このＣＤでヒンデミットを知る事が出来て良かった。曲の構成がしっかりしており、この作曲家の味を存分に楽しめた。多少禁欲的な演奏だが、ウェーバーバリエーションの弦の切れ味、曲の流れは圧巻！！

全体を通して構成力があり知的ですばらしい演奏です。シャイーにはこの調子でヒンデミットの他の作品を録音してもらいたいです。欲を言えばもう少しオケがドライな響きでもいいかな。

ヒンデミットという作曲家のエッセンスを聴くならこの２枚組みで十分。「気高き幻想」の高慢チキぶりが最高の出来。画家マティスはバーンスタイン・イスラエルフィルに弦の魅力で譲るがコレはコレで悪くない。

この２曲の代表的名演。この１枚があれば他はいらない。他にもいろいろ買いましたが、結局手元から消えていきました。

録音は大変優秀。感心したのは気高き幻視の冒頭とマティスの埋葬などの緩徐楽章。真水のように透明で各声部が手に取るように聴き取れます。片や聖アントニウスや交響的変容など本来エネルギッシュであるべき曲にまるで生気がありません。かなり体調が悪いのでは？と勘繰ってしまいます。交響的変容のアバド旧録（eloquenceシリーズ）は溌剌としており（マティスはクレツキ指揮）ファーストチョイスならこちらを薦めます。

二台ピアノソナタ、四手ピアノソナタが特に良い。２枚で代表作が網羅してある。この値段なら迷わず買い。ピアノの音も非常に美しい。

画家マティス＆交響的変容のカプリング盤は非常に多いが、これは最も充実した一枚。前者はクレツキ/スイスロマンドの緊張感に満ちた名演、後者は60年代の颯爽としたアバド/LSO（後年BPOとの再録よりずっと良い）、そして作曲者自身の指揮によるVn協奏曲はオイストラフの見事な技を堪能できる。３曲で77分ぎっしり詰まって何度聴いても飽きの来ない超お得盤。音質も申し分ありません。

「気高き幻想」の気高くもエゴイスティックな表現が素晴しい。協奏曲の時に突き放したようなニヒルな雰囲気もいい。ヒンデミットを一枚だけ聴くとしたら文句無くこの一枚になるだろう。

３曲とも超名演です！ ブロムシュテットで満足いかない人に是非！

バルトーク最高です。フィラデルフィアもよく鳴っています。オーマンディの最晩年は所謂“グッドミュージシャン”を脱し，高い境地に達していたのではないでしょうか。オケの機能や指揮技量にものを言わせてぶっ飛ばす演奏よりも，恐怖感が惻々と湧いてきます。ヒンデミットも最近はこの演奏で聴くことが多くなりました。