フルート四重奏版『フィガロの結婚』
シュルツとフィルハーモニア弦楽三重奏団による
モーツァルトのオペラ・シリーズ第3弾。
有名アリアが数多く生み出されたオペラ『フィガロの結婚』を、おなじみのメ
ンバーで新録音しました。既に発売されている『魔笛』、『ドン・ジョヴァンニ』は、その編曲のめずらしさ、歌とオーケストラとはまた趣の異なる軽やかな編成、そしてシュルツのしっとりとしたフルート演奏など、楽しく気軽に聴けるその内容からシュルツ・ファンだけでなく、オペラ・ファンも魅了しました。
オペラはやはり劇場で「観て」楽しむのが本当ですが、このCDに収められた『フィガロの結婚』はまさに「聴いて楽しむ」ために編曲されています。「聴いて」あらたな『フィガロの結婚』を発見するのもまた、一興かもしれません。(カメラータ・トウキョウ)
モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』
(ヨハン・ヴェント編曲によるフルート四重奏版)
・序曲
(第1幕)
・5…10…20
・もし夜中に奥様が、お前をお呼びの時は
・伯爵様、踊りをなさりたければ
・何だと! 早く行って
・愛の蝶よ、お前はもう夜昼に飛び廻って
(第2幕)
・愛の神様、私の苦しみと溜め息に
・恋とはどんなものか
・もう出て来い、不埒な小僧め〜旦那様、その驚きようはどういうことですか(第7場)〜スザンナ、私死にそうよ(第8場)〜皆さん、外にはもう楽士たちが来ております(第9場)〜フィガロ、この手紙を書いたのは誰か?〜ああ、旦那様、旦那様…なんと無礼な(第10場)〜この紙は貴方が落としたのでしょうね。〜いつも正しい旦那様(第11場)
(第3幕)
・なんと柔らかな西風が…
・お受け下さい、奥様
・さあ行進曲だ、行きましょう
(第4幕)
・早くおいで、素晴らしい喜びよ
・あなたを愛している人の望みどおり
ヴォルフガング・シュルツ(フルート)
ウィーン・フィルハーモニア弦楽三重奏団
〔ペーター・ヴェヒター(ヴァイオリン)
トビアス・リー(ヴィオラ)
タマーシュ・ヴァルガ(チェロ)〕
録音:2006年2月、ウィーン
ヴォルフガング・シュルツ(フルート)
オーストリア、リンツの音楽一家に生まれる。リンツとザルツブルクにて学んだ後、ウィーン音楽大学にてハンツ・レズニチェックに師事した。その後、さらにオーレル・ニコレの指導の下で研鑽を積む。
18歳でウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団の首席奏者に就任するなど若くして頭角を現し、1970年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団およびウィーン国立歌劇場管弦楽団の首席奏者となり、現在に至る。
室内楽の分野においても、パートナーであるヘルムート・ドイチュとの長年にわたるデュオをはじめ、エリーザベト・レオンスカヤ、シュテファン・ヴラダー、アンドラーシュ・シフ、マウリツィオ・ポリーニ、ジェシー・ノーマン、アマデウス・カルテット、アルバンベルク四重奏団ら国際的に著名なアーティストと数多くの演奏会を行う。ソリストとしても、アバド、マゼール、メータ、小澤征爾やプレヴィンら著名な指揮者と世界各地で共演している。1983年より、ウィーン・フィルとベルリン・フィルの首席管楽器奏者からなるアンサンブル・ウィーン=ベルリンのメンバー。
レパートリーはバロックから現代までと幅広く、特にオーストリアの現代作曲家の作品の演奏に力を注いでおり、多くの作品が彼に献呈されている。
レコーディングも多く、著名な賞を受賞している録音も数多い。
1979年よりウィーン音楽大学教授を務めるほか、1996年からはルールマラン(フランス)でのボヌール音楽祭の芸術監督を務めている。(カメラータ・トウキョウ)