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セロ さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/04/02

    私が待望していたメジューエワのシューベルトの18番以降のピアノソナタ。メジューエワの演奏する18番の世界は、リヒテルやアファナシエフのそれでもなく、またケンプやピリスのそれでもない。それは、まさにメジューエワの独自のシューベルトであるとともに、これこそが作曲家の魂から出た音楽であることを聴き取れる。第1楽章の第2主題は速めのテンポでピアニスティックな特徴を活かし、そこからの「死の淵」とも言える運命的・衝撃的な展開部に自然に移っていくあたりは、私が別格に愛聴してきたリヒテル(67年ライブ)のそれとは違っている。しかも、その垣間見せる「死の淵」の深み・凄みは、リヒテル同様にダイナミックである。いずれにしても、このソナタ18番は、リヒテル盤に勝るとも劣らない別格の最高の演奏である。即興曲op.90も端正で引き締まった演奏であるが、情感は豊かである。考えるに、メジューエワの音楽は、ベートーヴェンのソナタの連続演奏以降、一段と研ぎ澄まされて来ていると思われる。これは、音楽に仕える自己に大変厳しい人だからこそか?今後、シューベルトのソナタ20・21番も多いに期待したい。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/27

    このCDが手元に届いて2日後に今回の大震災が起こりました。大震災発生後、テレビで次々に映し出される余りにも悲惨なありさまを目にして、音楽を聴くにならず、2週間が経った昨日やっとこのCDの「子供の情景」と、同時発売になったシューベルトのソナタ18番を聴きました。
    メジューエワの「子供の情景」は10年ぶりの再録音ですが、前録音も私にとってはケンプやピルスのそれと並んで大切なCDでした。私の場合、良し悪しは別にして第1曲の「見知らぬ国より」で好き好きが決まってしまいます。無垢な少年又は少女が、住み慣れた故郷を後にして、「見知らぬ土地」に移り住んでいく行程で抱く見知らぬ土地への「憧憬と不安」が交差する子供なりの複雑な心情が淡く感じ取れるかどうか?今回のメジューエワの演奏は、こういった心情がよく感じられる。もっとも前録音と比べて、基本的にテンポは少し早くなっているものの、敢えてドイツロマン派を意識し過ぎることなく、古典派からの継承性・連続性を大切した新しい時代を切り開く最高の演奏ではないだろうか。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/23

    これまで私はソナタ第3番に関しては、主としてアシュケナージのCDを好んで聴いてきました(他のアシュケナージの弾くショパンの曲はほとんど聴かないのに)。
    でも、今回のCD(メジューエワさんの演奏)は、他の演奏と比較にならないほどショパンの心の深い綾を感じました。例えば、3楽章ラルゴのホ長調の中間部、サンドとの語らい、あるいはサンドとの幸福な生活を表現しているという解説が一部にありますが、私は以前からこの説には否定的でした。この短調的要素を秘めたホ長調の中間部は、パリ郊外ノアンの別荘の2階窓越しに、月の光に照らされたノアン周辺の初秋の自然を眺めながら、ショパンは故郷ポーランドの自然を、なつかしさと共に帰郷がかなわない切なさ(悲痛)が交差する心境で、思い浮かべていたのではないでしょうか。
    今回のメジューエワさんの演奏から、さらにその思いを抱きました。
    いずれにしても、メジューエワさんには勿論のこと、彼女の演奏を私たちに提供して下さる若林工房さんにも、敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。ベートーヴェン、ショパンの次は、是非シューベルトのソナタ18〜21番(21番はライブCDはありましたが)を。急ぎませんからお願いします。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/15

    大変深みのある良い演奏です。私はこの曲に関しては、エッシェンバッハとメジューエワ、そしてこの田部京子の3人の録音が好きです。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/23

    メジューエワは、楽譜を媒介にして作曲家の心の奥底にある魂を即座に自らの魂とし、それを高度なテクニックでもって表現できる真の芸術家である。並行して録音したベートーヴェンとショパンの録音は双方ともすばらしい演奏であるが、特に前者の30番、31番のソナタとこのショパンのノクターンは、これまでに多くのピアニストの録音を聴いてきたが、それぞれトップクラスものだ。今回のノクターンは、40年ほど前にサンソン・フランソワのレコードを初めて聴いたとき以来の身震いを感じた。それにしても、このようなピアニストと同じ国に暮らしていることは、まさに奇跡に近い。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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