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橋本徹の『Haven't We Met?〜Music From Memory』全曲解説

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2015年4月27日 (月)


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美しい音楽の花を束ねるように。音の温もりに記憶の温もりを重ねるように。思い出の花束を贈るように。 「フリー・ソウル」「カフェ・アプレミディ」「メロウ・ビーツ」「音楽のある風景」など多くの人気コンピを手がけてきた橋本徹(SUBURBIA)が監修するレーベル「アプレミディ・レコーズ」が、すべての音楽ファンに贈るメモリアル・ギフト。

ジャズ、ボサノヴァ、ソフト・ロック、メロウ・グルーヴ、シンガー・ソングライター、AOR、ラヴァーズ・ロック、フレンチ、映画音楽……オール・ジャンルの選曲で、季節の移ろいや一日の時間の流れにあわせた極上のグッド・ミュージックを届けてきた「usen for Cafe Apres-midi」の世界観を、カフェ・アプレミディ15周年を記念してCDにコンパイル。 ケニー・ランキン/ビル・エヴァンス/ジョアン・ジルベルト/スミス/オス・ノヴォス・バイアーノスなどの珠玉のカヴァーから絶品のオリジナル曲まで、タイムレスな輝きを放つ至宝が80分にわたって連なる、いつも心に素敵な音楽を、と願う人のハートを穏やかに暖める至福のコンピレイションです。



『音楽のある風景』シリーズ、『チルアウト・メロウ・ビーツ』、『素晴らしきメランコリーの世界』、『サロン・ジャズ・ヴォーカル』シリーズ、『ブルー・モノローグ』、“架空のFM”シリーズなど常に良質なコンピレイションを発表し続けている橋本徹さん監修の「アプレミディ・レコーズ」より、USENの大人気チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」の10周年を記念した『Haven't We Met?』、その姉妹作『Haven' t We Met?〜Sparkle Love Songs』に続く第3弾で、15周年を迎えたカフェ・アプレミディのアニヴァーサリー・コンピとして企画された『Haven't We Met?〜Music From Memory』の登場です。 「美しい音楽の花を束ねるように。音の温もりに記憶の温もりを重ねるように。思い出の花束を贈るように」という選曲コンセプトが掲げられているように、全編にわたり幸福感があふれたハートウォーミングな名作が集められています。そして昨年、渋谷の公園通りからファイヤー通りに移転した、“眺めのいい”カフェ・アプレミディの店内でも流れる、とっておきの名曲たちが瑞々しい季節を彩ります。このコンピはきっと、みなさんの大切な記憶に刻まれることでしょう。もちろんいろいろな場所やシーンのBGMとしても活躍してくれそうですが、ジャケットも素敵なので、大切な人へのプレゼントにもぴったりの作品だと思います。

山本勇樹 (ローソンHMVジャズ担当)



橋本徹の『Haven't We Met?〜Music From Memory』全曲解説

黒字 → 橋本徹 青字 → 山本勇樹 


01.Children's Playsong / Hilde Hefte
オープニングを飾るのは、かつては知る人ぞ知るビル・エヴァンスの名作という感じだったにもかかわらず、今では僕のまわりでは大人気曲となっている「Children’s Playsong」の素晴らしいカヴァー。遠い記憶を呼び起こす、子供たちの遊び声と(素敵なSEでコンピレイションを始めるのが好きなのです)、ノルウェイの女性ジャズ歌手ヒルデ・ヘフテの優しい歌声。ビル・エヴァンスの曲に詩をつけて歌った2001年の名盤『Playsong – The Music Of Bill Evans』からのエントリーだが、彼女は1991年の初アルバム『’Round Chet’s Midnight』でのチェット・ベイカーへのオマージュ、ノルウェイ語でボサノヴァを歌った2003年の『Hildes Bossahefte』も推薦盤。そして何よりも、信頼する日本のレーベルCORE PORTで編まれた、Quiet Corner山本勇樹セレクトによる『Memory Suite』は、僕も「usen for Cafe Apres-midi」の選曲などで、ひどく重宝している。そのタイトルとコンセプトは、今回のコンピ“Music From Memory”と双子の兄弟のようだ(直接的には、ジジ・マシンの編集盤を始め、最近とても素晴らしい企画が続いているオランダの同名レーベルにインスパイアされ、命名したのだが)。


02. It Must Be Love / The Latinos
15年以上の間Free Soulのコンピレイションに収録できたらと考えていたこの曲を、今回収めることができたのはとても嬉しい。一聴してマッキー・フェアリー・バンドやレムリアなどのハワイ産のアイランド・メロウ・グルーヴを連想させる、ブリージン極まりない傑作。LA郊外を拠点としたチカーノ/ブラック混成CCMグループの1981年の同名アルバムからだが、甘いヴォーカルとエレピの絶妙なハーモニー、爽やかなAOR感覚が香る、その瑞々しいブルー・アイド・ソウル・フィーリングに、ビタースウィートな夏の記憶が呼びさまされ胸が疼いてしまう。


03. You And I / Danny Long
続いてはカフェ・アプレミディのCDシリーズに長い間エントリーできたら思っていたピアニスト/シンガーのダニー・ロング。1973年作『Four Sides Of Love』の白眉で、イントロから風が吹き抜けるような、これまた心地よいメロウ・ブリージンな逸品。ベン・シドラン〜ジョージー・フェイムを思わせる洒脱なクルーナー・ジャズ・ヴォーカル+ピアノ・トリオの中にも、フォーキーで爽やかなセンスを感じさせる好感度抜群のナンバー。彼はユセフ・ラティーフでお馴染み「Spartacus」のカヴァーも「usen for Cafe Apres-midi」の大定番になっている。


04. Haven't We Met? / Emilie-Claire Barlow
カナダの女性ジャズ・ヴォーカリスト、エミリー・クレア・バーロウによる、ケニー・ランキンがオリジナルのアプレミディ・クラシックの人気カヴァーです。もうすでに『Haven't We Met?』ではケニー・ランキンがチェスキー・レーベルに残した知られざるセルフ・カヴァー、そして『音楽のある風景〜冬から春へ』ではフランシエン・ファン・タイネン、『Haven't We Met?〜Sparkle Love Songs』ではガブリエル・デュコンブルによる、いずれもロマンティックなヴァージョンが収録されていますが、こちらもイントロのピアノが跳ねる瞬間から、心がときめく魔法にかけられたような魅力があふれています。さらに中盤にはフリーダ・ペインによるソウルフルなヴァージョンもダブルエントリー。実はカナダは他にもダイアナ・パントンやアンジェラ・ガルッポなど、今まで橋本さんも選曲された良質なサロン・ジャズ・ヴォーカルがたくさん眠る宝庫なので、未聴の方はぜひチェックを!


05. Palmeiras / Candeias
イントロを聴くだけで、カフェ・アプレミディを開店して間もなかった1999〜2000年頃の甘酸っぱい記憶がよみがえる、ヨーロッパに渡ったブラジリアン・テイストのアルゼンチン・ジャズ至宝。アグスティン・ペレイラ・ルセーナが在籍し、彼の盟友ギジェルモ・レウテルが率いたカンデイアスの1976年作『Sambaiana』は、掛け値なしに初期アプレミディを代表する一枚だと思う。「Jazz Supreme〜至上のジャズ」という単行本を作っているときに会ったジャザノヴァのメンバーたちが、このアルバムを絶賛していたのも個人的には印象深い。今回は最近プライヴェイトでも仲よくしているCoffee & Cigarettes Bandによるサンプリングでも人気を呼んだ「Palmeiras」をセレクト。


06. Circle Of Friends / Matthias Vogt Trio
ドイツのアコースティック・ジャズ・バンド“Re:Jazz”の中心メンバーであるピアニストのマティアス・フォークトが率いるピアノ・トリオで、こちらは彼らが2006年に発表し出世作にもなった『Changing Colours』に収められたオリジナル曲です。気品がある知性的なアコースティック・ピアノとエレクトリック・ピアノのタッチ、重厚なベース・ライン、繊細なブラシ・ワークが正三角形のような美しい形になる様は、まさにヨーロピアン・ピアノ・トリオの美学ともいえます。以前『Haven't We Met?』にはイタリアの皇帝アントニオ・ファラオが選ばれていたように、やはりリリカルなピアノ・トリオは、ヴォーカル曲が並ぶ全体の選曲の中でも、凛とした特別な存在感を示しているように感じます。


07. Haven't We Met? / Freda Payne
「Cherish What Is Dear To You」「We’ve Got To Find A Way Back To Love」といったFree Soul屈指のキラー・チューンで人気の高い女性ソウル・シンガー、フリーダ・ペインが昨年、我らがケニー・ランキンの「Haven’t We Met?」を艶やかな躍動と共にカヴァーしたのには歓喜した。最初はジャズ歌手としてデビューし、ホーランド=ドジャー=ホーランド作の名曲群によって“インヴィクタスのダイアナ・ロス”として花開いた、輝かしいキャリアをもつ彼女ならではのビッグ・バンド・ジャズ・ヴォーカル・アルバム『Come Back To Me Love』より。


08. A Menina Dança / Catia
リオ出身パリ在住で、ヨーロッパのジャズ〜ボサノヴァ・サーキットを中心に活躍する素晴らしい女性シンガー、カチアのアルバムを3枚プロデュースできたことは、僕にとって2000年代の最もファンタスティックな音楽体験だった。『サウダージ・ドゥ・パリ』『ラ・ヴィ・アン・ローズ』『カチア・カンタ・ジョビン』、そして“リオのジャズ、パリのボサ”をテーマに編んだベスト盤『美しき音楽のある風景〜リオからパリへ』、どれも思い出深すぎて、今こうしてペンを執っているだけで涙が出てきそうだが、今回はまさにサウダージ・グルーヴという感じの甘い躍動感に満ちたオス・ノヴォス・バイアーノスの最高すぎるカヴァーを選んでみた。まさしくフレンチとブラジリアンの幸福な出会いの光景、僕の最も大切な“Music From Memory”。


09. Mill Valley / Miss Abrams And The Strawberry Point 4th Grade Class
数あるチルドレン・ソフト・ロックの中でも、このエイブラムズ先生とストロベリー・ポイント小学校4年生は最高傑作! と声を大にして言いたくなるほど、個人的にもお気に入りの作品です。ラヴィン・スプーンフルを手がけたエリック・ジェイコブセンによる完成度の高いポップ・サウンドと、キュートでイノセントな子どもたちによる歌声が、忘れかけた記憶をよみがえらせます。『Haven' t We Met?〜Sparkle Love Songs』には、同じくラングリー・スクールズ・ミュージック・プロジェクトというチルドレン・ポップスによる感極まるブライアン・ウィルソンの「God Only Knows」の名唱も収録されていました。他にも挙げるならブラディー・バンチやミュリエル・ウィンストンなど、「Suburbia Suite」掲載の“子どもモノ”はどれもチェックです。



10. Moonglow / Priscilla Paris
パリス・シスターズのメンバー、プリシラ・パリスが1969年にひっそりと吹き込み、かつて「Suburbia Suite」の“グラン・クリュ特集”にも取り上げられたビリー・ホリデイ集より、メロウでとろけるような、コケティッシュなミディアム・バラードです。プリシラの吐息まじりの歌声とジミー・ロウルズによる控えめなピアノ・タッチが、シェイド・ランプの温かな灯りに照らされながら静かに揺らめきます。まっすぐに見つめる美ジャケも最高なのですが、僕はこの手の“夜の深い時間が似合う”ジャズ・ヴォーカル盤にめっぽう弱くて、例えばサバービア・マニアにもお馴染みのヘレン・メリルの『ローマのナイト・クラブで』とかアン・バートンの『Blue Burton』とか、親密なムードがただよう作品にもつい手が伸びてしまいます。



11. Valsa (Bebel) / Ithamara Koolax & Juarez Moreira
前曲から親密な女性ヴォーカルの最高の流れですね! 冒頭のビル・エヴァンスやタイトル曲のケニー・ランキンのカヴァーも印象的でしたが、このコンピは、“ジョアン・ジルベルトとワルツ”がひとつ選曲のキーワードになっているようにも思いました。そしてそれを象徴するような慈愛に満ちた曲がこちら。ブラジルのヴォーカリストのイタマラ・コ―ラックスと、ギタリストのフアレス・モレイラが吹き込んだジョアン・ジルベルト・ソングブックから、ジョアンが愛娘ベベウに捧げたワルツ・ボサの名曲カヴァーです。ゆったりとゆりかごが揺れるような心地よさ。実はコンピ『bar buenos aires – Viento, Luz, Agua』にも収められている曲で、女性からも熱烈に支持されるヴァージョンであることも付け加えておきます。ちなみにデヴィッド・ゴードン・トリオによるヴァージョンも橋本さんのレパートリーのひとつ。



12. Please Please Please Let Me Get What I Want / William Fitzsimmons
ウィリアム・フィッツシモンズはイリノイ州出身のシンガー・ソングライターで、過去にアプレミディ・レコーズでは『素晴らしきメランコリーの世界』の「ピアノ&クラシカル・アンビエンス」と「ギター&フォーキー・アンビエンス」、そして昨年の『Folky-Mellow FM 76.4』にも収められた、いわば“良いシーンで良い仕事をこなす”渋い役者のような存在でもあります。個人的にも大好きなアーティストの一人で、僭越ながら昨年末に発売された『Quiet Corner - a collection of sensitive music』にも「Hold On」をエントリーさせています。この曲はそんな彼が2011年にザ・スミスのトリビュート・アルバム『Please, Please, Please: A Tribute To The Smiths』に吹き込んだ、繊細な心の模様を写したようなメランコリックなカヴァーです。そしてこの曲が2分にも満たないまま終わってしまうところも、なんとも儚く切ないのです。



13. ¿Seras Verdad? / Quique Sinesi feat. Carlos Aguirre
ウィリアム・フィッツシモンズからキケ・シネシ&カルロス・アギーレへ。個人的にはこの曲を聴くと、2009年から2010年にかけて、橋本さんが“心の調律師のような音楽”をテーマに編んだ『美しき音楽のある風景〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』や、彼らの作品を大きく展開したHMV渋谷店の閉店の頃を思い出してしまいますが、まさに“音の温もりに記憶の温もりを重ねるように”、今再び心の奥にじんわり染み入ります。風を運ぶようなキケのギターと水のきらめきのようなアギーレのピアノが、音楽のもつ純粋な美しさを見事に表しているようで、この曲を聴くたびに、音楽がもたらす奇跡を信じたくなります。そしてこの輝きが、続くビルド・アン・アークと重なるとき、さらに辺りは静かに音楽の光で包みこまれます。



14. Love, Sweet Like Sugar Cane (DNTEL Remix) / Build An Ark
LAを拠点にスピリチュアル・ジャズの現代的解釈を推し進めていったビルド・アン・アークのカルロス・ニーニョは、僕がこの10年、最も同時代的なシンパシーを感じていたアーティストだ(それはサン・ラやファラオ・サンダースからマイケル・ホワイトやヴァン・モリソンまでのカヴァー・レパートリーを見ても明らかだろう)。彼を中心とするコレクティヴ/コミュニティーから生みだされた愛聴盤は本当に枚挙に暇がないが(その精粋は僕のコンピレイションにも順次セレクトさせてもらっているし、カルロス・ニーニョには「Jazz Supreme〜至上のジャズ」にも寄稿してもらった)、最近の彼らはアンビエント〜チルアウト・ミュージックへの傾倒が著しく、このビルド・アン・アーク10周年記念盤『The Stars Are Singing Too』に収められたDNTELによるリミックスは、その最も美しい結実とも言えると思う。そしてもちろん、ピースフルでビューティフルな世界観に充たされたその音楽性が、僕のSuburbia Records第1弾となる最新コンピ『Good Mellows For Seaside Weekend』と激しく共振・交感するものであることも、付け加えておこう。



15. Of The Periphery / HiM
続いても『Good Mellows For Seaside Weekend』とかなり親和性の高い、トータス周辺のシカゴ勢が参加した、ドラマーのダグ・シャーリンによるユニットの決定的な名作を。メディテイティヴなパーカッションとベースのループ、スピリチュアル&サウダージなホーンが、まさに中毒的な気持ちよさ。トミー・ゲレロのプロモ・クリップでも知られるトーマス・キャンベル監督の最高のサーフ・ムーヴィー『スプラウト』で、この曲が流れるシーンの映像と音楽のマッチングは、官能的と言っていいほどだったのが忘れられない。



16. Le Vol d'Icare / Simon Dalmais
ビーチ・ボーイズ『Friends』とベン・ワット『North Marine Drive』を結ぶような“青”のアルバム、と絶賛されたフランスの名シンガー・ソングライター、シモン・ダルメの2012年のデビュー作『The Songs Remain』からのセレクション。夕暮れの海や夏の終わりが似合う正真正銘の名盤だが、山本勇樹・監修のディスクガイド「クワイエット・コーナー 心を静める音楽集」の“Conversations With Myself”という章で、扉を飾るアーティストに選ばれていたのは嬉しかった。僕は以前にも『Seaside FM 80.4』に「Moving To Town」を選曲していて、そのときの解説では、ブルー・ナイルのポール・ブキャナンのソロ作『Mid Air』の昼間版、曇り空が似合うガル&カエターノ『Domingo』の木もれ陽ヴァージョン、と著している。



17. Ellingtoniana / Guinga
ギタリスト大国のブラジルの中でも屈指の技術と才能をもったギンガが、2014年に発表した『Roendopinho』はとにかく絶品の内容で、橋本さんと渋谷のBar Musicでお会いした際にも、「ギンガ、最高だよね! 美味いコーヒーを飲みたくなる音楽」と言われていたのがとても印象的でした。中でもデューク・エリントンに捧げられたと思しきこの曲は、極めてシンプルな演奏の中にも、大らかで豊かな表情が浮かび上がる、まるで深いコクのあるコーヒーのような味わい。そしてフランソワ・ド・ルーベやゲイリー・マクファーランドにも通じる、哀愁ただよう口笛が、切なさの中に光を見つけるようなポジティヴな輝きを放っています。



18. Nza (The Universe Created Itself) / Tiganá Santana
“アフロ・ブラジリアンのニック・ドレイク”という異名をもつチガナ・サンタナは、僕が単行本「クワイエット・コーナー」のコラムで大絶賛した、唯一無二の個性をもつブラジル・バイーア出身の男性シンガー・ソングライター。美しく内省的な翳りを帯びた、深い陰影と情感に富んだ歌声は、テリー・キャリアーやジョン・ルシアンを愛するFree Soulファンにも、カルロス・アギーレやアグスティン・ペレイラ・ルセーナを愛する“素晴らしきメランコリーの世界”のファンにも薦めたい、スピリチュアル・フォークロアという趣き。シモン・ダルメと共に、アプレミディ・レコーズを代表するアーティストと考えているので、最新アルバム『Tempo & Magma』が、音楽専門誌などで“2015年ベスト候補”と高評価を受けているのが嬉しい(そうした追い風もあるのか、今夏に待望の初来日ライヴも決定しました)。ここに選んだ「Nza」は、そのオープニングに置かれた僕が愛してやまない一曲で、サンパウロ出身の女性シンガー・ソングライター、セウの歌声にも強く惹かれる。“これはまさしくブラジルとアフリカの架け橋で、人類のための子守歌のようにも思える”(渡辺亨)というライナーに著された言葉が、すべてを語っていると思う。僕は前作の『The Invention Of Colour』も愛聴していて、その中から「Lusuki」も『Folky-Mellow FM 76.4』にセレクトしている。



19. Bahia Com H / Renato Braz - Nailor Proveta - Edson Alves
さきほどのイタマラ・コ―ラックスとフアレス・モレイラと並んで素晴らしい、昨年発表されたヘナート・ブラスによるジョアン・ジルベルト・トリビュート、その名も『Silencio』に収められたジョアンの名レパートリー。ジョアンがかつてカエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルと共に録音した珠玉の名作『Brasil』に収められていた一曲でもあります。ここではエドソン・アルヴェスのギターと、ナイロール・プロヴェッタのサックスを迎えて、室内楽風のアレンジメントに仕上げられています。このコンピは、まるで最後のこの曲に導かれるようにして曲が繋がっていき、様々な記憶が折り重なりながら、橋本さんのジョアンに対する想いが改めて描かれたような気がしました。そして僕たちリスナーのジョアンに対する気持ちも、このコンピを通して共有できるような、本当に素敵な演出がこめられた選曲だと思います。



プロフィール

橋本徹 (SUBURBIA)

編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。サバービア・ファクトリー主宰。渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは270枚を越える。USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。




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    発売日:2009年12月17日


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  • 音楽のある風景〜秋から冬へ〜

    CD コレクション

    音楽のある風景〜秋から冬へ〜

    価格(税込) : ¥2,515
    会員価格(税込) : ¥2,313
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,139

    発売日:2009年09月17日


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  • 音楽のある風景〜夏から秋へ〜

    CD コレクション

    音楽のある風景〜夏から秋へ〜

    価格(税込) : ¥2,515
    会員価格(税込) : ¥2,313
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,139

    発売日:2009年06月25日


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  • 音楽のある風景〜春から夏へ〜

    CD コレクション

    音楽のある風景〜春から夏へ〜

    価格(税込) : ¥2,515
    会員価格(税込) : ¥2,313
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,139

    発売日:2009年03月26日


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洋楽3点で最大30%オフ このアイコンの商品は、 洋楽3点で最大30%オフ 対象商品です

アプレミディ・レコーズ・アーティスト・シリーズ

  • Tempo & Magma

    CD

    Tempo & Magma

    Tigana Santana

    価格(税込) : ¥2,970
    会員価格(税込) : ¥2,732
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,524

    発売日:2015年01月25日


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  • Before And After

    CD

    Before And After

    Simon Dalmais

    ユーザー評価 : 3点 (1件のレビュー)
    ★★★☆☆

    価格(税込) : ¥2,530
    会員価格(税込) : ¥2,328

    発売日:2014年10月23日


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  • Plays The Stephen Parkinson Songbook

    CD

    Plays The Stephen Parkinson Songbook

    The Ryan Driver Quintet

    価格(税込) : ¥2,420
    会員価格(税込) : ¥2,226
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,057

    発売日:2014年06月22日


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  • Invention Of Colour

    CD 紙ジャケ

    Invention Of Colour

    Tigana Santana

    価格(税込) : ¥2,640
    会員価格(税込) : ¥2,429
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,244

    発売日:2014年04月27日


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  • Lovers & Dub Classics

    CD

    Lovers & Dub Classics

    The Decoders

    価格(税込) : ¥2,420
    会員価格(税込) : ¥2,226
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,057

    発売日:2013年08月08日


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  • Songs Remain

    CD 紙ジャケ

    Songs Remain

    Simon Dalmais

    価格(税込) : ¥2,515

    発売日:2012年08月12日


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  • Lui

    CD 限定盤

    Lui

    Lui

    ユーザー評価 : 3点 (1件のレビュー)
    ★★★☆☆

    価格(税込) : ¥2,515
    会員価格(税込) : ¥2,313

    発売日:2010年08月05日


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  • Crema

    CD

    Crema

    Carlos Aguirre Grupo

    ユーザー評価 : 5点 (2件のレビュー)
    ★★★★★

    価格(税込) : ¥2,750
    会員価格(税込) : ¥2,530

    発売日:2010年07月22日


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クワイエット・コーナー関連

  • クワイエット・コーナー 心を静める音楽集

    本

    クワイエット・コーナー 心を静める音楽集

    山本勇樹

    ユーザー評価 : 4点 (1件のレビュー)
    ★★★★☆

    価格(税込) : ¥1,870

    発行年月:2014年11月


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  • Quiet Corner -A Collection Of Intimate Music

    CD コレクション

    Quiet Corner -A Collection Of Intimate Music

    価格(税込) : ¥2,420
    会員価格(税込) : ¥2,226
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,057

    発売日:2015年04月29日


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  • Quiet Corner -A Collection Of Sensitive Music

    CD

    Quiet Corner -A Collection Of Sensitive Music

    価格(税込) : ¥2,420
    会員価格(税込) : ¥2,226
    まとめ買い価格(税込) : ¥2,057

    発売日:2014年11月30日


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  • Memory Suite 【Loppi・HMV限定盤】

    CD

    Memory Suite 【Loppi・HMV限定盤】

    Hilde Hefte

    価格(税込) : ¥2,037
    会員価格(税込) : ¥1,874
    まとめ買い価格(税込) : ¥1,732

    発売日:2014年06月28日


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