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ブラームス(1833-1897)

SACD 交響曲全集 ヴァント&北ドイツ放送交響楽団(1995年〜1997年ライヴ)(3SACD)

交響曲全集 ヴァント&北ドイツ放送交響楽団(1995年〜1997年ライヴ)(3SACD)

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  • ★★★★★ 

    うーつん  |  東京都  |  不明  |  2013年07月27日

     他のレビューで「硬派」と書かれているが私も同感。加えて言うなら「極めて意志的」なブラームスと感じる。他の演奏が意志的ではない、というわけではない。何かをやってやろうというアイディアありき・・・ではなく、楽譜をひたすら音楽化していくべきという意思を強く感じる。少なくともベテランの老指揮者が行う指揮とはとても思えない贅肉やダレが全くみられないのがすごい。若い指揮者では求められない、何やら厳しい老僧による禅修行のような・・・。   他のレビューでも書いたとおり私は楽譜のオタマジャクシを読めないが何かそういう雰囲気をいつも感じる。衿を正されるようなブラームスがここにある。録音のせいか演奏の特徴なのか音が外に拡がらず内に引き締まるような音質で、もう少し響き渡ればいいと思う。ブラームスの音楽を愉しみたい時は他のCDを聴くが、ブラームスを通して何かシャンとしたい時はヴァントのCDから凛とした空気をいただいている。

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  • ★★★☆☆ 

    ほんず内閣総理大臣  |  北海道  |  不明  |  2012年07月28日

    まあ、一言でいえば「硬派のブラームス」ですかな。楽譜にないことはせず、ないものは盛り込まない、かたくなな男のブラームス。正直なところ、それが魅力でもあれば欠点でもありますなあ。これら交響曲の滋味を冷静に味わうということでは、至って結構でしょう。一方、これまで多くの指揮者が聴かせてくれた思い入れとロマンがないのは物足りない、といふところ。たとえば、いかにもイメージ通りの「ドイツ」を感じさせてくれた第1番の演奏(ベーム/ベルリンフィル、ケンペ)、開放感と柔軟さが何とも心地よい第2番の演奏(バルビローリ/ウィーンフィル)、力強くもまた哀感のある第3番の演奏(ボールト/ロンドン響)、まさしくロマンティックな世界を展開した第4番の演奏(ヨッフム/DSK)、といったディスクでブラームスの各交響曲の魅力を知ってしまうと、ここでのヴァント先生の演奏はあまりにもそっけなく、ブラームスを聴く「楽しみ」としての要素が少ないなあ。もちろん、いろんな演奏として比較して優劣を競うとかいう次元を超えて、ヴァント先生ならではの立派なお仕事としての固有の意義をこのセットは持っていますけどね。トータル、ハイレベルながら、なかなかに人を気安く寄せ付けない、いかめしくハードな演奏。録音は良好。優秀というほどでもない気がします。

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  • ★★★★★ 

    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2012年03月20日

    これは素晴らしい名全集だ。1990年代には、ほぼ同世代のドイツ人指揮者ザンデルリングがベルリン交響楽団を指揮してブラームスの交響曲全集をスタジオ録音しているが、1995年〜1997年に、ヴァントが北ドイツ放送交響楽団とともにライヴ録音した本全集も、ザンデルリングによる全集に比肩し得る至高の名全集と評価し得るのではないだろうか。当初の予定では、全集を一気に完成させる予定であったが、ヴァントが体調を崩したために、第1番〜第3番が先行発売され、1997年に第4番が単独で発売されたという経緯がある。ヴァントは、本全集の約10年前にも、手兵北ドイツ放送交響楽団とともにブラームスの交響曲全集をスタジオ録音(1982〜1985年)している。この他にも、交響曲第1番については、シカゴ交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団(1996年)、ミュンヘン・フィル(1997年)とのライヴ録音、交響曲第4番についても、ベルリン・ドイツ交響楽団とのライヴ録音(1994年)が遺されている。いずれ劣らぬ名演と言えるが、気心が知れたオーケストラを指揮した演奏ということからしても、本全集こそは、ヴァントによるブラームスの交響曲演奏の代表盤と言っても過言ではあるまい。ヴァントによる演奏は、ザンデルリングのゆったりとしたテンポによる演奏とは大きくその性格を異にしていると言える。やや早めのテンポで一貫しており、演奏全体の造型は極めて堅固。華麗さとは無縁であり、演奏の様相は剛毅かつ重厚なものだ。決して微笑まない音楽であり、無骨とも言えるような印象を受けるが、各旋律の端々からは、人生の諦観を感じさせるような豊かな情感が滲み出していると言えるところであり、これは、ヴァントが晩年になって漸く到達し得た至高・至純の境地と言えるのではないかと考えられるところだ。そして、演奏全体に漂っている古武士のような風格は、正に晩年のヴァントだけが描出できた崇高な至芸と言えるところであり、本盤の各演奏は、ザンデルリングによるものとは違ったアプローチによって、ブラームスの交響曲演奏の理想像を具現化し得たと言えるのではないだろうか。各演奏の出来にムラがないというのも見事であると言えるところだ。いずれにしても、本全集は、ヴァントの最晩年の至高の芸風を体現した至高の名全集と高く評価したいと考える。音質は、1990年代のライヴ録音であるだけに、従来CD盤でも十分に満足できる音質であったが、今般、ついにSACD化されたのは何と言う素晴らしいことであろうか。音質の鮮明さ、音場の幅広さのどれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。いずれにしても、ヴァントによる至高の名演を、SACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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  • ★★★☆☆ 

    T.W  |  熊本県  |  不明  |  2012年01月29日

    このSACDについての評価は、いわゆるリマスターが本作品について必要であるかどうかにかかっていると思われます。家のB&W801Dを用いて前作のCDと聴き比べたところ、主観的に言って音質的に大きく改善してはおりません。若干の違いを捉える聴力の持ち主か、マニアでないかぎり、買い換える必要はないかと思います。

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  • ★★★★☆ 

    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2012年01月04日

    2012年はかつてカラヤン、バーンスタイン亡き後カリスマ的な存在に奉られた感のあったヴァントの生誕百年、没後十年の年ですがそのヴァントの指揮によるブラームスについては1960年前後に収録されたケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団との演奏後1980年代前半NDRSOとのストレートな演奏そして本盤1990年代の同じオーケストラNDRSOとのライブ録音・・・ライブ故の一様ではない気分的な処をどう聴き容れるか・・・があり以前のレビューメモを繰り返しますがよろしくお願いします。同じオーケストラNDRSO分として1980年代前半のもののタイムも併記してメモを進めます。 ライブ録音1996年第1番(@13’27A9’31B4’55C16’56)(参考1982年分@13’11A8’49B4’51C16’35)は第1楽章出だしはいたって速く音色が北ドイツなのか篭った感じでその篭った音色を潜って次へと進行して行き展開部は普通に戻る・・・あれほど仕掛けたのに少し白ける感じも・・・、途中ピークでのティンパニーの扱いは巧み、第2楽章は割りとスッキリとし聴き易い進め具合、やはり少しテンポが早く、弾みがついて強奏になるがお開きはスピードを落とします。第3楽章そして最終楽章はあの歓喜テーマが初め流れて次の繰り返しではこのテーマが急加速しボリュームも轟きながら大きく・・・要は大きく変化球が投げられます、このアプローチは二巡目も同様、ぎくしゃく感というか不自然さも感じましたが確かにこの曲ではそのような曲想も否定できない面もあるようでその延用か、最後のクライマックスへの登りは重々しくそしてまた急加速、全奏は重圧感なく引っ張らずに終わります。やや個性的な第1番と思います。 1996年録音の第2番(@16’01A9’44B5’32C9’32)(参考1983年分@15’32A9’08B5’35C9’34)は第1楽章多分に力強いイメージが残り、続く第2楽章は田園風より少し厳しさが先行します。弦のピッチカートが浮かび上がるのは面白いと思いました・・・。最終楽章は前につんのめりながらただ進んで行きエンド。1995年ライブ録音の第3番(@12’59A8’11B6’01C9’39)(参考1983年分@12’31A7’40B5’41C9’19)、これも第1楽章きっぱりと出ます。この楽章は反復があります。硬質なアクセントが特徴ですね。第3楽章も感傷的な要素は薄いように思え好感を持ちました。最終楽章爆発時のティンパニーの微妙なズレは面白く、締め括りは意外としっとりと終わります。1997年録音の第4番(@12’49A11’38B6’30C9’58)(参考1985年分@11’50A10’46B6’24C9’28)は第1楽章あの印象的なテーマが素っ気無く短く途切れるように聴こえ淡々としたもの、彫琢の厳しい表現から逆にいろいろ他の演奏では聴こえない音情報が詰まっている?ように聴こえました。メソメソせず枯淡的でもなくコーダは男らしく最後は切り上げます。第2楽章は前楽章から一転?・・・じっくり目に密度濃い美しさが意表をつきます。微妙な変化が面白く寂寥感を表出し〆での弦リタルランドも印象的。重量感溢れる第3楽章そして最終楽章では起伏をつけながら各変奏曲をくっきりさせ後半はその男性的アプローチは増幅し更にティンパニーのクローズアップさせた使い方が面白く、最後の括りは到ってあっさり未練っぽくなく・・・「決め付け」る様に短いです。なお、本盤は仕様の向上での再登場であり音質が期待されますね。HMVカタログに載っているヴァント指揮のブラームス交響曲CDには他にDSOBを振っての第1番(1996年録音、タイム@13’35A9’23B4’49C17’31)、第4番(1994年録音、同@12’40A11’59B6’38C11’05)やMPOを振った第1番(1997年録音、タイム@14’02A9’33B4’59C17’36)がみられます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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