スタインバーグ/キャピトル録音集
2011年8月1日 (月)
スタインバーグ/キャピトル・レコーディングスベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、ほか
CD20枚組限定盤
かつてコマンド・レーベルのブルックナー7番や、DGのホルスト『惑星』などといった快速演奏で知られた名指揮者、ウィリアム・スタインバーグは、1899年、ケルンの出身で、幼少から楽才を発揮、ピアノとヴァイオリン、作曲を学び、13歳のときに、ローマ詩人オヴィディウスの『変身譚』に基づく合唱と管弦楽のための作品を書き上げて指揮、初演するという天才で、ドイツでの名前はハンス・ヴィルヘルム・シュタインベルクでした。
その後、ケルン音楽院でピアノをクララ・シューマンの弟子に、指揮をアーベントロートに師事したスタインバーグは優秀な成績で卒業、ケルン歌劇場のオーケストラに第2ヴァイオリン奏者として入団するのですが、ここで当時の首席指揮者、クレンペラーにボウイングの面で怒りを買い、解任されることになってしまいます。しかし、クレンペラーは解任したスタインバーグを今度は自分のアシスタントとして雇い、3年後の1924年には自身の代役としてアレヴィの『ジュイーヴ』で指揮者デビューを飾らせることとなります。
その翌年、かつてクレンペラーがマーラーの推薦で指揮者を務めたプラハのドイツ歌劇場の音楽監督となり、1929年にはフランクフルト歌劇場の音楽監督に就任、シェーンベルクの『今日から明日まで』の初演などもおこなっています。しかし1933年には、ナチによってポストを追われ、その後、準備期間を経た1936年、フーベルマンと共にパレスチナ交響楽団設立という大任を果たしています。
設立後ほどなくして、パレスチナ交響楽団を訪れたトスカーニーニは、スタインバーグの指揮を大いに気に入り、自身のアシスタントとしてアメリカに招き、1938年から1940年までのあいだ、NBC交響楽団を数多く指揮させることになります。以後、ニューヨーク・フィルやサンフランシスコ歌劇場での指揮を経て、1945年、バッファロー・フィルの音楽監督に就任、1952年には、ピッツバーグ交響楽団の音楽監督となり、1976年までの四半世紀に渡って良好な関係を築きあげ、途中、1958年から60年にかけてロンドン・フィル、1969年から72年にかけてはボストン交響楽団の首席指揮者も兼任するなどして、退任から2年後の1978年、ニューヨークで生涯を終えています。
スタインバーグの芸風は、クレンペラーとトスカニーニに気に入られるだけあって(?)、無用な感情移入がなく、作品の情報を大切にしたもので、それゆえ古典派から近現代作品までレパートリーは幅広く、実演では多彩な演目を取り上げ、また、当時、勢いを伸ばしていた新興レーベルの米キャピトルと組んだ数多くのレコーディングでもその手腕を発揮していたものでした。
【EMI ICON BOX】
このセットに収められた音源は、1952年2月9日から1959年4月16日の7年間にセッション録音されたもので、時期としてはモノラル後期からステレオ初期にあたり、しかも当時のキャピトルは音の良さでも有名だったため、モノラルのものでも聴きやすい水準にあります。
スタインバーグが、最も積極的にレコーディングをおこなったのはピッツバーグ響音楽監督の時代で、米キャピトル・レコードのプロデューサー、リチャード・C・ジョーンズと共におこなったレコーディング・セッションの数々は、今聴いても新鮮なものが多く、特に1956年の録音からはステレオということもあり、スタインバーグとオケの気合いも十分な快演を楽しむことができます。
また、同じくリチャード・C・ジョーンズのプロデュースしたフィルハーモニア管と録音したR.シュトラウス(1957年6月)も併せて収録しており、ピッツバーグ響と異なる響きの傾向を楽しめるのもポイントとなっています。
セットの装丁はクラムシェル・ボックス仕様で、各CDは紙製ケース入り、40ページ・ブックレットが付属します。(HMV)
【収録情報】
CD1
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 作品55『英雄』
録音:1955年10月30日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 作品93
録音:1954年4月15-16日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD2
・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67『運命』
録音:1954年4月15-16日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 作品68『田園』
録音:1952年2月10日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD3
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73『皇帝』
ルドルフ・フィルクシュニー(ピアノ)
録音:1957年10月26日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92
録音:1957年3月26日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
CD4
・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
録音:1955年1月10日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
録音:1953年11月29日、1954年4月13日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD5
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68
録音:1956年4月17日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ハイドン:交響曲第94番ト長調 H.I/94『驚愕』
録音:1958年10月20日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
CD6
・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15
ルドルフ・フィルクシュニー(ピアノ)
録音:1956年10月14日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調 作品53
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
録音:1957年4月17日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
CD7
・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
録音:1953年11月28日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
録音:1953年11月28日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲イ短調 作品82
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
録音:1957年4月17日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ヴォルフ:イタリア風セレナード
ゴドフリー・レイエフスキー(ヴィオラ)
録音:1959年4月16日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
CD8
・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』
録音:1956年4月19日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・ヘンデル:『水上の音楽』組曲
録音:1958年10月20日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
CD9
・エルガー:エニグマ変奏曲
録音:1957年3月25日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲
録音:1957年4月18日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ヴォーン・ウィリアムズ:5つのチューダー朝の肖像
ネル・ランキン、ロバート・B・アンダーソン
メンデルスゾーン合唱団
録音:1952年11月30日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD10
・グリンカ:カマリンスカヤ
録音:1958年3月18日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ボロディン:イーゴリ公ーだったん人の踊り
録音:1958年3月18日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・リムスキー=コルサコフ:『金鶏』組曲
録音:1957年10月21日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・プロコフィエフ:『3つのオレンジへの恋』組曲
録音:1957年10月21日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ムソルグスキー:禿山の一夜(編:リムスキー=コルサコフ)
録音:1958年3月18日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・プロコフィエフ:交響曲第1番 作品25『古典的』
録音:1953年11月30日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD11
・マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』
録音:1953年2月10日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・ワーグナー:ジークフリート牧歌
録音:1956年4月18日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・モーツァルト:セレナード ト長調 K.525『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
録音:1958年10月28日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
CD12
・メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調 作品56『スコットランド』
録音:1952年11月17日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 作品90『イタリア』
録音:1959年4月4日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・J.シュトラウス2世:加速度ワルツ 作品234
・J.シュトラウス2世:ピツィカート・ポルカ
・J.シュトラウス2世:無窮動 作品257
・J.シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214
録音:1953年2月11日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD13
・モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550
録音:1957年10月29日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・シューベルト:交響曲第2番変ロ長調 D125
録音:1952年2月9日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・シューベルト:交響曲第8番ロ短調 D759『未完成』
録音:1952年2月9日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)(キャピトルへの初録音)
CD14
・ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 作品27
録音:1954年1月25日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 作品48
録音:1953年11月30日、1954年4月14日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD15
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
・ラヴェル:ラ・ヴァルス
・ラヴェル:ボレロ
録音:1958年10月29日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ストラヴィンスキー:春の祭典
録音:1953年12月1日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD16
・R.シュトラウス:交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
録音:1954年1月26日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・R.シュトラウス:交響詩『死と変容』作品24
録音:1954年1月26日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』
・R.シュトラウス:『ばらの騎士』組曲(編:スタインバーグ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1957年6月16-17日、キングズウェイ・ホール、ロンドン(ステレオ)
CD17
・チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74『悲愴』
録音:1953年11月30日、1954年4月14日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
・チャイコフスキー:イタリア奇想曲 作品45
録音:1959年4月4日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・チャイコフスキー:スラヴ行進曲 作品31
録音:1958年3月11日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
CD18
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
録音:1959年4月6日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』作品35
録音:1955年1月11日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
CD19
・トッホ:交響曲第3番
録音:1956年10月16日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ヒンデミット:交響曲『画家マティス』
録音:1956年10月15日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ブロッホ:コンチェルト・グロッソ第1番(ピアノ・オブリガート付の弦楽オーケストラのための)
ハリー・フランクリン(ピアノ)
録音:1952年11月24日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
第1回ピッツバーグ国際現代音楽祭でのライヴ
CD20
・ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲
・ワーグナー:『パルシファル』第1幕への前奏曲
・ワーグナー:『パルシファル』第3幕より『聖金曜日の音楽』
録音:1956年4月18日、シリア・モスク、ピッツバーグ(ステレオ)
・ワーグナー:『神々の黄昏』より「ジークフリートのラインへの旅」
・ワーグナー:『神々の黄昏』より「ジークフリートの葬送行進曲」
・ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』より前奏曲と「愛の死」
録音:1952年11月17日、シリア・モスク、ピッツバーグ(モノラル)
ピッツバーグ交響楽団
ウィリアム・スタインバーグ(指揮)
交響曲最新商品・チケット情報
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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輸入盤 交響曲第2番『復活』 スタインバーグ&ケルン放送交響楽団、デロリー、ヴォイトヴィチ(1965ステレオ)
マーラー(1860-1911)
価格(税込) : ¥3,080
会員価格(税込) : ¥2,680発売日:2011年01月26日
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販売終了
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輸入盤 ホルスト:『惑星』、R.シュトラウス:『ツァラトゥストラはかく語りき』 スタインバーグ&ボストン響
ホルスト (1874-1934)
価格(税込) : ¥2,090
会員価格(税込) : ¥1,818発売日:2001年01月19日
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販売終了
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輸入盤 『画家マティス』『演奏会用音楽』 スタインバーグ、『白鳥を焼く男』バレンボイム
ヒンデミット、パウル(1895-1963)
価格(税込) : ¥1,540
会員価格(税込) : ¥1,340発売日:2009年08月11日
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販売終了
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販売終了
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