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Ichirokagawa さんのレビュー一覧 

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     2021/07/14

    広瀬悦子のショパンということで、直線的な演奏を予想したが、全く違った。2番のソナタにして、逡巡する如く、それこそ一小節毎に細かなテンポ・ルバートを掛けたり、音の強弱を強調したり、考え抜いた演奏なのだろうと思う。今回ショパンとカップリングされたのは、アルカンの作品。ショパンの親友だったというアルカンの作品は初めて聴くが、ショパンと作風が似ているということでもない。ただ、1曲目の「風」はいかにもタイトルどおりの雰囲気の作品で、次のショパンの12のエチュード第11曲「木枯らし」を想起させる。12のエチュードも、ソナタと同様に1曲毎に細かな表情を付けていて、一筋縄でいかないショパンを表現している。

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     2021/07/13

    2台ピアノと4手ピアノでは表現できる範囲などが随分と違うと思ったが、カツァリスと広瀬悦子にかかると何の問題もない。ストラヴィンキーとボロディンは2台ピアノ版。表現が非常に多彩。”火の鳥”の第2組曲は世界初録音と言うが、編曲が巧みでオケの表現力に迫るものだ。チャイコフスキーは4手ピアノ版。”眠れる森の美女”からの”薔薇のアダージョ”はラフマニノフの編曲だが、ユニゾンを巧みに使って豊穣な響きを醸成する。”くるみ割り人形”はオーソドックスな編曲ながら、非常に美しい。”白鳥の湖”はドビュッシーの編曲。ラフマニノフとは逆に4手を極限まで駆使していて凄まじい効果をあげる。ハチャトゥリアンは2台ピアノ版。2人の丁々発止の演奏は見事。このアルバム、非常に興味深く、非常に良く楽しめた。

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     2021/07/09

    スカルラッティとベートーヴェンは1961年5月12日の、クレメンティとショパンは1959年6月30日の、いずれもBBCのスタジオにおける聴衆の入ったライヴ収録である。録音方式は全曲モノーラル。ちなみに、1959年6月30日には、ラヴェルの夜のガスパールも演奏されていて、同じシリーズの別のアルバム(BBCL4064)に収められている。スカルラッティはミケランジェリが得意とした作曲家だが、ここで弾かれる3曲はまるで三幅対のような趣きをもつ。ベートーヴェンの32番のソナタは、フリードリヒ・グルダも得意とした作品だが、ミケランジェリの方が、リズム処理などを比較すると、よりベートーヴェンの先進性あるいは革新性を強く感じることができる。クレメンティのソナタの演奏はある意味衝撃である。せいぜい初心者向けの作曲家だと考えていたら、このソナタの芸術性の高さにはびっくりするし、ミケランジェリの演奏は完璧である。ショパンの2番のソナタは、SACDでもリリースされている1973年の来日時の演奏を彷彿とさせる素晴らしさだが、録音がやや冴えないのが玉に瑕である。

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     2021/07/05

    グリーグは、ミケランジェリの気力充実、テクニックも冴え渡る。デ・ブルゴス指揮のニュー・フィルハーモニア管も丁々発止の演奏で、燃焼度が大変高い。演奏が終わらないうちのブラボーや凄まじい拍手は聴衆の興奮振りを良く伝える。モノラル録音のせいか、逆に迫力を感じるところはあるが、1965年なのにステレオでないのが残念。稀代の名演なのに!ドビュッシーは1982年のステレオ録音で、ミケランジェリにしか出せないサウンドと詩情で陶然となる。DGのセッション録音は当然素晴らしいが、ライヴの臨場感もまた格別である。

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     2021/07/05

    ミケランジェリとグルダという、二人の名手が初来日にした折のコンサートの記録で、NHKによる非常にクリアな録音を聴くことができ、大変興味深かった。精妙なラヴェル、雄渾なリスト、ミケランジェリの演奏は完璧だ。N響も大健闘。グルダの弾くベートーヴェンは、指揮者にもよるがオーソドックスな演奏。その中でも、第1番のカデンツァなどはグルダの本領発揮と言えるだろう。

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     2021/07/02

    ベルン・リサイタルの第2集だが、収録は1972年11月3日で第1集の2年4か月ほど前になる。放送スタジオでの聴衆の入ったライヴ録音だが、音質は非常に良い。弾かれているのは、スカルラッティのソナタが2曲と、シューマンの”謝肉祭”と、”ウィーンの謝肉祭の道化の計4曲。スカルラッティを冒頭に弾くのはミケランジェリのお決まりのようなものだろうか?爽やかな演奏で、拍手も当然入るが煩わしい感じさえする。この日の目玉は”謝肉祭”で、テンポは総じて早めだが、各曲ごとの緩急の付け方にメリハリがあって、ダイナミズムも完璧。ミケランジェリのピアニズムの頂点をいく素晴らしい演奏であると思う。

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     2021/06/30

    放送スタジオでの収録ということだが、最初の拍手からしてクリアそのもの。目の前で聴いているような臨場感がある。ベートーヴェンは、音の粒がプチプチとはじけるように鮮やかな音色。ダイナミズムも完璧。ドビュッシーは、一転異次元に連れ去られたのよう。音が明滅する様は表現のしようもないが、蛍の光りのようでもある。この音色はミケランジェリにしか出せないものだ。シューベルトは快活な演奏。胸のすく様なピアノの響きが堪能できる。絶品のライヴアルバムである。

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     2021/06/29

    グルダのモーツァルトのソナタ全曲が聴けないのは痛恨の極みだが、こうやってまとまった形で聴けるのはうれしい。正規録音ではないので、音がつぶれたりして鑑賞に厳しいものがあるのも事実である。CD5枚にボーナスCDが付くが、これが結構聴きものである。15番のアンダンテは装飾音のデパートのよう。K.397の幻想曲は、グルダにしては瑞々しい演奏で印象に残る。

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     2021/06/29

    他のレビュアーの方々がDVDとの比較でレビューされているので、このCD単独のレビューといたします。第20番はアバドとの、第26番はアーノンクールとの競演盤がある。今回のCDはライヴ録音で、ミュンヘンのガスタイクのホールというお馴染みの場所である。オケは小編成と思われる。グルダの弾き振りだが、実にリラックスして演奏している様が、目に浮かぶようである。20番でさえ楽しそうに演奏しているし、26番は無類の愉しさである。第1楽章でのオケとの遣り取りは室内楽のようである。録音は、拍手はカットされているが、音場感豊かで、目の前で演奏されているような臨場感がある。素晴らしいCDである。

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     2021/06/23

    フリードリヒ・グルダはウィーン生まれなので、シューベルトは同市民なのだ。だからシューベルトに対する思い入れは人一倍なのだろう。CDに収められているのは、1)ソナタ第16番イ短調作品42 D.845,2)スケルツォ変ロ長調 D.593-1,3)同変ニ長調 D.593-2,4)即興曲変イ長調作品90-4 D.899-4の4曲である。1は、極めて内省的な音楽だが、グルダの演奏はリズム感鋭く、第3楽章(スケルツォ-トリオ)・第4楽章(ロンド:アレグロ・ヴィヴァーチェ)は凄まじい印象を残す。グルダのシューベルトは個性的で、グルダの中でシューベルトが咀嚼され(例えが適当でないかも知れない)、そしてグルダの音楽として表現される。録音は1977年と比較的新しく、オン気味のマイクとも相俟って繊細なタッチを余すことなく捉えている。2と3は1965年の録音。音色がやや冴えないが、軽快で爽やかな印象である。4は、1961年と録音はこのCDで最も古い。即興曲というジャンルは、グルダにとっては得意中の得意で、モーツァルトの幻想曲に該当する。

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     2021/06/18

    全曲を通して、第一級の演奏ではないが、指揮者もオケも自家薬籠中の物で、自信に満ちた演奏と言える。どの曲も大きな特徴やこれと言った欠点はなく、繰り返し聴いて飽きがこないのではないかと思う。オケのセクションとして、ブラスの輝かしい響きが印象に残る。ストリングスは、シルキーではないが、第7番などで聴かせるアンサンブルはなかなかのもので、決して侮れない。各曲中、いちばん良かったのが先ほどの第7番。あとは、ほぼ差がないが、第5番、第8番、第9番あたりは力演と言い得る。実は、第4番は最初ピンとこなくて、もう一度聴いたのだが、そのときはしっくり腑に落ちた。マンデアルの術中に落ちた気がした。マンデアル、恐るべし!
    音質について、否定的なレビューも見かけるが、そんなに悪くないと思う。聴こえかたは、経験や年齢によって個人差があるから、余り参考にならないと思う。

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