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イック さんのレビュー一覧 

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     2021/04/11

    この話の舞台は江戸時代で、主人公は薬屋問屋の若だんな一太郎です。そんな彼の特徴は体が弱いことと家族同然に暮らす妖怪がいることだったりします。そして妖怪の力を借りて様々事件を解決していくシリーズの第1弾となる作品です。人間よりも妖怪の登場人物の方が多いけど、全然ホラーじゃなくてファンタジーとミステリーの融合といった感じでしょうか。個人的には畠中恵さんの作品の中で最もお気に入りのシリーズですし、その一番最初の物語なので思い入れのある本です。読みやすく、主人公がお金持ちの若旦那な上に体が弱く箱入りなので浮世離れした雰囲気があります。そして若旦那の雰囲気を反映してかのんびりとしたノスタルジックな1冊と言えます。

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     2021/04/11

    物語の舞台は春野台高校の陸上部、マイペースで走ることにかけては天才的な連とその親友で彼を追いかける新二を描いた作品です。主人公の新二は中学時代はサッカー部で陸上は高校からとなります。そして陸上のリレーデビュー戦に向けて、努力する中での葛藤や焦り、兄や友達との比較など高校生らしい悩みを丁寧に拾っているのが魅力です。大きな事件等がある訳ではなく、本当に高校生の日常って感じですが、リアリティがある青春モノ、スポーツモノで読んでいて楽しい気持ちになれます。タイトルも素敵だし、なんかこう年甲斐もなく一緒になって走りたい気分です。このあと2部と3部があり、続きが楽しみな作品と言えます。

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     2021/04/11

    この物語は中国清朝末期が舞台で、貧しい生まれの少年春児が宦官を目指す話です。正直設定や登場人物の名前を見た時中国の文化や歴史は詳しくないし、読みにくそうと思ったのですが浅田次郎さんの作品だから面白い筈と信じて手にとりました。実際作者の手腕のおかげで、知識等がなくてもきちんと説明がされていてスムーズに物語に入っていけました。だけど科挙という試験の凄まじさ、宦官になる為に去勢が必要な点などは、時代や文化の違いがあると言えども理解しがたく少し引いたくらいです。それでも必死に目指す若い世代がいて、科挙に受けて紫禁城にあがる梁文秀と春雲は魅力的な人物と言えます。今後2人がどうなっていくのか、昴の運命はと続きが気になる作品です。

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     2021/04/11

    タイトルからはちょっと分かりにくいかもしれませんが、これも新選組を描いた作品です。新選組という名が付く前の壬生浪士組、芹沢鴨暗殺を土方歳三を慕う島原の芸妓の糸里視点で描いています。隊士ではなく女性の目線という非常に珍しい作品で、さすが浅田さんは目の付け所が違うと思ったものです。そして芹沢鴨という人物は新選組が形になる前の段階で暗殺されていますが、組織編制に大きな影響を与えた人です。作品によって完全な悪役だったり、意外といい人で親分肌だったりと描かれ方が違いますが、この作品では感情の振れ幅は大きいけど結構いい人だなと思いました。あと糸里の目から激動の時代の渦の中ではなく一歩離れた所から描いているのが新鮮で面白い。

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     2021/04/11

    上巻を一気に読んで下巻に突入。非常に続きが気になるので、この作品は上下巻をセットで購入するのがお勧めです。斎藤一が語り手で、新選組ついて後に話すといった形式で書かれています。語り部本人は勿論、話の中に出てくる人物は皆魅力的で、浅田次郎幕末3部作はどれも本当に素晴らしい出来と言えるでしょう。個人的にはイチオシがこの一刀斎夢録、タイトルもいいなと思います。斎藤一は江戸時代だけではなく明治、大正の世を生き、これは警察官時代の話ですが、その後は学生に撃剣を教えていたと記録に残っています。写真なども残っていてネットで検索すれば見ることが可能です。なんとなく沖田総司などは写真が全く残ってないので、本当に実在していたのか?ってどこか物語上の人物のような気がしますが。斎藤一は存在感がありますよね。あと下巻が読み終わったらまた上巻を確認したくなるし、上巻を読んだら当然そのまま下巻が読みたくなるので無限のループです。

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     2021/04/11

    映画がヒットした人気作品だからと手のとって驚いたのがこの本が長編ではなく、8つの話から構成された短編集であることです。短編で映画一作出来てしまう作家さんは少ないのでは?タイトルにもなった鉄道員は妻や娘を亡くした日にも仕事をしていった男を描いています。正直家族としてはどうなのと思うけど仕事には忠実な昔ながらの職人気質の男って感じです。そんな彼が死を迎える時に娘が現れ言った言葉があまりにインパクトが強く、印象的でした。個人的にはラブ・レター、角筈にてが好きですね。どれも短い話だから読みやすいし、なのに奥が深い所が凄いなとしみじみ思いました。あとこの作品で、直木賞を受賞しているんですよ。なんとなく直木賞って長編、力作、超大作が選ばれるイメージがあったのですが、読んでみてこの短編集ならと納得しました。

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     2021/04/11

    新選組の隊士の多くは若くして亡くなっています。ですが江戸時代末期、明治、大正と激動の時代を生き抜いた人物がいます。それがこの話のメインとなる新選組三番隊長斎藤一です。そんな彼がお酒を飲んで、衛師団中尉に当時の事を話すといったスタイルで物語は進んでいきます。だから斎藤一の目を通した、沖田総司、土方歳三、近藤勇が昔話の中で出てくるんです。人物描写が生き生きとしていて、引き込まれて夢中で読みました。あと江戸幕府と武士の時代の終わりや新選組の終焉、さらには剣の奥義などなど話題は尽きません。浅田次郎さんはいくつも新選組をテーマにした本を出版していて、壬生義士伝がやはり有名ですが私はこの作品が一番好きです。ちなみに語り部である斎藤一は人間が嫌いな偏屈な男として描かれていたりします。実は彼は天寿全うして、長く生存した人物なのに斎藤一をメインにした話は少なかったりします。剣が強く、無口でどこかミステリアスなイメージがあったのですが、この話を読むと妙に人間臭くてしっくりくる。

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     2021/04/10

    第42回吉川英治文学新人賞を受賞した加藤シゲアキのデビュー作の文庫化です。最初に出版された当時はジャニーズのアイドルが書いたということで話題となり、売れてもファンが買っているとアイドルグループ所属故になかなか正当な評価を受けてこなかった様に思います。ですが彼は地道に文章を書き続けることでようやくきちんと評価されたといった感じですね。このピンクとグレーは芸能界を舞台に2人の青年を描いた作品で、実際に若い頃から芸能界で活躍している方だけにリアリティがあります。大貴と真吾は性格は全く違うのに同じ年で親友、さらには2人とも芸能界に入るのですが、真吾だけが売れたことで仲たがいするといったストーリです。この作品は緻密な描写と高い表現力、さらには作中の時間の使い方が上手いなと感じました。あと中だるみすることなく一気に読めたし、会話のテンポや伏線も見事でしたね。なのでついつい感情移入して読んでいた分ラストは衝撃を受けました。

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     2021/04/10

    太平洋戦争末期を描いたノンフィクションを読んで面白かった、いい作品だったというのもどうかと思うが若き伝説的エースの生涯を綴った話で、この菅野直という人物がとても魅力的なんです。当時海軍の新鋭機であった紫電改を自在に操縦して、アメリカのパイロットからイエローファイターの名で恐れられていたというから凄いですよね。戦闘機の質や物資の量は圧倒的にアメリカの方が上なのですが、技術のみでくらいついているのだからその技量が分かります。さらに学生時代から「菅野デストロイヤー」と呼ばれ豪胆な性格で知られていたが、気さくで階級に拘らす部下から慕われていた様子も伝わってきます。あと目立ちたがり屋な所があり、特攻にさえも「一番先にいきたいです」と言ったという話が残っています。でも自分は志願しながらも特攻自体には合理的な作戦ではないと猛反対して、部下からは特攻隊員を出さない様にしていたというから本当に実力と人望がある頼れる指揮官と言えるでしょう。この時代は残念ながら尊敬できる指揮官は少なかったということですから本当に稀有な人物です。そんな菅野直について日記と彼を知る人物の証言をドキュメント形式でまとめられた本です。

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     2021/04/10

    戦時中の特攻を描いた作品というと大半は神風特攻隊、パイロットなんですが、この作品は潜水特攻隊伏龍の日常、訓練の様子、そして驚くべき日々が綴られています。主人公は17歳でまだ少年と言える年齢の子供達が戦状の悪化により、機雷を持ち海に潜って敵上陸艇を爆破するという任務が下されます。その作戦はどう考えても成功する訳ないし、成功しても生還の見込みがない片道切符で、海の藻屑となれと命令される訳です。そもそも訓練自体が危険極まりないので、訓練でどんどん兵が死んでいきます。これが実話を元として書かれた小説なのですから本当にやり切れない思いです。タイトルと直木賞作家でもある作者で選んだら想像以上にヘビーな内容でした。でもこれが教科書には書かれていない戦争の現実だと思ったし、この作品はそれでもまだ生々しい描写がない分読みやすいと言えます。戦争について改めて考えるきっかけとなった本と言えますし、戦時中の事柄は目を背けたくなる内容もありますが物語としては素晴らしい作品だと言えます。

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     2021/04/10

    この作品は土方歳三、沖田総司、近藤勇といった誰もが知っている新選組の主要人物ではなく、後の世に名も残らない様な一般隊士に焦点を当てて綴った作品です。地味なんだけどしっかりと魅せてくれるのは作者の力量と言えますし、武士の時代が終わる際の最後の足掻き、不安や焦りなどをきちんと描いている良作と言えます。

    ちなみに物語の主人公は伊東甲子太郎の内面描写や近藤勇を狙撃した男、無名に近い隊士の阿部十郎などで、彼らのそれぞれの生きざまや魂の叫びが伝わってきます。

    当たり前ですが、命だけで戦ったのは皆同じなんですよね。先が見えない時代を必死に生きる姿は泥臭く、時に情けなくともカッコイイと思います。そして新選組をテーマにした小説では、この手の作品は少ないので新鮮でした。

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     2021/04/10

    数ある新選組を描いた作品の中で、私はこの幕末の青嵐が一番読みやすく面白かったと言えます。この本の特徴は土方歳三、近藤勇、沖田聡司、永倉新八、斎藤一など1人1人に焦点を当てて視点が移り変わっていく所です。

    立場や視点が変われば考え方も見えてくる風景も異なり、そこが魅力と言えますし、中でも山南の切腹を介錯した沖田の視点は読んでいるだけでツラかったですね。沖田総司は本によっては天才剣士、無邪気な青年、淡々と刀を振るう隊士と様々な描かれ方をしますが、この作品では普通の青年として書かれているので共感しやすかったです。

    あと鳥羽伏見の戦いにおいては、新選組の中でも最後まで走り続けた土方歳三の視点で進んでいきます。鬼の副長として描かれる作品が多いのですが、苦悩や挫折などの心理描写も丁寧に拾っているので、どの視点でも登場人物が生き生きと感じられました。

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     2021/04/10

    好きになったらもっと知りたい、理解したいと思うのは当たり前のことです。なのでクレーの天使、クレーの絵本でパウル・クレーに嵌った私が次に手にとったのがこの本でした。クレーの生きた時代、子供の頃のノートブック、学生時代や黄金時代の作品、クレーの絵と音楽の関係や日常、最後の日々などが分かりやすくまとめられています。

    そして何よりこの本の著者はクレーのことが大好きだと伝わってくる本です。どんな人が書いているのかと著者紹介を見ると新藤真知さんんは、何と日本パウル・クレー協会代表でした。そりゃあ当然詳しい訳ですよね。そして新藤さんの言葉に「クレーの絵は、ときに難解でときに分かりやすい」とあり、妙に納得です。基本シンプルなんですが、奥が深い絵は表面部分しか理解できていないのかもしれないと思わせる所があります。でも理解できないから理解する為の手がかりを探してしまう性分です。

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     2021/04/10

    「クレーの天使」と同じくクレーと谷川俊太郎さんの作品集です。クレーの天使が好きな人はこちらもお勧めですし、実は出版年はこちらが先なので見てない人にもお勧めできます。この作品集は40点の絵と14編の詩から構成されていて、どこまでも研ぎ澄まされた天使のイラストとはタッチが異なり同じ人が描いたのとちょっと驚きます。ですがこちらの作品も色鮮やかで美しく、でもどこか寂しげな所がクレーっぽいなといった感じです。個人的には「黄金の魚」の言葉が好きで、美しい海にも一粒の涙が解けていないことはないという内容の文章は優しく、だけどリアリストな一面もあってこの感性がいいなと思いました。

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     2021/04/10

    最初にこの作品集を見た時にイラストと言葉がきちんと調和されていることに驚いた。その理由はパウル・クレーの絵はシンプルで無駄なモノを全て除外し、本当に大事な線だけを必要最低限で描いた鋭さがあるからです。それに対して言葉を担当している谷川俊太郎さんは日本を誇る詩人で、読んでほっとする暖かい言葉を紡ぐ人という印象が強かったから2人はイメージが違い過ぎると思いました。ですがクレーのイラストにひっそりと言葉が寄り添い見事に嵌っています。まるで最初から絵と言葉がセットだったかの様にさえ感じられて、完成度の高い作品にただただ感嘆しました。

    そしてクレーの描く天使は一般的に多くの人がイメージするフワフワとしたモノではありません。泣いている天使、忘れっぽい天使、用心深い天使など非常に人間臭く感情的で、それ故に悲しい時にこの本を開くと癒されますし、怒っている時なら心が鎮まる、さらに楽しい時ならより楽しい気持ちになれます。

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