20世紀を代表する巨匠ピアニストの一人、ルドルフ・ゼルキン[1903-1911]。協奏曲・ソロ・室内楽を包含する幅広いレパートリーを持つ卓越したピアニストとしてだけでなく、カーティス音楽院やマールボロ音楽祭での教育者として数多くのピアニストを育てた活動も合わせると、20世紀アメリカの音楽史に残されたその巨大な足跡は大変重要なものです。
モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスを要にしたドイツ・オーストリア作曲家の古典派からロマン派作品の録音が数多くを占めていますが、バッハの録音は多くはありませんでした。しかし、彼は17歳の時に「偉大なドイツのヴァイオリニスト」であるアドルフ・ブッシュのデュオの相手として抜擢され、翌年にはバッハのブランデンブルク協奏曲の第5番で大成功をおさめます。それらは構築性と凝縮された音楽性あふれる演奏といえましょう。カザルス指揮のブランデンブルク協奏曲での通奏低音の演奏から、ホルショフスキや息子ピーターと共演した協奏曲など、貴重なバッハ演奏が収録されています。
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【収録情報】
Disc1
J.S.バッハ:
1. 3台のピアノのための協奏曲ニ短調 BWV.1063
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
ミエチスラフ・ホルショフスキ(ピアノ)
ルース・ラレード(ピアノ)
アレクサンダー・シュナイダー指揮、マールボロ祝祭管弦楽団
録音:1964年7月7日、マールボロ
2. 3台のピアノのための協奏曲ハ長調 BWV.1064
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
ミエチスラフ・ホルショフスキ(ピアノ)
ピーター・ゼルキン(ピアノ)
アレクサンダー・シュナイダー指揮、マールボロ祝祭管弦楽団
録音:1964年7月13日、マールボロ
4. 14のカノン BWV.1087
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
録音:1976年7月23日、マールボロ
Disc2
1. ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV.1046
2. ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV.1049
3. ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
パブロ・カザルス指揮、マールボロ祝祭管弦楽団
録音:1964年7月6-9,11,12日、マールボロ
(ルドルフ・ゼルキンは第5番の鍵盤ソロ・パートと、第1&4番の通奏低音パートをピアノで演奏)
Disc3
1. 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903
2. イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
録音:1950年6月1-11日、プラード、サン=ピエール教会
3. カプリッチョ 変ロ長調「最愛の兄の旅立ちに寄せて」 BWV.992
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
録音:1957年4月5日、プエルトリコ大学
4. トッカータ ホ短調 BWV.914
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
録音:1942年5月1日、ニューヨーク、リーダークランツ・ホール
5. ヴァイオリン・ソナタ第3番ホ短調 BWV.1016
ルドルフ・ゼルキン(ピアノ)
アドルフ・ブッシュ(ヴァイオリン)
録音:1943年4月27日、ワシントンD.C、アメリカ議会図書館
ステレオ(Disc1,2)、モノラル(Disc3)
ベルリンのb-sharpスタジオにて、24ビット / 88.2KHzリマスタリング