すばらしい．ややゆっくりしたテンポでスケールの大きな名演奏．ミュンシュ＆パリ管のように暴れていないし，ザンデルリンク＆ベルリン響のように穏やかな表情でもない（ともに演奏時間の長いものであったと記憶しています）．しかし，がっしりしたドイツ音楽を感じさせてくれる貴重な演奏．

ジュリーニの真面目で入念な音楽作りが結実した非常な名演である。ロス・フィルを徹定的に鍛え上げ、ジュリーニは最高のブラームスを我々に聴かせてくれる。たっぷりと歌いぬかれる旋律、重厚なハーモニー、強固な構成力、いずれも凄い。さすが、大指揮者ジュリーニである。これと比べるとウィーン・フィルを起用した再録音盤はタガが外れてしまった。

理屈を超えて、クラッシクファン以外のリスナーにも聴いて欲しい1枚。

ラクリンのヴァイオリンには上品な艶のようなものが感じられる。ヤンソンスの名サポートを得て上質な気品ある演奏に仕上がっている。音質もなかなか良い。

カラヤン統治時代に、こんなに新鮮で清々しい録音が行われたことは奇跡では？LP発売当時より注目されたディスクだったけれど、DGの全集企画で単独発売が遅れ、リスナーにはなかなか聴くチャンスがなかった一枚。買って絶対に損はしない、最高の名演。

ブラ２の全ての録音中一番好きな演奏だ。これは木の香りを感じる名演!!どこまでも地味だが、それでいてかつとても明るい演奏。これぞブラームス２番の真髄を突いただ演奏と言えよう。94年のベルリン交響楽団との新録音も良いのだが、ナメクジの如くレガート過ぎる傾向がある。

このマンデールの指揮するブラームスのシンフォニーは、ザンデルリンクを思わせる様な堂々たる演奏だ。白眉は第４番。ブラームスの哀愁を、ゆったりとしたテンポで、じっくりと聞かせてくれる。

真顔でジョークをかますかのごとき「ティル」。打楽器は文字どうり大地を揺るがす。ブラームスも圧倒的。テンポは速いが、「歌舞伎の大見得」「横綱のがぶり寄り」を彷彿とさせる無骨で気風のよい音作り。「マイスタージンガー」も同傾向。失われたドイツの響きがここにある。録音は高域が伸びず、それが却って燻し銀の趣を助長する結果となっている。

協奏曲を、全くそのもので、実感出来る恐ろしい程馴れ合いの無い、緊張感溢れる名演REINERは、ぶっきら棒な面もあるが、今の時代にはいない真の巨匠では。この盤ではないが、ブラ−ムスの２番でリヒテルと、録音が成立していたらどんな演奏になっていたか。喧嘩になっても演奏が残っていたら、思ってしまう。

若いアバドのスマートな指揮にあわせベルリン・フィルの完成度の高いアンサンブルを聞かせます。若々しいブラームスを聞ける、他にはない一回限りの価値がある演奏です。