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蟹缶 さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/26

    カルメンというオペラは人気作だけに録音もビデオも非常におおいがなかなか理想的と思える物はない。
    その中ではこれはDGカラヤン盤と並んで一番理想に近いんではないか。まず主役のふたりが見た目も歌も役にふさわしい。
    そして演技も上手い。特にガランチャは美人で華がある。フラメンコまで踊る大サービスで同じ演出で歌手が変わったらどうするのか心配になるほどのハマりぶりだ。
    アラーニャはさして好きな歌手ではないがホセにはピッタリだ。いままでホセというとアクジョにだまされた哀れな純情青年という役づくりが相場だったがアラーニャは一味違う。
    ストーカーっぼいしつこさで別れた女に付きまとい挙げ句殺す身勝手な男をリアルに演じている。
    フリットリはさすがに見た目は可憐な少女には見えないが歌は立派。
    指揮のネゼセガンもまだ若いが舌を巻くほどの練達ぶり。生き生きと躍動感溢れる音楽にすっかり魅了させられる。クライバーなんてもう完全に過去の人になったな、と実感させられた。
    エアの演出も実にいい。奇をてらう事なくオーソドックスな演出だが破滅につきすすむ男女の悲劇を鮮やかに描いている。
    半ば抽象化されたセットはリアリズム基調の演出からするとややそぐわない気もするがそこらは許容範囲だろう。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/09

    以下は昨夏NHKで生放送されてた物を見た感想なのでその後パッケージ化する段階で編集し直しているかもしれない。このBDの映像とは多少異なるかもしれない事を断っておく。音楽面においてはほぼ理想といっていい非常にすぐれた上演である。このプロダクションではCD録音された’08年まではヴォトリッヒがジークムントを歌っていた。彼のダミ声は全くヒロイックでなくキャストの中で唯一の穴だった。ところがこの映像収録された’09からボータに変わった。見た目は彼はずんぐりな肥満体型で見栄えが悪い上に突っ立て首を左右に振る以上の演技力は持ちあわせてない。ただしその声は比類なく素晴らしい!パワフルで強靭な喉でありつつも従来のバリトーナルなドイツ系テノールと一味違うテノールならでは柔らかいフォームがある。南アフリカ出身ながら発音も違和感なく表現力も確かである。おそらく現役のテノールでは最高のジークムント歌手ではあるまいか?他の歌手はこのプロダクションで何年経験している歌手が多く充実している。アルベル・ドーメンは既に代表的なヴォータン歌いとして定評あるし、リンダ・ワトソンはやや大味だが立派なドラマティックソプラノに成長した。その他では我らが藤村実穂子の健闘を称えたい。「ワルキューレ」のフリッカは出番は少ないながら抜群の存在感であり優れた歌唱だ。ただしこのプロダクションの聞き物は何よりもまず第一にティーレマンの指揮するオーケストラである。クナッパーツブッシュとフルヴェングラーのいいとこ取りしたような純ドイツ風なスタイル。凄まじく豊饒かつダイナミックな音楽でありワーグナーの音楽に酔わされる。バイロイトの観客の熱狂ぶりも納得。ただしせっかくのHD収録だが映像面では冴えない残念な出来だ。もし四部作全部を収録してくれたら違った感想になったかもしれないが、この「ワルキューレ」を見る限りでは凡庸で退屈な舞台という評価以外でてこない。神話の神々の世界と現代の人間の世界が隣り合わせに同居している、というコンセプトらしい。ザルツブルクの「フィガロ」を演出したグートのような才能のある演出家が同じアイデアで作れば斬新かつ面白い舞台が作れそうな気もするがドルストの演出はアイデア倒れ。神々と人間が同一の場面に居ても交流する事はなくただ視覚的に煩雑で無意味である。正直この舞台ならCDで音だけ聴けば十分な気もするが、Blu-Rayの利点としてはステレオ音声のCDと違いより高音質なサラウンドで聴けるという点はオペラの場合大きい。それと特にBru-RayやDVDは2幕でディスクの入れ替えなしに聴けるのもあり難い。日本語字幕をつけてくれれば尚よかった。

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     2011/03/05

    かつてはフルトヴェングラー盤とともにベスト盤争いの上位を競ったベーム盤だが、その歴史的意義はすでに過去のものになったように思う(笑)。ただし同じライブ録音とはいえ正規のバイロイト上演の継ぎ接ぎしてる為に会場ノイズが多く雑で出来の悪いベームの「指環」とは全く違う。こちらは録音の為の特別な上演が元になっている。ベームの自伝によると「前奏曲から終幕のイゾルデの愛の死までが一つの音楽的なクレッシェンドである「トリスタン」ではスタジオ録音は考えられない」とのベームの意見により(本当かな?)バイロイト音楽祭開幕前に五百人の特別な観客をいれて一幕づつ別の日に演奏してそうだ(もちろんゲネプロや本公演の音源も一部使われているはず)。お陰で歌手はリフレッシュしてその幕に全力投球出来たとの由。その効果は特に盛りを過ぎたロートルのヴィントガッセンにおいては大きかった。「指環」でのスタミナ配分を気にしておっかなびっくり覇気のないのジークフリートとは大違いだ。トリスタンでは声の衰えをさほど感じさせない情熱的な歌唱だ。もちろん全盛期のニルソンの無尽蔵とも思える輝かしい声に比べると(特に愛の二重唱では)バランスが悪いが当時のヴィントガッセンとしてはベストフォームだしニルソンに匹敵する声量のヘルデンテノールなど昔も今もいないだろう。この作品は主役の二人さえ立派なら成り立つオペラだが、さすがはバイロイトだけあって脇のルートヴィヒ、ヴェヒターらも充実している。タルヴェラは誠実なマルケ王にしては癖のある発声だが声自体は立派。オーケストラを指揮する老人にとっても長時間の楽劇を指揮する負担は軽減されるわけで一幕毎に集中できるという利点があったのだろう。「指環」におけるムラの多い指揮と違って「トリスタン」ではテンションが途切れる事なく高い完成度だ。ただし・・・ベームという指揮者は「トリスタン」という音楽には向いてない。そのせかせかしたテンポでは音楽的なうねりがブツ切れの打ち上げ花火で終わってしまい不完全燃焼。パウゼで間が少ないために音楽がどんどん前のめりになってしまう。聴いていて非常にイライラさせられる。そもそもベームはモーツァルトやRシュトラウスが上手い指揮者だ。ワーグナーは「オランダ人」みたいな単純なオペラならいいのだが音楽的スケールの巨大な後期の楽劇を振る力はないと思う。昔のようにこのオペラの録音が珍しかった時代はともかく、今では「トリスタン」には数多くの名盤が犇いている。歌手の点でもニルソンを圧倒的にしのぐイゾルデは今もいないが、この録音のヴィントガッセンを超えるテノールなら幾らでもいる。そういう意味でも、くりかえすが、その歴史的意義はすでに過去のものになったように思う(笑)。ま、本来は☆2つ位が正当な評価だと思うが、ベームヲタがぎゃあぎゃあ五月蝿いので☆一つおまけしとこう(笑)。

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     2011/01/29

    このDVDはパイニアの旧盤を持っているが、これは音楽ソフトでは珍しい驚異的な高画質である。
    アップコンの優秀なプレーヤーで再生するとBD並とはいかないが地デジに肉薄するかと思うほどだ。
    音質もダイナミクレンジは高域が詰まった感じはあるがまずは満足できる音質だろう。
    これはステレオ音声のみで5.1chなどの余計な音源を入れてないお陰だろう。
    演奏も素晴らしい。ブルゴスは当時BODの音楽監督だったドイツ系スペイン人の指揮者だがここではラテン的な明るい響きを追求している。従来のドイツらしい重厚な音楽を求めると物足りないが、ワーグナー唯一の喜劇(初期の作品は別として)であるこの作品にはこういう解釈もありだと思う。ウォルフガング・ブレンデルは美声だがやや地味なキャラクターでこの演出のザックスには合っている。アイケ・ヴィルム・シュルテは張りのある素晴らしいバリトンだが、演技では道化じみた小悪党という役作りをさせられていて疑問。ヴァルターのイェスタ・ヴィンベルイはモーツァルト歌手として頭角をあらわしたスウェーデン人テノールだが、その早い晩年にはトリスタンにも挑戦した。このヴァルターは彼のヘルデンテノールとしての優れた資質を感じさせる。エヴァ・ヨハンソンはちょっと太めだが声はきれい。演出はユダヤのダビデの星を象徴的に見せるような挑発的な処はあるもののゲッツ・フリードリヒにしては比較的穏健な演出でちょっと拍子抜けするほどだ。とはいえマイスター達の中で浮いてるザックスのアウトサイダー的立場やヤモメ暮らしの中年男の悲哀をさりげなく描き込みドラマに奥行きを感じさせる。奇をてらった演出ばかりが能でないこの演出家の職人的な手際のよさが随所に伺える。フリードリヒの代名詞となったDOBのトンネルリングと並ぶ彼の名演出だろう。

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     2011/01/20

    この音源はジーバーベルクの映画の為に録音されたサウンドトラックだが十全なコンディションで作られたスタジオ録音である。CDとして音だけ聴いても素晴らしいものだ。というより映画は酷い出来のようだから(まだ見てないが)むしろ音だけで聴いてる方がハッピーかもしれない。
    私は旧盤の発売当初このCDを一度購入したが誤ってキズつけてしまったので、改めて買い直した。
    それ位気に入ってる。
    「パルジファル」にしてはオーケストラの響きが腰高で明るいのが玉にキズだが、ジョルダンの音楽作りは緻密でスケール感があり音楽運びも荘重である。この録音を聴くと彼が傑出したワーグナー指揮者である事を再確認させられる。歌手もよく揃っており特にロバート・ロイドのグルネマンツは素晴らしい。ホッターを思わせる重厚で彫りの深い歌唱で感銘を受ける。
    主役のライナー・ゴールトベルクはジークフリートの録音では英雄として力不足の感が否めない。しかしこのパルジファルではやや線の細い清澄な声も聖なる愚か者としてはうってつけだ。フレージングも見事。イボンヌ・ミントンのグラマラスなクンドリーも悪くない。クナッパーツブッシュやカラヤン、ブーレーズ等のように強い個性はないが、その分飽きがこない演奏といえるだろう。このオペラの隠れた名演と言ってよいかと思う。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/01/02

    パッパーノの「ボエーム」「トスカ」「三部作」は聴いたが、それほど感心しなかったので「蝶々夫人」もさほど期待してなかったが聴いてみると予想外に素晴らしかった。オーケストラは第一級のアンサンブルとは言いがたいが、非常にドラマッティックかつ熱気の漲った演奏で粗さも気にならない。ゲオルギュウがさほど好きではない歌手だが、ここでは珍しく迫真の歌唱を繰り広げており見直した。カウフマンは他のレビューでもあるように、明らかにピンカートン向けの声ではないし歌い方も荒っぽい。ただそれは彼なりの解釈である。ピンカートンという男は日本の現地妻を捨てて母国に帰る薄情な男なのだ。決して善人ではない。カウフマンはピンカートンを酷薄なエゴイストとして表現している。ただそれはクレバーで興味深いアプローチではあるのの、過去の優れたテノール達の解釈と同列に並べられるものではないのも確かだ。その点で☆一つ減点とした。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/12/16

    カラヤンの数多い録音の中でもベストに推す人も多いとりわけ優れたCDだ。
    カラヤンの「ばら」では旧盤を評価する人も多いが、僕はシュヴァルツコップの押し付けがましいわざとらしい歌唱は好きになれない。
    その点新盤のアンナ・トモワ・シントウはプリマドンナタイプではないが、クセに無い美声と安定した歌唱であり優れたマリシャリンだと思う。
    バルツァのオクタヴィアンとクルト・モルのオックスもとてもいい。
    メインキャストではジャネット・ペリーのみやや聴き劣りするが、ゾフィーは美しいがありきたりな少女の役なので欠点と言うほどではないだろう。
    ただしこのCDの最大の魅力はカラヤンの引き出す極上の音楽に尽きる。
    まるで宝石と黄金だけで仕立てられたまばゆいばかりにゴージャスな音楽の美しさは比類ない。
    3幕もいいがクルト・モルの芸達者ぶりも味わえる2幕のワルツがなんとも素晴らしい。
    僕の持っている初出盤では4枚組だったがその後3枚組になり各幕が途切れなく聴けるようになったのもいい事だ。
    この名盤中の名盤が格安になった機会に、このオペラに興味のある人は是非聴いて欲しいと思う。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/01

    これほどソリストの音楽性とオーケストラがミスマッチな協奏曲も珍しいのではないか?
    ゲルギエフの振るキーロフOは土俗的と思えるほどロシア臭さのぷんぷんする演奏。
    ランランのピアノはテクニックはまずまずだがムードミュージックみたいな薄っぺらで小奇麗なだけの演奏。
    全く木に竹を接いだような・・・ボルシチとチャーハンを一緒に食う奇妙なような組み合わせ。
    それを面白いと思うか何じゃコリャ?と呆れるかでこの演奏の評価は変わるだろう。
    個人的にはあまり頂けないと思ったが、ラフマニノフの場合はプラスに受け取る評価もアリだろう。
    以上はピアノ協奏曲第2番について。
    パガニーニ狂詩曲は特段芸術性や深みのある曲ではないのでランランみたいな能天気な演奏も悪くないと思った。
    ただ酷いのは録音。
    ピアノの音だけオンで取ってるために左端から右端まで低音から高音の鍵盤が並ぶというケッタイな録音をしてる。
    その為ソロが舞台上のオーケストラより巨大な超超大型のドデカイピアノに聞こえるという言語道断のデタラメさ。
    おそらくはポップス系の録音技師なのだろうが、ポップスはこういうめちゃくちゃな録音を平気でやってるのかもしれないが、クラシックでは到底あり得ない。
    天下のDGもここまで酷いエンジニアがいるのかと呆れてしまった。

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     2010/10/30

    ペルゴレージのスターバト・マーテルというとアバド盤を愛聴して来たがこういう演奏を聞くと聞きなれた曲が全く違う曲に生まれ変わったかのような清新な感動を覚える。
    20人ほどの小編成の優美で爽やかな響きが心地よい。
    ただし歌手の表現はややオペラチックでオケの透明感のある音色とは幾分ミスマッチな気もする。
    ボッケリーニの曲は聴くのは全く初めてだと思うがかいい曲だと思った。
    ちなみにソプラノはチェチーリア・ガスティア、メゾはデロレス・ツィーグラー、テノールはウィリアム・マテウッツィである。

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     2010/10/24

    かつてはショルティ盤カラヤン盤とともにベスト盤争いの上位を競ったベーム盤だが、その歴史的意義はすでに過去のものになったように思う。
    世界初スタジオ録音の快挙を成し遂げたショルティ盤、ベルリンフィルというスーパーオーケストラを駆使して独自の音世界を作り上げたカラヤン盤に比べると、史上初のバイロイトの正規録音というベーム盤の価値はカイルベルト盤に奪い去られてしまったからだ。
    歌手も肝心のヴィントガッセンは盛りを過ぎた嗄れ声だしアダムは不安定。
    特にヴィントガッセンはカイルベルト盤のエネルギーの塊のような熱唱に比べるとスタミナ配分を気にしてか終始お疲れムードのやつれた英雄。
    ジェイムズ・キングやニルソンのような全盛期の歌手もいるものの十全なスタジオ録音のショルティ盤の方が優れている。
    ベームの指揮も当時はユニークなものだったのだろうが現在聞くとその後のブーレーズほど斬新でもなく過去の巨匠ほどオーソドックスもない。どっちつかずな中途半端な解釈に思える。
    オーケストラのミスやノイズも多い。
    録音もこの時代にしては篭り気味で、全体的にはカイルベルト盤の方が遥かに聴きやすい音質である。
    とはいえ一世を風靡したヴィーラント演出の最後の輝きを音楽面から支えたベームの業績は決して小さいものではない。
    この時代のバイロイトの息吹を聞き取る事が出来るという意味ではワグネリアンたるもの一度は聴く価値はあろうかと思う。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/10/08

    特別に優れた演奏って訳ではないが値段も安いしオーケストラもメリハリが効いているので退屈しないし録音もいいので初めて買うにはいいと思う。
    歌手はスコウフスはいいけどコヴァルルスキは上手い歌手だが好みが分かれるだろう。
    マイケル・チャンス等も歌ってるが高音テノールのために書かれた曲なのでカウンターテナーだとあまり諧謔味やグロテストさが出てこない。
    もっともテノールのパートは全曲でたった一曲だけだからあまり気にする事もないが。
    スミ・ジョは普通。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/07

    カウフマンの「ローエングリン」は今年のバイロイトで聴いたが非常に素晴らしかった。感動したので映像付きでぜひ観たいと思ったのだが今時DVDしかないというのは理解できない。地デジにも劣る低画質な作品に金出して買う気にならない。ブルーレイで発売して欲しい!

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