ペトレンコのエルガー交響曲第１番、『コケイン』

2014年12月10日 (水)

エルガー：交響曲第１番、序曲『コケイン』
ペトレンコ＆ロイヤル・リヴァプール・フィル

イギリスの人気コンビ、ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルがいよいよエルガーに取り組みます。彼らの録音は、高解像度系のショスタコーヴィチ（ナクソス）やヒラリー・ハーンとのチャイコフスキー（DG）、すっきり系のラフマニノフ（EMI）、そしてハーモニー系のチャイコフスキーの三大バレエ抜粋（Avie）などが有名で、それぞれのレーベルの個性を反映したサウンドの中で、キレの良い演奏を聴かせていましたが、今回のレーベル「オニックス」は、Avieと同じく、ハーモニー感のある録音が比較的多かったので、独特の雰囲気の求められるエルガーの作品にはふさわしいかもしれません。
　エルガー円熟期の活気ある作品で、最初から成功を収めていた交響曲第1番と『コケイン』という有名曲を、彼らがどのように演奏するか楽しみなアルバムの登場です。（ＨＭＶ）

【ペトレンコ】
1976年にサンクト・ペテルブルグに誕生。サンクト・ペテルブルグ音楽院で学び、ムーシン、テミルカーノフ、ヤンソンス、サロネンらに師事。18歳からムソルグスキー記念サンクトペテルブルグ国立アカデミー劇場（旧レニングラード国立歌劇場）でオペラ指揮者としての経験を積み、30を超えるオペラのレパートリーを持つようになります。21歳の時には、ショスタコーヴィチ合唱指揮コンクールで優勝、26歳でカダケス国際指揮者コンクール優勝し、30歳となった2006年よりロイヤル・リヴァプール・フィルの首席指揮者を務め、当地で絶大な人気を博しています。
　ペトレンコのスタイルは、ロシア的な激しさを備えながらも精緻でクリアなサウンドを追求し、作品の情報量をバランス良く最大限に表出しようというもので、素材引用や展開の様子のよく分かるシンフォニックなアプローチが魅力十分です。（ＨＭＶ）

【収録情報】
エルガー：
● 交響曲第1番変イ長調 Op.55
● 序曲『コケイン』 Op.40

　ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
　ワシリー・ペトレンコ（指揮）

　録音方式：ステレオ（デジタル）