（ヨアヒム編）

Disc5
9.　交響曲第8（9）番ハ長調 D.944『グレート』

Disc6
10.　劇付随音楽『ロザムンデ』 D.644
11.　タントゥム・エルゴ変ホ長調 D.962
12.　詩篇第23番 D.706『主は羊飼い』

Disc7
13.　ミサ曲第6番変ホ長調 D.950
14.　ミサ曲第2番ト長調 D.167

Disc8
15.　ロザムンデのロマンス『満月は輝き』 D.797-3b
16.　ます D.550（ブリテン編）
17.　エレンの歌2 D.838（ブラームス編）
18.　糸を紡ぐグレートヒェン D.118（レーガー編）
19.　シルヴィアに D.891（編曲者不詳）
20.　夕映えの中で D.799（レーガー編）
21.　夜と夢 D.827（レーガー編）
22.　タルタルスの群れ D.583（レーガー編）
23.　魔王 D.328（ベルリオーズ編）
24.　若い尼僧 D.828（リスト編）
25.　『美しき水車小屋の娘』より「涙の雨」 D.795-10（ヴェーベルン編）
26.　『冬の旅』より「道しるべ」 D.911-20（ヴェーベルン編）
27.　君こそは憩い D.776（ヴェーベルン編）
28.　『白鳥の歌』より「彼女の肖像」 D.957-9（ヴェーベルン編）
29.　プロメテウス D.674（レーガー編）
30.　メムノン D.541（ブラームス編）
31.　馭者クロノスに D.369（ブラームス編）
32.　音楽に寄せて D.547（レーガー編）
33.　魔王 D.328（レーガー編）
34.　ひめごと D.719（ブラームス編）
35.　『白鳥の歌』より「セレナード」 D.957-4（オッフェンバック編）

　アンネ・ゾフィー・フォン・オッター（メゾ・ソプラノ：10,15-24,34）
　トマス・クヴァストホフ（バリトン：25-33,35）
　カリタ・マッティラ（ソプラノ：13）
　マリヤーナ・リポヴシェク（アルト：13）
　ジェリー・ハドリー（テノール：13）
　ロベルト・ホル（バス：13）、他
　ウィーン国立歌劇場合唱団（11-14）
　エルンスト・ゼンフ合唱団（10）
　ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団（13）
　ヨーロッパ室内管弦楽団（1-12,14-35）
　クラウディオ・アバド（指揮）

　録音時期：1986～2002年
　録音方式：ステレオ（デジタル）