ダニエル・ロザコヴィッチ、エレーヌ・メルシエ/『ロスト・トゥ・ザ・ワールド』
2025年12月26日 (金) 12:15 - HMV&BOOKS online - Classical

心の記憶をそっと照らす、ロザコヴィッチの新たな抒情世界
ロマン派の名品とシャンソンの旋律が、静かな郷愁と美しさを紡ぎ出す1枚
世界の主要ステージで注目を集める若きヴァイオリニスト、ダニエル・ロザコヴィッチが、ピアニストのエレーヌ・メルシエとともに贈る、静かな郷愁と美しさを紡ぎ出すアルバム。ロザコヴィッチ自身の幼少期への静かな回想と、音楽がもたらす癒しと救いへの深い思索を原点とした本作は、彼のアーティストとしての成熟と、より私的で内面的な世界を映し出す特別な一枚となっています。
収録曲は、ラフマニノフ『ヴォカリーズ』、フォーレ『夢のあとに』、チャイコフスキー『夜想曲』、ドビュッシー『亜麻色の髪の乙女』など、ロマン派の珠玉の名作を中心としたもの。さらに、フィリップ・サルド『エレーヌの歌』、ジョゼフ・コスマ『枯葉』、クルト・ヴァイル『ユーカリ』といったシャンソンや映画音楽にも果敢に歩みを進め、ロザコヴィチの音楽性の広がりと、旋律への真摯な愛情を鮮やかに描き出しています。クラシックとシャンソンが自然に寄り添い、繊細な叙情へと昇華していく選曲は、「美しさ」「回想」「郷愁」といった感覚を軸にしており、多くのリスナーの心に優しく響くことでしょう。
ロザコヴィッチは、長年のパートナーであるメルシエとの絆について次のように語っています。「私たちが出会ってから、もう10年以上になります。母の故郷・キルギスでの共演の際、初めて会った瞬間から、彼女の誠実さと特別な温かさを感じました。そのつながりは今も変わることなく続いています。」
この深い信頼関係が生み出す、柔らかくもしなやかな音の対話。2人の呼吸がひとつになるような演奏は、どのトラックにも静かな輝きを宿し、聴く者の心の奥に優しく寄り添います。ロザコヴィッチの新たな一面を開くと同時に、ジャンルを超えて「歌う心」の本質へ迫る、まさに現代のリスナーに向けた魅惑のアルバムです。(輸入元情報)
【収録情報】
01. ラフマニノフ:14の歌曲 Op.34〜第14曲『ヴォカリーズ』
02. ドビュッシー:レントより遅く CD.128, L.128
03. フォーレ:3つの歌曲 Op.7〜第1曲『夢のあとに』
04. ラフマニノフ:12の歌曲 Op.21〜第7曲『ここは素晴らしい場所』
05. ドビュッシー:前奏曲集 第1巻 CD.125, L.117〜第8曲『亜麻色の髪の乙女』
06. フィリップ・サルド:映画『すぎ去りし日の・・・』〜エレーヌの歌
07. チャイコフスキー:6つの小品 Op.19〜第4曲『夜想曲』
08. ドビュッシー:小組曲 CD.71, L.65〜小舟にて
09. クルト・ヴァイル:ユーカリ
10. ジョゼフ・コスマ:枯葉
11. ヘンデル:デッティンゲン・テ・デウム HWV.283〜祈り『主よ、御身の慈しみを』
12. クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
13. マーラー:リュッケルト歌曲集〜『私はこの世に捨てられて』
ダニエル・ロザコヴィッチ(ヴァイオリン)
エレーヌ・メルシエ(ピアノ)
録音時期:2025年6月4-6日
録音場所:フランス、ブールジュ、テアトル・サン・ボネ
録音方式:ステレオ(デジタル)
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