HMVインタビュー：Inherit

K　 Inheritさん的に、この中で思い入れのある曲はありますか？

Inherit　　ほんとに全部楽しく作れたんだけど、ラップものでいったら一緒にレコーディングできたAloe BlacとThe 49ersですかね。

K　やっぱり芯のあるアーティストが入ってると違いますね。Aloeとか、あとAGって根強い人気があるし。

Inherit　　すごいMCたちと楽曲作っていて、その人たちが自分のトラックで歌ってくれてるってすごいことだなって改めて感じますね。それにどのアーティストも真剣に取り組んでくれて。Fatlipなんかは頼んだわけじゃないんだけど女性ボーカルが入っていて、自分でアイディアを入れて返してきてくれたりとか。もれなくOmniがついてきたり(笑)！

K　Tableekなんかは他と違って堅い感じはしますね。これはラップありきでオファーしたんですか？

Inherit　　このトラックも、間違いなくTableekの声がこんな風入ってくるだろうなって構想があって、一発で決まりましたね。で、オファーしたらすぐ受けてくれました。

K　　制作期間はどれくらいだったのですか？

Inherit　　Hiroki Mizukamiの『Keep aLive』の後なので一年前くらいからですかね。Cradleのアルバム出した当初からソロは出すつもりでした。

K　　Inheritさんて、そもそもトラックを作り始めたのっていつからですか？

Inherit　　ヒップホップを意識してトラックを作り始めたのは、Cradleを組んでからですね。二十歳くらいまでバンドをやっていて、曲も作っていたので、曲作りに関してはあまり違和感がなかったですね。それからバンド辞めてDJやろうって。スクラッチばかりしてたんですけど、それが楽器の演奏だと思ってたんですよ(笑)。ただ曲を繋ぐだけのDJじゃなくて、やはりプレイヤーとしての意識があったんだと思います。

K　　バンドマンですか〜。じゃあ音楽のルーツって？？？

Inherit　　僕たちが音楽を意識して聴き始めたころってまだヒップホップがポピュラーじゃなかったんですよね。僕がヒップホップを意識し始めたのって、AnthraxとPublic Enemyが一緒にやったりとかビースティーだったりとか。

K　　僕のルーツは映画の『ジュース』ですね。これ2、30回見ましたよ。 でも、最近のヒップホップ・シーンって、女性の方とか、スーツを着てるサラリーマンの方とか、幅広いリスナーの方が聴いてますよね。

Inherit　　僕たちも枠にとらわれないですからね。色んな人に聞いてもらいたいですね。

K　　今回のリリースでツアーはやるのですか？

Inherit　　毎回呼んでもらってるところは行こうと思ってます。

K　　そうそう、秋あたりのリリース予定と噂で聞いたのですが、Cradle Orchestraの方の制作状況はどうですか？

Inherit　　ほぼ同時進行で動いています。やっぱり楽器隊は生演奏なので、レコーディングはすごく大変。1曲作るのにひとりでやるときの10倍くらい時間がかかりますね。

K　　しんどそうですね。

Inherit　　まぁ大変なのは当たり前なんだけど、ラップが入ってパワーアップしたときとか、楽器をひとつ録り終えたときの瞬間の感動がたまらないですね。それがなきゃやってられないかな(笑)。Cradle Orchestraは、とにかくMCがやばいです！！

K　　ふたりで作るのと、ひとりでやるのとやっぱり違うと思うんですけど、どっちがやりやすいですか？

Inherit　　それはバンドに通じるところがあって、やっぱりふたりだと自分にない発想だったりアイディアが出てきておもしろいですね。今回のアルバムを聴いてもらってから改めてCradleに戻って聴いてもらうと、あ、これはChikaが引っ張っていったトラックっぽいなぁ、みたいのが想像出来たりしておもしろいかもしれないですね。

K　　聴き込みたい人には自然な流れですよね。Cradle、Inherit(DJ Chika)、Cradle Orchestraといろんな引き出しができて、これからますます楽しみですね！ では最後にHMVのWEBサイトを見ているみなさんにひとことお願いします！

Inherit　　いい作品ができたので、楽しんで聴いてください！！