SUR代表RYOSUKEインタビュー
2009年4月10日 (金)
こんなオムニバス見たことない!なんですか、このスゴイ内容・・・。全63バンド全曲新録!すごい面子が揃いまくってます。さらに全曲60秒以内なんて・・・。なんて面白くなんて素晴らしいオムニバスでしょうか。4月15日に発売されるSTEP UP RECORDS10周年記念盤『...OUT OF THIS WORLDS4』。今回は、STEP UP RECORDSの代表であるRYOSUKE氏にインタビューを敢行。このスゴイ作品のことや、レーベルの話、“1997”の話、さらにはRYOSUKEさん自身のことについて色々と話しを聞きました。
INTERVIEW : 長井 (HMV商品部) / INTERVIEW & TEXT : 原 (HMV ONLINE) |
結局、レーベルを何のためにやっているのかっていったら、 ――STEP UP RECORDS、10周年おめでとうございます!そして、10周年を記念してシリーズ最新作『…OUT OF THIS WORLD4』が発売になるわけですが、いつから構想は練っていたんですか? RYOSUKE: STEP UP RECORDSをやろうぜってみんなで話したのが、1998年の10月なんです。なので昨年の10月のタイミングで、STEP UP RECORDSのツアーをやろうということは決めていて実行しました。ライブとしての提示だけじゃなく、僕がやってきた軌跡をひとつにしたいというのもあって、オムニバスから始まったレーベルなんで、じゃあ、オムニバスだろうなと思いまして。それで、僕が呼びたいバンドを考えていたらキリがなく出てきて。縛りがなくて表現するっていう差がなんか俺としては、イーブンじゃないというのもあったんで、1バンド1分でやれば、CD1枚78分に78バンド入るから78バンドまで呼べるじゃんて思って。昨年の5月くらいにはその中からピックアップして声をかけ始めました。タイミングが合わなかったバンドも含めそこから削っていって、9月くらいには63バンドになっました。 ――参加のバンドの方に話をして、いつくらいに曲は揃ったんですか?みなさん新曲ですよね? RYOSUKE:話をした段階で、期限を出していて。「ある曲でもいいよ」って言ったけど、なかなか1分以内の曲なんてないじゃないですか。遠まわしに作れって言っているようなもんなんですよ。それでも、面白いなって言ってくれたり、めんどくさいなって笑いながら言ってくれたり(笑)。それで、2、3ヶ月で曲を仕上げてきてくれて、11月12月にはほとんど揃ってましたね。中には、連絡が取れなくなるバンドもいたりして、全部集ったのは1月でしたけどね(笑)。1月までに僕の中ではちょっとずつ全貌が見えてきたんです。その時点で満足でしたね、自分の中で。40バンドを超えたあたりから、もうすでに自分の中では規格外のオムニバスが出来ているわけですよ。自分で作っておきながら、俺、ここまで出来るようになったんだって(笑)。みんなスタジオにある時計の秒針見ながら、1分以内におさめようとやってくれたわけじゃないですか。変な言い方しちゃうと、俺のために秒針見てくれたわけじゃないですか。そう思うとなんかもう、感無量になっちゃって。63曲集ってマスタリングして1枚にしたときには、もう、なんかね(笑)。あぁ、レーベルやって良かったなって思いました。 ――レコーディングはどうやって行ったんですか? RYOSUKE:レコーディングは、みんな各自、録ってきてもらいました。だからthe band apartとか、REAL SHITみたいにスタジオの真ん中にマイク立てて録ったバンドもいれば、本気で作りこんできているバンドもいて、みんな様々でしたね。 ――マスタリングはRYOSUKEさんがやったんですか? RYOSUKE:うちのアンドリュー君(FUCK YOU HEROES Dr.)が。FUCK YOU HEROESのライブある度に、集った曲をちょっとずつ渡して、基準のバンドを1つ決めてもらって、それに合わせて作ってもらいました。作りこんできたバンドの曲は完璧な音でちゃんとした音質なんですよ。でも、曲によってはシャカシャカで、これ、どうしよう・・・って曲もあったり。あいつがほとんど作ってくれて、最後1日俺が行って、15時間くらいずーっとやって仕上げましたね。うち2時間ぐらいはあいつの子供の相手(笑)。 ――これ、単純に63バンドを並べ替えようと思ったりはしました? RYOSUKE:最初は考えました。でも、もうノイローゼですよ。1曲目や2曲目は、聴かせるためにオシ曲を持ってくるのがCDの流れですけど、どの曲も1曲目2曲目に持ってこれる曲ばかりなんですよ。全バンドいいの作ってきてくれたんで。だからABC順で。これしかないじゃないですか。 ――完成したときの感無量さと、こうして出来上がってまもなく発売になるという今の気持ちって違います? RYOSUKE:結局、レーベルを何のためにやっているのかっていったら、俺が好きなバンドをみんなに知ってもらいたいんですよ。それが、超原点。第3者の方から、このバンド知らなかったけど、これがきっかけで気になりましたとか言われるだけで充分じゃないですか。だからそういうきっかけを作れたなら、それが一番だなって思います。こらから発売になって、どこかのブログとかで、こんなバンドがいたなんて知らなかったとか、もし書いてあったするのを見たとしたら、レーベルやってきて良かったなって思うんじゃないかな。そしてまた、俺がきっかけを発信したいなって、より強く思うことが出来るんじゃないかなって思います。 ――STEP UP RECORDSの由来と、この『…OUT OF THIS WORLD』のタイトルの由来は? RYOSUKE:今、考えると、もっとカッコイイ名前にすればよかったなと思います(笑)。あの当時は単純に、出したいレーベルがないと生意気こいてたバンドが集って、オムニバス1枚目を出す。その理由は、今いるところから、分かりやすく一歩上に行きたいからでしょ、STEP UPしたいよねって。それが口癖だったから。知名度も立ち位置もまだこれからなバンドが、今まで小さなライブハウスも埋まらなかったのに埋まるようになればSTEP UPじゃないですか。でも、ホールが埋まっちゃうバンドだったら、またホールを埋めて変わらないじゃないですか。そうしたら、また次のSTEP UPをするためにはを考える。うちから出すからこれぐらいやるよっていう約束はなくて、うちから出すから今いるところから階段一歩踏み上げようよっていう考えでやっているから。単純にみんながSTEP UPしていくっていう、ごく一般的な言い方にRECORDSをつけただけです。 ――そこが10年たっても変わらないっていうのも、すごいですよね。 RYOSUKE:変われないんじゃないですかね。。俺、容量小さな人間なんで(笑)。そして、『…OUT OF THIS WORLD』は、さっき自分が好きなバンドを紹介したいだけって言いましたが、自己紹介しますっていう意味なんですよ。6通りぐらい意味がある中の一つが「…を自己紹介します」っていう意味なんです。『…OUT OF THIS WORLD』って言葉は大好きで。結局、俺の信念だから。だから、自分のイベント名も『…OUT OF THIS WORLD』。そのイベントでは、なるべく、初めましてのバンドでやってます。HAWAIIAN6とKAMOMEKAMOMEの2マンの時も、お互い名前は知っているだけで、リハの時にお互いがまず初めましてだし、それぞれのバンドを観に来たお客さんにしたら、もう一方のバンドは初めての人もいるだろうし。俺がやるイベントはたまたまSOULD OUTする時もあるけど、基本はしないんです。シェルターが埋まるって分かっていたら、シェルターではやらなくて、もっとキャパがデカイところでやるんですよ。きっと。あとは俺がフライヤーをいくら配ったかでそのキャパ以上に訴えることが出来るかもしれないわけですよ。知っている人同士が集まっちゃってSOULD OUTさせるだけならただのイベンターになっちゃって、何のためにやったか分からないから。だから、 “1997”みたいな無茶したがるんでしょうね(笑)。 ――あのイベントがきっかけで好きなバンドを増やした人も多いですよね。実際、自分もそうですし。今まで興味がなかったジャンルが急に好きになって聴き始めたり。 RYOSUKE:たとえば、俺もヒップホップとかたいして興味なかったんですけど、ダンス甲子園を見て聴けるようになったんですよ(笑)。小さいきっかけなんですけど。俺の場合は、勝手な思い込みだったんですね。こうダボっとしたのとか好きじゃないしとかそんな理由で。だから、「ハードコア私好きじゃない」とか、「メロディックとかってなよっちいよね」とか、そういうのを30歳超えても思う人はよっぽど頑固かよっぽどそれが嫌いかなんだと思うですけど、でもね10代20代は違うと思う。特に今情報社会だから、まだ触れていないバンドに対しても、勝手な情報で、勝手なバンド像が出来てしまっていると思うんですよ。たとえば、HARD COREだと言っているバンドのほうがよっぽどなよっちいぞとということも良くあるわけですよ。そういうのをとっぱらえたらいいなって、思いたいんですよね。ワーキャー叫んでるのがHARD COREかといったら俺はそうは思わない。海北大輔(LOST IN TIME)がギター1本で叫び上げているほうが俺にはHARD COREなんですよ。それは、人それぞれの価値観だと思うんですけど。人それぞれの価値観だからこそ、世の中が言う勝手な決め付けはなるべくとっぱらいたいなって思うんです。だから、このオムニバスが何だって言ったら、J-POPでいいんです。触れてみてもらって、その後にやっぱ好きじゃなかったとか、何を言われても別にいいんです。僕が出来るのはここまでなんで。 |
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