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Maxim さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/04

    私は数多くフィデリオの録音を聴いたわけではないが、この録音を聴き、感動のあまりレビューを書くことにした。この録音がこのような感動をわれわれに与えるのには3つほどの理由がありそうだと感じた。1つはフルトヴェングラーの「神がかり」といえるような棒さばき。1950年のザルツブルク音楽祭復活の公演という環境が、フルトヴェングラーを狂気に駆り立てる。レオノーレ第3番の凄まじい気迫はいやでも興奮させられる。特にフィナーレまでの畳み込みは他の歌手を巻き込んで阿修羅のごとくと言ってもよい。2つ目はフラグスタートのレオノーレ。とくにピツァロとの対決の場面から終幕までは感動的。フラグスタートの声の圧倒的迫力にピツァロなど吹き飛んでしまいそうだ。これだけの圧倒感があるのは、彼女の声に強烈な「母性」があるからだと感じる(声の温かさなどとよく表現されているのを目にする)。フロレスタンを思う妻としての母性が、レオノーレを火事場の馬鹿力ともいうべき女傑へと変貌させていると思うとフラグスタートのレオノーレの解釈は納得できる。時代がかっているのかもしれないが、これ以上の圧倒感のあるレオノーレは他で聴けるものではない。3つ目は録音とその復刻だ。厚みのある音と充実したフルトヴェングラーらしい重々しい低音。わざとらしく感じる方もおられようが、私のような素人はこのようなあからさまなわかりやすい音に共感してしまう。フルトヴェングラーのザルツブルク復帰公演という歴史的意義、不世出のソプラノのフラグスタート、古き良きウィーンフィルの演奏を考えると、私はこの録音は不滅の録音であると断言したい。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/27

    1957年、カラスの絶頂期の最後を飾る、コヴェントガーデンの椿姫の録音である。やはり1955年スカラ座ライヴが最高との評価は変わらないが、この音質の良さは特筆に値する。少なくとも録音に関しては55年スカラ座とは雲泥の差、58年リスボンEMI盤よりもかなり良いのでは?このような音質でカラスの椿姫が聴くことができるとは思わなかった。「花から花へ」も55年ほどの余裕はないが58年リスボンよりはがんばっている。共演者があまり有名ではないが、某書籍によると、テノールもバリトンもそこそこ有名とのこと。ただ、ディ・ステファノ、バスティアニーニには及ばない。また、スカラ座ライブのような熱さはあまり感じない。しかし、カラスにとって特別な地であったロンドンでの録音ということもあり、希代の名演である。 カラスの歌唱が圧倒的である点は書くまでもない。これ以上はあるまいというカラスの完成形のヴィオレッタを終始楽しめる。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/27

    マリア・カラスの最高のノルマであると断言できる録音。ライブならではのたたみこむような盛り上がりは絶品である。清らかな女神のアリアの崇高さ。1952年ロンドンライブ・1954年スタジオ録音では未完成だったノルマがここに完成したといえるのではないか。
    第2幕ではカラス、デル・モナコ、シミオナートの白熱の3重唱があり、物語の登場人物の葛藤だけでなく、共演する歌手たちの葛藤までも感じられる。第2幕でここまで歌ってしまって、第3幕は大丈夫かと心配になる。しかし、さすがでカラスもシミオナートも第3幕の二重唱は完ぺきである。これ以上の歌唱はもはや存在しまい。ベルカントオペラの真髄を感じることができる名唱が続く。有名な「son io」の部分もライブならではの高音で観衆を熱狂させている。
    このソプラノ泣かせの大曲オペラが、最後の最後までライブで完全燃焼するというすさまじい舞台の記録だ。音質の問題は抜きにして、一聴の価値ある歴史的名盤である。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/27

    マリア・カラスが生涯最高の成功を収めたといわれるスカラ座でのアンナ・ボレーナ。その美しく哀しいカラスの舞台姿と演出や音楽が重なり、これ以上ないものだったそうだ。白眉は第2幕のカラスとシミオナートの2重唱。恋敵を許すカラスの例えようもないオーラがたまらない。そして目玉の狂乱の場。裏切られ死に行くヒロインを見事に演じたカラスの本当に貴重な全曲録音。1958年にEMIでスタジオ録音されているが、臨場感、ライブの気迫が感じられる点でもこちらの方が上だと感じる。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/12/20

    カプリッチョの決定的名演だ。2人の男からプロポーズされる優柔不断な美女伯爵令嬢マドレーヌを演ずることの出来るのはデラ・カーザしかいない。R・シュトラウスの最後のオペラであるこの作品の最深部にまで迫った歌唱は称賛に値する。プレートル指揮のウィーンフィル、共演はルートヴィヒ、クメント、ベリー、ヴィーナーにポップとヴンダーリヒ、という現在では到底考えられないような豪華メンバーである。ライニング、ヤノヴィッツ、テ・カナワ、フレミング、シュワルツコップ(?)などシュトラウスプリマによるカプリッチョの録音は数多く存在するが、デラ・カーザのこの録音はあらゆる面において群を抜いた存在であるというべきである。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/01/28

    リーザ・デラ・カーザのアラベラは今のところロンドン公演、と57年のショルティとのスタジオ盤、63年のカイルベルト・ミュンヘンライヴとこの58年ザルツブルク公演である。
    この1958年のザルツブルク盤のデラ・カーザの声はまだまだ若々しく、麗しさ、妖艶さを備えた完璧な状態。甘くが、しつこくなく端正な美というべき素晴らしいバランスをとっている。それを追うF=Dのうまさ、当たり役となった若きローテンベルガー、カイルベルトの指揮するウィーンフィルの甘美な世界。この世のものとは思えない豪華な世界に我々をいざなってくれる。
    歌手、時期、舞台、すべてに恵まれた名演である。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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