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ユローヂィヴィ さんのレビュー一覧 

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     2019/12/08

    歌劇『ユグノー教徒』は上演時間の長い作品だが、美しいメロディーも多く、音楽的にも内容豊かで飽きることがない。悲劇なのだが、音楽としては楽しめるものになっている。

    この物語はカトリックとプロテスタント(ユグノー)との対立による悲劇を題材にしているが、これは形は違えど世界各地で今も起こっている事件と共通する点が多い。

    現代に合った、今こそ向き合いたい作品かもしれない。

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     2019/12/06

    グリンカの歌曲をロシアの演奏家で。

    『ペテルブルクとの別れ』が一番の目玉だろう。グリンカの作品の中でも特に重要な作品だ。

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     2019/12/06

    コリリアーノの交響曲第1番はシカゴ交響楽団の創立100周年のために作曲されたのだが、作品はエイズで亡くなったコリリアーノの友人たちに捧げられている。

    この音楽を聴いて音楽の力を再認識した。
    音楽は何のためにあるのか、誰のために演奏されるのか? その問いに対する答えの一つがこの作品だろう。

    これは世界初演の時の録音。

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     2019/12/05

    ロジェストヴェンスキイはイギリスのオーケストラを振っていたことからイギリスの作曲家の作品がレパートリーにあるのは当然だろう。
    しかしソヴィエト時代においてヴォーン・ウィリアムズの交響曲全曲演奏をおこなって、録音に残すというのはロジェストヴェンスキイ以外では叶わなかった事だろう。

    しかもこのライブ録音はロジェストヴェンスキイが音楽監督をしていたソヴィエト国立文化省交響楽団の本拠地、モスクワではなく、サンクト・ペテルブルクでの公演なのだが、これはサンクト・ペテルブルクの主催によるものだろうか?
    演奏だけでなく、そういった経緯も気になる。

    ただ、当時のメロディアの録音の特徴でもあり、ライブ録音という事もあり、音質は固く、響(音域)の幅も狭いのが残念でならない。
    録音機材が違っていたら印象がだいぶ違うのではないか。
    そういった意味で演奏を評価するのが難しい。

    あえて言えばロジェストヴェンスキイによるシベリウスの交響曲全集と共通して、荒々しさのある力強いヴォーン・ウィリアムズだ。

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     2019/12/05

    ショルティの指揮は、ともすればどぎつい部分のみが強調されてしまう危険をはらんでいるこの作品に深みを与えている。
    歌のない、オーケストラの部分で聴くものをドラマに引き込むのはさすがだ。

    キリ・テ・カナワの声質と、トスカを歌うために音楽的に求められる声質が適していると聴く前から感じていた。しかし同時に、演劇的な意味でトスカの強いキャラクターには合わないかもしれないと感じていた。
    これまで数名の歌手によるトスカを聴いたが、キリ・テ・カナワはその中でも特に合っていると感じた。(最大の山場である第2幕がとても良かったが、第1幕は少し印象が薄かった。)

    幾つか聴いたキリ・テ・カナワの録音の中でも個人的に特に素晴らしいと思った。
    イタリア語を母国語にしていないのに、第2幕の歌と言うより台詞に近い部分に違和感はなかった。

    悪役ながらスカルピアを歌うレオ・ヌッチは堂々とした存在感のある歌唱で情感もあり、嫌らしさのある単なる悪役ではない、深みのある表現が素晴らしい。

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     2019/12/04

    2曲のフルート協奏曲に、フルートと弦楽オーケストラのための『12の小品』、フルートとピアノのための『5の小品』を収録する。

    フルートという軽やかで美しい響きを持つ楽器を主役にしているだけに、ヴァインベルクもその特色を生かした作曲をしている。

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     2019/12/04

    ヴェルディの初期の作品に関しては右に出る者がいないと言える指揮者ランベルト・ガルデッリ。

    この『アルツィラ』の録音は主役の3人にコトルバス、アライサ、ブルゾンとスター歌手を集めた注目すべきものだ。

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     2019/12/02

    ローカル色というか味わいは薄いかもしれないが(交響曲第1番の第3、4楽章は派手でなかなか楽しい。)クセもなく、好き嫌いの出ない、きっちりとした正統派の演奏だ。

    マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団は演奏能力も高く、とても美しい音を出している。細部まで手を抜いていないので発見も多かった。
    特に交響曲第2番の第4楽章のフィナーレにオーケストラの技術の高さを感じた。

    カリンニコフの交響曲はMELODIYAはもちろん、NAXOS、BIS、CHANDOS、EXTONといったレコード会社から発売されているが、まだDGやDECCA、EMI、SONY、WARNERなどからは発売されていない。

    DGの録音でユーリ・テミルカーノフの指揮、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団の演奏で聴いてみたい。(テミルカーノフのレパートリーには入っていないかもしれないが。)

    その他キリル・ペトレンコ指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏も期待できそうだ。

    そしてウラディーミル・フェドセーエフ指揮、チャイコフスキイ記念交響楽団でも聴いてみたい。レコード会社はPONYCANYONだろうか。

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     2019/12/02

    チャイコフスキイの音楽は、美しさにとどまらず、苦しみや哀しみなどの激しい感情をあらわにして迫ってくることが多いが、この『ロココの主題による変奏曲』は浮世のわずらわしさから離れて、心を美の世界に浸らせてくれる作品だ。(多少憂いを含んでいる部分もあるが。)

    チャーミングなこの作品をロストポーヴィチは力を抜いて、それでいて持ち前の技術を駆使して演奏し、ロジェストヴェンスキイは遊び心を交えて指揮している。
    他の指揮者の伴奏では聴き流していたり、気付かないところを浮き立たせている。

    一方、『フィレンツェの思い出』という作品は「フィレンツェの悲劇」ではないかと思わせる激しさがあるが、この演奏はそれほど感情の振幅が広くなく、重たさもそれほどなく、冷静に作品を味わうことができる。

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     2019/12/01

    マーラーの『嘆きの歌』にヤナーチェクの『ヴァイオリン弾きの子ども』とはいかにもロジェストヴェンスキイらしい選曲だ。(2曲は別の日のライブ録音。)

    マーラーはオペラの指揮をしていただけに声楽に対する作曲技術が大変優れており、交響曲に声楽を伴う作品もあるが、声楽が中心となる規模の大きな作品はこのカンタータ『嘆きの歌』の他に『大地の歌』しかないのは残念な事だ。

    『嘆きの歌』がこんなに素晴らしい作品とは知らなかった。

    ロジェストヴェンスキイのマーラーは交響曲第5番のライブ録音が出ていたと思うが、交響曲全曲を演奏したことや、録音はあるのだろうか?

    この『嘆きの歌』の素晴らしさから考えて、ロジェストヴェンスキイはマーラー演奏に関して抜群のセンスを発揮することは間違いないだろう。

    最近、ICA CLASSICSからBBCのアーカイブからの録音がリリースされていないようでさみしい。
    引き続きロジェストヴェンスキイやロシアの指揮者・演奏家の秘蔵録音を発売して欲しい。

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     2019/12/01

    しかしロシア・ソヴィエトには一体どれだけ優れた作曲家がいるのだろう。

    ここにはバズネルの『弦楽四重奏曲第1番』、オクネフの『弦楽四重奏曲第2番』、スロニムスキイの『アンティフォン』、チェルノフの『弦楽四重奏曲第1番』、プリゴージンの『弦楽四重奏曲第1番』を収録している。

    演奏はタネーエフ弦楽四重奏団。

    ロシアのレコード会社とは言え、これだけマイナーな作品を商品にしてくれているNORTHERN FLOWERSに感謝。

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     2019/11/30

    いづれも名演です。

    BBC交響楽団が大変素晴らしい演奏をしている。(チャイコフスキイでは少しミスをしているが、それを吹き飛ばすくらいの勢いがある。)

    ロジェストヴェンスキイ指揮によるチャイコフスキイの交響曲第5番は、モスクワ放送交響楽団、ソヴィエト国立文化省交響楽団、ロンドン交響楽団の録音を聴いたが、ロジェストヴェンスキイの指揮は基本的に一貫しているが、オーケストラによって受け取りかたの違いなどが出てくるのがやはり面白い。

    ロジェストヴェンスキイのレパートリーの中でヤナーチェクはぴったりの作曲家だと思うが、録音は少ないのではないだろうか?

    この『タラス・ブーリバ』だけでなく、『シンフォニエッタ』も演奏していそうだが、実際はどうなんだろう。あるのなら聴いてみたい。

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     2019/11/30

    1975年4月17日、ロイヤル・アルバートホールでのライブ録音。
    音質はとてもいい。

    スヴェトラーノフとロンドン交響楽団の相性も良く、ブラームスの交響曲第3番はロマンチックな部分と力強さとのバランスがとてもいい。

    ボーナストラックと言うことだが、ショーソンの『愛と海の詩』は是非とも全曲聴きたい。

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     2019/11/29

    交響曲第19番『輝かしき5月』は交響曲第17番から始まった戦争三部作を締めくくる作品。作品番号が進むにつれて作品が明るく、分かりやすくなってきている事がわかる。

    戦争の悲惨な面を最も感じさせるのが第17番。
    第18番は詩によって戦争の悲惨さが訴えられているが、悲しみを乗り越えて平和への希望が感じられる。
    そして第19番に至ってヴァインベルクは戦争体験を乗り越えられたのではないだろうか?

    第19番はヴァインベルクの交響曲の中でも特にシンプルな音楽に感じられた。

    交響詩『平和の旗印』も交響曲第19番同様にシンプルで直接的な音楽になっている。

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     2019/11/29

    交響曲第18番はショスタコーヴィチの影響から離れ、ヴァインベルク自身の音楽語法で戦争という悲劇を語った作品と言えるだろう。

    オーケストラと合唱のための交響曲で、詩による直接的な表現もあり、ヴァインベルクの作品の中では一回聴いただけでスッと頭に入ってくる作品だ。

    『トランペット協奏曲』はヴァインベルクの遊び心が感じられる作品。

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