CD 輸入盤

『わが祖国』全曲 ラファエル・クーベリック&チェコ・フィル(1990)

スメタナ(1824-1884)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
111208
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD

商品説明

クーベリック&チェコ・フィル/スメタナ:わが祖国

1990年ライヴ録音。祖国民主化への喜びから、40数年ぶりにチェコ・フィルの指揮台に立ち、得意の『わが祖国』をきわめてホットなアプローチで聴かせた記念碑的演奏会の記録。

【収録情報】
● スメタナ:連作交響詩『わが祖国』全曲

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
 ラファエル・クーベリック
(指揮)

 録音時期:1990年5月12日(「プラハの春」オープニング・コンサート)
 録音場所:プラハ、スメタナ・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

【スメタナ:『わが祖国』】
第1曲『高い城(ヴィシェフラド)』
プラハの南、モルダウ河のほとりの崖の上に建つヴィシェフラド城は、10世紀後半に建設された中世ボヘミア王国の城で、そこではかつて伝説の吟遊詩人ルミールが、英雄や愛について歌っていました。 曲頭のハープの動機は、この吟遊詩人ルミールのハープを表したもので、以後、『わが祖国』全体を通じて変形使用されることとなり、この連作交響詩が、あたかも吟遊詩人によって歌われたボヘミアの物語であるといった様相を呈しています。

第2曲『モルダウ(ヴルタヴァ)』
『わが祖国』を代表する人気作で、単独で演奏される機会の非常に多い作品でもあります。内容的には、チェコの中央部を流れる大河モルダウとその周辺の景観を描写したもので、変化に富む水の流れと、民族舞曲や月夜の水の精、聖ヨハネの急流などが描かれており、最後には循環動機でもある『高い城』の主題をモルダウの主題にかぶせて輝かしく終わります。

第3曲『シャールカ』
恋人の裏切りから、なぜか全男性への復しゅうを誓ってしまった女傑シャールカ率いる女性の軍隊と、男性の軍隊との戦いを描いた作品で、同じ題材のヤナーチェクのオペラも有名です。シャールカ討伐に向かったツティラートが、色香と酒によって簡単に負かされてしまうといったストーリーが、スメタナの音楽では最後の勇猛果敢な音楽に象徴されるようにきわめてシリアスなものとして描かれています。

第4曲『ボヘミアの牧場と森から』
きらきらと輝く陽光を受けた緑の平原、収穫祭を思わせる農民たちの楽しげな踊り、森にそよぐ風や小鳥たちのさえずりがあるときは陽気に、あるときは淋しげに描かれる『モルダウ』に次ぐ人気作。

第5曲『ターボル』
免罪符販売を非難したことによってローマ法王から破門され、やがて虐殺されることになるチェコの宗教改革運動家、ヤン・フスの衣鉢を継いだ急進的グループ「ターボル派」を中心に巻き起こったフス戦争を描いた作品。スメタナはフス教徒たちの信条を民族主義の旗印として捉え、主題に彼らの賛美歌(コラール)を用いることで、チェコの歴史上、最大の民族的盛り上がりを見せた出来事を叙事詩的壮大さをもってダイナミックに描き上げています。

第6曲『ブラニーク』
前曲からつながっているこの作品は、ボヘミアのブラニーク山に眠る救国の騎士たちの伝説を描いており、主要主題には第5曲のターボルの主題が用いられて、チェコの危機を救う英雄の存在を強く印象付けます。
 実際の戦争では、十字軍のたび重なる侵攻を撃破しながらも、結局は内部分裂によって敗戦を迎えることになる彼らの戦いぶりを考えると、スメタナの描写は少々理想主義的美化が過ぎるようにも思えてきますが、この曲集が、吟遊詩人ルミールによって語られるチェコについての幻想的な物語である点、『ターボル』と異なり、フス教徒ではなく伝説上の存在である騎士たちに戦いがシフトしている点を考慮すれば、スメタナの設定は当を得たものと言えるのではないでしょうか。

総合評価

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彼の熱心な聴き手であればこの曲の最高のCD...

投稿日:2024/07/24 (水)

彼の熱心な聴き手であればこの曲の最高のCDは91年の東京での演奏。次はミュンヘンでのライブで3番目はウィーンフィル盤である。世評の高いボストン盤は一部に旋律の扱いに不自然なところがあり私はあまり聴かない。この感動的な音楽際のオープニングの演奏も東京での完成度には及ばない。これは記録として大きな価値があり国内盤よりいいジャケットだと思う

ポミーカ さん | 東京都 | 不明

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クーベリックのわが祖国は、このCDの音源も...

投稿日:2013/12/22 (日)

クーベリックのわが祖国は、このCDの音源も含めて、手元に三枚あるが、最も新しい音源がこのプラハの春のライヴ。 演奏の完成度、充実度は、有名なボストン交響楽団との1971年録音盤に一歩及ばずと言った所だが、演奏はチェコの民主化を祝うように喜びに溢れた力強い物で良い。 歴史的音源という事情を抜いたとしても、なかなか良い演奏であるが、わが祖国のファーストチョイスにはおすすめはあまり出来ない。 チェコのレーベル、スプラフォン原盤で、音質は問題なし。

レインボー さん | 不明 | 不明

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クーベリックのわが祖国と言えば、ボストン...

投稿日:2010/09/12 (日)

クーベリックのわが祖国と言えば、ボストン交響楽団とスタジオ録音した71年盤や、手兵のバイエルン放送交響楽団とライブ録音した84年盤の世評が非常に高い。近年では、来日時にチェコ・フィルとライブ録音した91年盤の感動も忘れ難い。特に、バランスや解釈の普遍性に鑑みれば、71年盤こそ随一の名演と評価すべきであるが、本盤の演奏は格別の感動がある。それは、ビロード革命によりチェコが自由化された後の初の「プラハの春」音楽祭のオープニングコンサート、しかも、クーベリックが祖国を離れてから42年ぶりに、再び祖国に戻っての演奏会という、特別な事情があるからである。正に、歴史的な演奏会の記録と言うべきであり、ここには、自由を謳歌し、演奏する喜びに満ち溢れたクーベリック&チェコ・フィル、そして聴衆の熱気が大きく支配していると言える。特に、ターボルの力強いド迫力などは出色であり、ブラニーク冒頭の重量感ははじめて耳にするような力強さ。終曲部のヴィシェラフトの主題が再現される箇所は、あまりの迫力にただただ圧倒されるのみ。演奏終了後の聴衆の熱狂も当然のことのように思われる。Blu-spec-CD化によって音質が著しく向上しており、この歴史的名演の価値を大いに高めることに貢献している。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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