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シノーポリ&イスラエル・フィル/英雄

2012年6月11日 (月)

シノーポリ指揮イスラエル・フィル
ベートーヴェンの『英雄』
ラヴェル『高雅で感傷的なワルツ』


大物バーンスタインによるマーラー:交響曲第9番のサプライズ登場で「ライヴ音源の金脈」として俄かにクローズアップされつつある「Helicon Classics」に、こんどはシノーポリ[1946-2001]が登場。イスラエル・フィルを指揮して、ベートーヴェンの『エロイカ』を演奏した注目の内容です。

【シノーポリによるベートーヴェンの『エロイカ』】
マーラーをはじめ、プッチーニやR.シュトラウスなど、シノーポリは後期ロマン派から近現代にかけての管弦楽曲ならびにオペラを得意としたことで知られ、事実、そのあたりのディスコグラフィも充実していますが、どういうわけか古典派のレパートリーを正規のレコーディングで取り上げた例はごくわずかしかなく、ベートーヴェンも例外ではありません。
 シノーポリによるベートーヴェンの交響曲といえば、1996年3月にゼンパーオーパーでシュターツカペレ・ドレスデンを指揮して「第9番」をライヴ録音したアルバムと、シノーポリ最後の日本公演となった2000年1月に東京・NHKホールで、やはりシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した「第9番」のライヴ映像作品があったくらいなので、イスラエル・フィルとの『エロイカ』は、広く歓迎されるところといえるでしょう。
 交響曲史上、規模・内容ともに画期的な作品として位置づけられる『エロイカ』に対して、シノーポリによるマーラーやプッチーニの演奏に顕著な、明晰でありながら、極端なテンポ・ルバートが生み出す劇的なアプローチが、たとえば名高い葬送行進曲における慟哭表現や、手の込んだ変奏曲形式で書かれたフィナーレの扱いなどにどのように反映されているのかにも注目したいところです。

【キャリア充実期のシノーポリによる注目ライヴ】
このたび登場する『エロイカ』の収録は1993年10月におこなわれています。シノーポリにとって、1984年以来のフィルハーモニア管首席指揮者のキャリアも仕上げの段階に差し掛かり、重要プロジェクトであったマーラーの交響曲シリーズも、この年の12月に第9番を録音、翌1994年1月、2月に控える第3番でようやく完成という、大詰めの時期を迎えていました。
 いっぽうで、前年の1992年に首席指揮者に就任したシュターツカペレ・ドレスデンとは、シューマンの交響曲全曲録音を完成するなど、まさしく新天地での活動に燃えていた時期でもありました。

【高雅にして感傷的なワルツ】
シューベルトのワルツをモチーフに着手された『高雅にして感傷的なワルツ』は、結果として和声法の限界点にまで接近したラヴェルの進歩的傑作。シノーポリはこの作品を1989年12月にニューヨーク・フィルとセッション録音していたので、これが2種目の録音ということになりますが、全曲の演奏時間について、ニューヨーク・フィルとの18分48秒に対して、イスラエル・フィルとの演奏では17分17秒と、およそ1分半、10パーセントほど速くなっています。
 テンポ・表情の指定から8つの部分からなり、移ろうように刻刻と姿を変えゆく内容は、濃密なカンタービレを持ち味とし、主情的な踏み込みも辞さないシノーポリの個性がよく映える演目といえそうです。(キングインターナショナル)

【収録情報】
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』
・ラヴェル:高雅にして感傷的なワルツ

 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)

 録音時期:1993年10月28日
 録音場所:テルアビブ、マン・オーディトリアム
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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