前作である２枚組大作のFragileで一度、NINは終わった感がある。しかしながらこのアルバム、前２作の突き抜けた激しさ、深淵は感じないがポップで乗りやすい聞きやすいアルバムになっている。

今となっては新しい音楽ではないと思うが流れてくる音が破壊的衝動を感じさせ、現在の世界ではもうこんな音楽は出てこないだろうなという名作。鬱屈とした中で暴れまわる曲達。最終曲はこのアルバムを締めくくるに相応しい超名曲。

待ってました、これを。 HTDAを経て、NINとしてトレントがどんな音を鳴らすのか。 楽しみしかない。 フジロックももちろん行きますとも！！

ライヴ盤やDVDを間に挟んだものの、スタジオ作としては「Fragile」以来６年ぶりとなる、2005年4th。 これまでの作品とは違い、１曲目はとても穏やかに幕を開ける。ある意味「Fragile」以上に繊細で、触れれば崩れてしまいそうなほど儚げ。 これまでのアルバムで嫌でも感じ取れていた重さや暗さが払拭されており、聴き易いともいえるし、古いファンには物足りないともいえる。 インダストリアル要素は控えめ。ビートも、打ち込みではなくデイヴ・グロール参加による生ドラム。「Fragile」で初登場した、あの零れ落ちるようなピアノの音も随所に入っている。 あくまで歌やメロディを重視したアルバムで、電子音の類は控えめ。しかし、そのセンスの高さはさすがである。静かな曲などは、ライヴ盤「And All That Could Have Been」のdisc2のような雰囲気。それでいて「Pretty hate machine」のポップさをさらに洗練させた感がある。 もちろん攻撃性を忘れたわけではない。ライヴで盛り上がりそうな曲も多い。 自分の中に鬱屈していた毒は「Fragile」で出し切ったのか、長い長いトンネルからやっと抜け出したような、穏やかな光差すアルバム。

アナログなロック音が多かった前作With Teethに比べ デジタルな打ち込みが全開な今作。 The Great Destroyerに至っては曲のほぼ半分がノイズ。 心地よさと不快さを両立させて聴かせるのは トレントのみが成せる業。

Brokenよりも全体に実験的でラジカルな感じの仕上がり。よりインダストリアルな音を好むのであればBrokenよりもこちらを。

リミックスとは知らず、初めて買ったNINのアルバムがこれでした。原曲を全く聴いたことが無い状態で聴いたのですが、最初は｢恐い｣という感想しか抱けなかった。とにかく一曲目から何だか物騒な雰囲気で、最後迄暗くて恐くて…でも後でﾌﾗｼﾞｬｲﾙを買って、ﾌﾗｼﾞｬｲﾙを聴いた上でもう一度聴いてみたら凄く格好良いアルバムなんだということに気付きました。10マイルズハイとゲイリーニューマンのカバーであるメタルも格好良い。何だか空虚な雰囲気漂う、不思議なアルバムです。

ﾌﾗｼﾞｬｲﾙやTDSみたいなドロドロしたアルバムも良いけど、WTも大好き。特に4のイントロは凄いです。こんなキャッチーな曲が作れるなんてやはりﾄﾚﾝﾄはポップメーカーなんだな、と改めて認識。なんかアルバム全体に生命力がみなぎってて、聴いた後にパワーを貰えるような、凄い力のあるアルバムです。捨て曲なし。

NINのアルバムは何時も、不思議な｢空気｣が在ると思う。このﾌﾗｼﾞｬｲﾙは感覚的に言うと何だかモヤモヤしてて、曇っててハッキリしない、聴いたあとにそのモヤモヤが残るような、そんな感じ。でも聴いてる間は凄く心地好くて、暫く(ハマれば)中毒のように聴き続けてしまう。LEFT、RIGHT共に最後の曲がもう聴いてて気が狂いそうに成る程恐いです笑　　ああ、後10年程早く生まれてきてリアルタイムで聴きたかったなぁ…。

私はリアルタイムで聴いてきた訳じゃないけど、今聴いてもホントに新しいと思う。今のところ、私が今まで聴いてきたバンドの中ではNINが一番。でも、解散しちゃったんですね…ゲイリーニューマンと曲を制作する、なんて話も聞きましたが、どうなったんでしょう？まぁそれはさておき、このTDS。凄まじい音の洪水に飲み込まれそうになるほど圧倒的なパワーを持っているアルバムです。一曲目から飛ばしまくり。終盤まで聴いているとぐったりしてきますが、注目はやはりなんといってもHURT。HURTで癒されます笑　全曲聴いた後は暫くボーっとしちゃって、何もしたく無くなります。そんな不思議な力を持ったアルバムです。