トーマス・ヘンゲルブロック


メンデルスゾーン:オラトリオ『エリヤ』全曲
トーマス・ヘンゲルブロック&バルタザール・ノイマン・アンサンブル&合唱団


古楽から現代作品まで幅広い分野で活躍するドイツの指揮者、トーマス・ヘンゲルブロックの新録音はメンデルスゾーンのオラトリオ『エリヤ』。ヘンゲルブロックのメンデルスゾーンといえば、北ドイツ放送響との最初のレコーディングに含まれていた交響曲第1番が鮮烈な演奏でしたし、ほかのオーケストラともメンデルスゾーンの他のシンフォニーや『エリヤ』などをよく演奏会で取り上げていましたが、今回は、自ら結成した「バルタザール・ノイマン・アンサンブル」と「バルタザール・ノイマン合唱団」との演奏となります。

旧約聖書に登場する預言者エリヤの生涯を描いたオラトリオ『エリヤ』が作曲されたのは1837年から1846年、ルター派プロテスタントの作曲家メンデルスゾーンが28歳から37歳のときで、初演はイギリスでおこなわれて大成功を収めます。しかし、メンデルスゾーンはすぐに改訂にとりかかり、翌年4月には再びイギリスでヴィクトリア女王とアルバート公臨席のもと改訂版を初演、その半年後にはハンブルクでドイツ語版の初演に漕ぎつけるものの、翌月には亡くなってしまいます。

19世紀前半の演奏事情を反映したとみられる『エリヤ』は、当初、イギリスでは大編成で演奏され(マクリーシュ盤)、ドイツでは楽譜通り二管編成のまま演奏されたと思われます。さらに楽器の近代化前の時代ということもあり、ここではナチュラルホルンやオフィクレイドまで含む古楽器の二管編成オーケストラと、古楽経験豊富な独唱陣、そして48名規模の合唱を用いて明晰な響きを確保、ティンパニや管楽器の個性的音色と迫力、軽快で色彩感豊かな木管、生き生きとしたアーティキュレーションの施された弦楽パートが素晴らしいサウンドを聴かせています。

【トーマス・ヘンゲルブロック】
1958年ドイツ生まれ。ヘンゲルブロックはフライブルク・バロック管弦楽団やバルタザール=ノイマン・アンサンブルなど古楽分野の活動で有名になりましたが、実際にはドイツ・カンマーフィルハーモニーの首席指揮者(1995-1999)や、ウィーン・フォルクスオーパーの音楽監督(2001-2003)を務め、さらにバイロイトでも『タンホイザー』が話題になるなどそのレパートリーは実に幅広いものがあります。2011年の北ドイツ放送交響楽団(NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団 ...)首席指揮者就任というトピックも、ヘンゲルブロックのそうした幅広い音楽性を象徴する出来事と言えそうです。
ヘンゲルブロックは、若い頃からオーケストラや合唱団の立ち上げにも関わり、1987年にフライブルク・バロックオーケストラの設立に参加したほか、4年後の1991年にはバルタザール・ノイマン合唱団を、さらに4年後の1995年にはバルタザール=ノイマン・アンサンブルを結成してます。

【バルタザール・ノイマン・アンサンブル&合唱団】
バロックからロココの時代にかけての重要な建築家の一人、ヨハン・バルタザール・ノイマン[1687-1753]の名を冠したグループ。ヘンゲルブロックは、音楽を、朗読や演技、舞踊といった他のアートと組み合わせるというコンセプトを実現させるべく、まず合唱団を結成、当初は器楽共演者としてフライブルク・バロックオーケストラが起用されていましたが、バルタザール・ノイマン・アンサンブル結成後は、オーケストラ・合唱団ともに一丸となった演奏で息の合ったアンサンブルを展開するようになりました。(HMV)


【収録情報】
● メンデルスゾーン:オラトリオ『エリヤ』全曲 Op.70(歌唱:ドイツ語)

ゲーニア・キューマイアー(ソプラノ)
アン・ハレンベリ(アルト)
ローター・オディニウス(テノール)
ミヒャエル・ナジ(バリトン)
バルタザール=ノイマン・アンサンブル&合唱団
トーマス・ヘンゲルブロック(指揮)

録音時期:2016年1月
録音場所:ドルトムント・コンツェルトハウス
録音方式:ステレオ(デジタル)
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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