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TOP > My page > Review List of つよしくん
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3 people agree with this review 2009/11/17
歴史的なヴァイオリニストであるクライスラーによる三大ヴァイオリン協奏曲とモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番などをおさめた充実したカプリングのCDだ。クライスラーのヴァイオリンは、ヴィブラートやポルタメントを駆使した、現代ではほとんど聴かれなくなった密度の濃い濃厚な演奏であるが、それでいて決して下品には陥らず、どこまでも気品があって高貴な優美さを失わない点を評価したい。三大ヴァイオリン協奏曲の中では、クライスラーの芸風と楽曲が符合するメンデルスゾーンを第一に評価したい。おそらくは、同曲の演奏史上、最美の名演と言えるだろう。特に、第2楽章のとろけるような美しさにはもはや評価する言葉が追い付かない。ブレッヒ&ベルリン国立歌劇場管弦楽団の併せ方も見事である。次いで、ベートーヴェンが名演だ。力強いベートーヴェンの楽曲の中でも、優美さが際立つ作品だけに、クライスラーの手にかかると、極上の美酒のような名演になる。ブラームスは、録音のせいもあるのだろうが、オーケストラの分厚さが要求される曲だけに、オーケストラがやや力感不足。ただ、クライスラーのヴァイオリンはどこまでも美しい。モーツァルトは、録音がいかにもひどく、クライスラーのヴァイオリンの美しさを堪能するというわけにはいかないのが残念。なお、本CDには、ブルメスターのメンデルスゾーンがおさめられているが、これも、クライスラーとは異なった性格の美演。戦前のヴァイオリニストがいかに個性的であったのかを思い知らされる。それにしても、歴史的な名演SPを、現代に生きる我々に十分に鑑賞に耐えうるように復刻してくれたのは実に素晴らしいことであり、オーパスに感謝の言葉を捧げたい。
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5 people agree with this review 2009/11/15
ブラームスの第1番は、カラヤンの名刺がわりの作品である。昨年発売された2種のライブ録音など、至高・至純の名演であったが、本盤は、ベルリン・フィルの芸術監督としてはじめての録音だけに、カラヤンの壮年期ならではの生命力溢れる力強い名演を繰り広げている。冒頭は、意外にもソフトで柔和な導入の仕方をするが、こうした柔和さ、優美さは、カラヤンならではの優雅なレガートと相まって、全体を支配している。他方、ベルリン・フィルの圧倒的な合奏力を活かした重量感にもいささかの不足もなく、その意味では、いい意味で剛柔バランスのとれた重厚にして優美な名演と高く評価したい。他方、シューマンの第1番は、おそらくはカラヤンの唯一の録音であると思うが、それを感じさせないくらい、非常にこなれた、ある意味ではカラヤンなりに解釈された表現を見せている。春の雰囲気よりは、重厚さや華麗さが全面に出ており、そうした点はいかにもカラヤンと言うべきであるが、名演と評価することにいささかも躊躇しない。
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2 people agree with this review 2009/11/15
ブルッフは、実力のわりに過小評価されている作曲家の一人だと思う。同時代を生き、親交もあったブラームスの名声と比較すると、あまりにもお寒い限り。ヴァイオリン協奏曲第1番は、4大ヴァイオリン協奏曲に次ぐ名声を受けてはいるものの、あとはスコットランド幻想曲などが知られている程度。本盤におさめられたヴァイオリン協奏曲第2番のCDは数えるほどしかなく、3曲ある交響曲に至っては殆どCDがない状況。楽曲の親しみやすさや、特に、ヴァイオリンによる協奏的作品や合唱曲の質の高さからすれば、非常に残念なことと言えるだろう。そのような中で、ハイフェッツのような歴史的ヴァイオリニストが、ヴァイオリン協奏曲第1番、スコットランド幻想曲をそれぞれ2度、演奏の機会に恵まれないヴァイオリン協奏曲第2番の録音を遺してくれたことは、大変素晴らしいことであると考える。有名なヴァイオリン協奏曲第1番やスコットランド幻想曲は、後年の録音の方がより深みがあるとも言えるが、本盤の演奏は、後年のものにはない、切れ味鋭い技巧による名人の一筆書きのような趣きがある。ヴァイオリン協奏曲第2番も、同様の性格の演奏であり、ブルッフの名曲を集めた至高の名演集として高く評価したい。Blu-spec-CDによる高音質化もいつもながら好調である。
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8 people agree with this review 2009/11/15
クーベリックは、わが祖国を何度も録音しているが、衆目の一致するところ、ライブでは、東西冷戦終結後にチェコ・フィルに復帰し、その際にライブ収録された歴史的な演奏、スタジオでは、安定感のある本盤のボストン交響楽団との演奏がベスト2と言われている。私としても、こうした評価に異論差し挟む気は毛頭ない。クーベリックは、ライブにおいて本領を発揮する指揮者と言われているが、スタジオ録音であっても、スメタナやドヴォルザークなどのお国ものを指揮した時は、ライブと見間違うような熱い演奏を成し遂げることが多い。本盤を、安定感ある演奏と評したが、それは安全運転という意味では決してない。それどころか、クーベリックのチェコへの深い愛着と望郷の念をうかがわせる実に熱い演奏と言うことができる。ヴィシェフラトの終結部で冒頭主題が回帰する箇所の、いわゆる「兵どもが夢のあと」といった風情をこれ以上情緒豊かに歌い上げた例がほかにあったであろうか。シャールカやボヘミアの森の草原よりの決然とした開始は我々の度肝を抜くのに十分な迫力であるし、特に、シャールカの変幻自在のテンポ設定の実に巧みなこと。ターボルの怒りの進軍の重量感は、他の指揮者が束になってもかなわないド迫力。ブラーニクの圧倒的な高揚にはもはや筆舌には尽くし難い深い感動を覚える。正に、わが祖国の名演として、トップの座を争う至高の超名演と評価したい。
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2 people agree with this review 2009/11/14
ブラームスは、何よりもルービンシュタインの堂々たるピアノが素晴らしい。人生の辛酸をなめ尽くした巨匠の味わい深い演奏が、生涯独身を貫いて、人生の寂しさやわびしさを人一倍感じ、華麗さとは無縁の渋い作品を生み出してきたブラームスの音楽に見事に符合する。オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団は、いささか音の重心が軽く、ブラームスとしては今一歩深みが乏しい気もするが、ルービンシュタインの堂々たる演奏を加味すれば、総合的評価として、本演奏を名演と評価することに躊躇しない。他方、シューマンは、ルービンシュタイン最後の録音セッションだけに、実に演奏の奥が深い。冒頭の夕べにからして、他のピアニストとは次元の違う音のドラマが繰り広げられており、この幻想小曲集こそ、ルービンシュタインが人生のゴールで到達した至高・至純の境地と言えるのだろう。幻想小曲集の随一の超名演と評価したい。Blu-spec-CD化によって、ルービンシュタインの名演がより鮮明に味わうことができることを大いに喜びたい。
有名な大序曲「1812年」やスラブ行進曲のみならず、カンタータ「モスクワ」、戴冠式祝典行進曲など、本盤におさめられたいずれの楽曲も統一テーマはロシア国家。これでもかというくらい、ロシア国家が様々な変奏を加えながら奏される。現今において、ゲルギエフとマリインスキー劇場管弦楽団ほど、ロシア民族色の濃い演奏が可能なコンビはなく、本盤のような楽曲の演奏においては、右に出るものはいないと言える。どの曲も水を得た魚のような堂々たる名演を聴かせてくれている。1812年は、特に、大砲やカリヨンが鳴り響く終結部のド迫力にも圧倒されるが、抒情的な箇所の旋律の歌い方も見事であり、合唱などは挿入していないものの、同曲のベストを争う名演と言っても過言ではあるまい。カンタータ「モスクワ」も合唱の整然とした美しい響きが実に感動的であり、あまり知られていない同曲の魅力を再認識させてくれる。他の3曲も見事な出来栄えであり、ゲルギエフ&マリインスキー劇場管弦楽団のコンビとしても快心の名演と言えるだろう。そして、何よりも素晴らしいのはSACDマルチチャンネルによる極上の名録音。特に、1812年の大砲とカリヨンが、ひずみもなく鮮明に再現されるのには大変驚いた。
4 people agree with this review 2009/11/12
モーツァルトの管楽器による協奏曲では、最近ではほとんど聴かれなくなった重厚さと高貴な優美さを兼ね備えた珠玉の名演である。録音は72〜73年というベームの最後の全盛期であり、その指揮は、モーツァルトを得意としたベームならではの厳しい造型の中にあっても柔軟性のある自然体のものであり、ウィーン・フィルも絶美の演奏を行っている。そして、何よりも、当時のウィーン・フィルの名うてのプレーヤーの極上の演奏が、これらの名演により一層の華を添える結果になっている。プリンツやトリップはいかにもウィーンならではのクラリネット、フルートだと思うし、ツェーマンの野太いファゴットもどこか温かみがあって実に感動的だ。録音も素晴らしく、この3曲の最高の名演の一つと言っても過言ではないだろう。
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1 people agree with this review 2009/11/08
セルが指揮するクリーヴランド管弦楽団は、セルの楽器と称されるほどの驚異的なアンサンブルを誇った。しかし、時には、凝縮のあまりいささかスケールの小ささが目立つ場合もあった。本盤は、そうしたセルの演奏の長所と短所が同居している演奏だと思った。評価したいのは、ワルハラ城への神々の入場、ワルキューレの騎行、魔の炎の音楽、森のささやきの4曲。これらは、セルの精密な指揮と、それにぴったりとついていくクルーヴランド管弦楽団が、ワーグナーがスコアに記した名旋律の数々を感動的に表現していく。しかし、夜明けとジークフリートのラインへの旅、ジ―クフリートの葬送行進曲と終曲の2曲は、凝縮を意識しすぎたせいか、あまりにも演奏のスケールが小さい。セルは、精密で緻密な指揮を行い、クリーヴランド管弦楽団もそれに見事に合わせているが、やはり、ワーグナーの天才性が発揮されるこの2曲では、演奏が楽曲に負けてしまっている。ニーベルングの指環への入門CDとしては、これで十分なのかもしれないが、本盤を一つの完結した作品として見れば、竜頭蛇尾のそしりを免れないだろう。Blu-spec-CDの音質はいつもながら素晴らしい。
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2 people agree with this review 2009/11/08
一言で言えば、あまたのヴェルディのレクイエムの演奏の中でも、最もダイナミックレンジの広い演奏の一つと言えるのではなかろうか。冒頭の導入部は、ほとんど聴きとれないような最弱音で開始され、この先どうなるのかと思って、ボリュームを少し上げたところ、怒りの日のぶっ飛ぶかというようなド迫力に、思わず面喰ってしまった。ライナーの解説によれば、パッパーノは、この冒頭の導入部にこそ、ヴェルディの天才性があるとしており、この冒頭の最弱音による演奏には相当に深い意味を見出しているのであろう。演奏全体を俯瞰すれば、起伏の大きい演奏ということになる。いかにもイタリア系の指揮者パッパーノならではのオペラ風の劇的な演奏と言える。したがって、いわゆるレクイエム的な性格からはやや外れているとも言えるが、巷間言われているようなヴェルディのレクイエムが内包するオペラ風の「音のドラマ」を見事に体現しており、その意味では、聴き手によって、好き嫌いが分かれる演奏になるのかもしれない。私としては、気鋭の指揮者パッパーノによる意欲的で劇的な名演として高く評価したい。HQCD化の効果はいま一つの印象で、もう少し鮮明さがほしいと思った。
9 people agree with this review 2009/11/07
カラヤンは、他の多くの独墺系の巨匠と同様に、マーラーを決して積極的に採り上げる指揮者ではなかったと言われる。主要な交響曲作曲家の全集を悉く完成してきたカラヤンにしてみれば、確かに、そのような指摘は当たっているのかもしれない。しかしながら、例えば同時代に活躍した巨匠ベームが、マーラーの交響曲の録音を一切遺さなかったのに比較すれば、第4〜第6、第9そして大地の歌の録音を遺しているカラヤンは、決してマーラーを毛嫌いしていたわけではないと言うことができるのではなかろうか。むしろ、カラヤンの楽曲へのアプローチ、つまりは徹底的に磨き抜かれた美へのあくなき追求や完全無欠のアンサンブルといったものが、マーラーの交響曲ではなかなか発揮することができないという側面があったのではないかと思われる。そう思ってみると、カラヤンが指揮した前述の楽曲の選択も、なるほどと思わせるものがある。本盤の第5は、大地の歌を除くと、交響曲録音の先陣を切ったものである。ベルリン・フィルの圧倒的な合奏力をベースにして、いかにも演出巧者らしいカラヤンならではのアプローチであり、特に、第4楽章のため息が出るような耽美的な美しさは、カラヤンの真骨頂というべきであろう。もちろん、カラヤンの得意とは必ずしも言えない曲だけに、カラヤンとしてはややたどたどしい箇所も散見されるが、全体としてみれば、ある種の世紀末的なデカダンスの雰囲気が漂う耽美的で、なおかつ重厚さも併せ持つ名演と評価したい。
9 people agree with this review
6 people agree with this review 2009/11/07
マゼールは、演奏様式をたびたび変えてきた指揮者であるが、60年代のマゼールは、現代的で尖鋭的なアプローチと、曲の本質に切り込んでいく前進性が見事にマッチングして、個性的な名演を数多く残してきた。もちろん、曲によってはやり過ぎのものもあるが、特に、ウィーン・フィルやベルリン・フィルと組んだものは、オーケストラの力量もあって、名演が生まれる可能性が非常に高かった。その一例が、シベリウスの交響曲全集だと思う。北欧風という意味では、かなり異なった性格の演奏であるが、楽曲の本質にぐいぐいと迫っていく鋭いアプローチが見事であり、シベリウスの交響曲の我々が通常の演奏ではなかなか知りえない側面に光を当てた異色の名演ということができる。後年に、マゼールはピッツバーク交響楽団と全集を録音しているが、とても、このウィーン・フィルとの全集の水準には達していない。いずれの交響曲も一聴の価値のある名演揃いであるが、特に、第1が超名演だ。録音は、英デッカならではの鮮明なものであるが、超名演である第1には、最近、ESOTERICからSACDが発売され、この名演の価値を一段とアップすることに貢献しているのは大いに朗報だ。
6 people agree with this review
5 people agree with this review 2009/11/07
チャイコフスキーの白鳥の湖にはあまたの名演が目白押しであるが、やはり、フィストゥラーリの古典的な名演を忘れてはいけないだろう。COAもいかにも北ヨーロッパならではのくすんだ音色で、フィストゥラーリのタクトにぴったりと併せている。フィストゥラーリの素晴らしさは、シンフォニックな華麗さを基調としつつ、あくまでもバレエ音楽であることを認識させてくれる点にあるだろう。眼前で、バレエを踊っている様子を彷彿とさせてくれる。音質は、ステレオ初期ではあるが、英デッカならではの鮮明なもので、通常CDでもかなりのレベルであるが、最近、ESOTERICからSACD化されたものは一段と素晴らしいもので、信じ難いほどの高音質だ。
2 people agree with this review 2009/11/07
メンデルスゾーンは優美で、哀愁に満ち溢れた美しいメロディを生み出す作曲家であるというのが定評であるが、本盤はそうした印象を覆すのに十分な一枚だ。それは、スコットランドのロンドン稿の使用などに見られるように、できるだけ初稿を選択したことにあると思われる。スコットランドは、特に第1楽章や第4楽章など、相当に荒削りな箇所が散見されるが、シャイーは、それをオブラートに包んだりすることなく、あくまでも正攻法のアプローチを行うことによって、メンデルスゾーンの初稿に如実に表れていた荒ぶる感情の高まりや激しさをダイレクトに聴き手に伝えてくれる。したがって、ライブならではの熱気と相まって、やや音ににごりが見られるなど、いささかやり過ぎが懸念されるきらいがないとは言えないが、全体としては、メンデルスゾーンをこよなく愛したシャイーならではの佳演と評価することができよう。ヘブリディーズ諸島も、ローマ稿を採用するなど、スコットランドと同様の性格の佳演だ。他にも、ピアノ協奏曲第3番など、知られざる曲が併録されており、本盤の価値をより一層高めることに貢献している。
6 people agree with this review 2009/11/05
ニールセンは、シベリウスと並ぶ北欧の二大交響曲作曲家であるにもかかわらず、シベリウスに比べると録音点数があまりにも少ないと言わざるを得ない。作品の質の高さを考えると、これは実に残念なことだと思う。それだけに、録音されたものは、指揮者の思い入れもあるのだろうが、いずれもかなりの高水準の演奏ということができる。全集では、オーレ・シュミットのものが忘れ難いし、ブロムシュテットの2度にわたるオーソドックスな名演、同じフィンランド人のベルグルンドやヤルヴィの全集も魅力的だし、最近ではラハティの現代的な名演も印象的だった。個別の演奏ならば、第4はバルビローリやカラヤン、第5はクーベリックやホーレンシュタインの名演を忘れてはならないだろう。このような中で、若き日のサロネンの全集はどのような特徴を備えているのだろうか。一言で言えば、ニールセンの交響曲の特色であるエネルギッシュな生命力と(シベリウスのように直接的ではなく、やや遠慮がちに)ほのかに漂ってくる北欧的な抒情をバランス良く兼ね備えたわかりやすい演奏ということが言えると思う。また、各交響曲の出来不出来が少ないのも、サロネンの全集の魅力である。併録の管弦楽曲も名演揃いだし、特に、リンと組んだニールセンのヴァイオリン協奏曲は、名作でありながら録音点数が交響曲以上に極めて少ないだけに、現時点でも最高の名演と評価したい(シベリウスの協奏曲もなかなかの名演だと思う。)これだけの演奏の質、ニールセンの主要な管弦楽曲などを網羅していること、そして価格を考慮すれば、現時点で入手できる最高の全集と言っても過言ではあるまい。
7 people agree with this review 2009/11/04
スラブ舞曲集の全曲録音は、様々な指揮者によってなされてきた。同じチェコ人指揮者ならばノイマンが2度にわたり録音しているし、ハンガリー人ならば、セルやドラティ、フィッシャーの名演が忘れ難い。プレヴィンの聴かせどころのツボを心得た演奏や、マゼールの個性的な演奏も頭に浮かぶ。このように、綺羅星のように輝く様々な名演の数々の中でも、クーベリックの録音は、ダントツの名演と言ってもいいのではないかと思う。チェコ人指揮者ならではの民族色豊かな情感にもいささかの不足はないが、決して民俗的なローカル色を強調するのではなく、むしろ、バイエルン放送交響楽団を統率して、より普遍的でシンフォニックな演奏を心掛けている。言うなれば、チェコ的な情感と普遍的な重厚さを併せ持つというバランスの良さが、本盤を最高の名演たらしめているのだと考える。どの曲も、緩急自在のテンポを駆使した重厚な名演であるが、特に、第16番のスケールの雄大さは特筆すべきだと思う。
7 people agree with this review
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