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WM-102 さんのレビュー一覧 

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     2021/03/03

    作詞作曲のほぼすべてが
    ジェリー・ゴフィンとキングの共作です。ひさしぶりにきいて「いいアルバム
    だなあ」としみじみ思い、このヒットメーカーコンビのすごさを実感しました。

    歌も演奏も派手なところはありません。しかし、ロックンロールあり、
    切々としたピアノ引き語りあり、ソウルフルな曲などなど秀作ぞろいです。
    1曲目「Spaceship Races」は力強いドラムにのってキングがはつらつと
    歌うオープニングにふさわしい曲です。2曲目「No Easy Way Down」は
    「ナチュラル・ウーマン」に似た進行ですが、それだけ名曲度が高い。
    3曲目「Child Of Mine」はアコースティック・ギターとキングのピアノに
    合わせて切々と歌います。
    5曲目「To Love」はカントリータッチでも楽しい曲です。6曲目「What Have
    You Got To Lose」はピアノをアクセントにして起伏に富んだ展開がとても
    ロック。キングの声も伸びやかで、70年代後半のAORにも影響を与えて
    いそうです。
    8曲目「Raspberry Jam」はジャズギター、複雑なオルガンプイなどこれは1970年の
    音楽シーンをキングなりに反映した、やはりロックな曲です。
    最後は名曲中の名曲「Up On The Roof」。

    全体を通して、キングの歌のうまさと多彩さにしびれました。そして
    「つづれ織り」だけではないキングの魅力にも改めてうなりました。

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     2021/03/03

    アラン・パーソンズが2019年に発表した久しぶりのスタジオアルバムです。
    さすが、手堅い作りで水準以上のロック作品になっています。録音もよく、
    しっかり聞くといろいろな音が有機的に聞こえてきます。

    全体的にシリアスな曲の方に魅力があります。
    2曲目「Miracle」はパーソンズが得意とするリフを中心にして、
    サビから乾燥のスリリングな展開がいいです。
    また、オーケストラとの共演曲が多いく、特に4曲目「One Note Symphony」
    はプログレな展開で、70年代のファンへのパーソンズからのプレゼントのよう
    です。
    5曲目「Sometimes」はアルバム中一番話題になりそうな、ボーカルに
    ルー・グラムを迎えての曲。ミディアムテンポでグラムの情熱的な歌唱、
    弦楽団の奥行きの深さなど、壮大な曲です。なお、オーケストラアレンジは
    パーソンズがやっていて、このあたりもさすがです。
    6曲目「Soire’e Fantastique」はトッド・クーパーとパーソンズのダブルボーカル
    です。私はパーソンズのボーカルはあまり好きではありませんが、穏やかな
    演奏の中、クーパーとパーソンズの声質をいかした掛け合いと美しいコーラスが
    とてもよいです。
    10曲目「The Limelight Fades Away」は、ジョーダン・ハフマンの澄んだボーカル
    と泣きのギターを前面に出した、4分程度ながらパーソンズらしいポップさとロック感
    を融合させたこれまたよい曲です。

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     2021/03/03

    現職総理大臣の孫娘が誘拐されるという、前代未聞の犯罪が
    描かれています。この誘拐事件の進行は、現在テレビで放送されている
    「24 JAPAN」のようなリアルタイムでの進行を見ているかのようです。
    この作品、犯人とその動機が最初から明確です。また、読者、特に
    普通の会社員なら犯人に感情移入せざるを得ません。ですので、
    読者としては誘拐事件をどのように達成するかを見守る立場に
    なります。
    しかし、犯人の動機と、犯人がターゲットにした総理大臣が一致せず、
    これに気が付いた方は、前半部分からさらに深い読みができる
    ようになっています。ちなみに私は全く分かりませんでした。
    また、総理大臣の悪役ぶりもしっかり描かれています。はっきり
    と書けば、新自由主義の権化のような人です。
    果たして誘拐事件は成功するのか、言葉は悪いですが、
    あくまでもエンターテイメント作品として犯人と一緒に楽しめる
    作品になっています。

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     2021/03/03

    2009年の作品です。兄と妹、兄と弟の2組のきょうだいが
    主役になる物語です。
    それぞれの秘めた思いやり、この「秘めた」という箇所が
    物語のキーに、そして悲劇を超える結末につながります。
    もうひとつ、「すれ違い」が需要な要素になります。
    これらほんの少しの「ずれ」が大きな物語を導く、道尾先生の
    手腕が光る作品です。
    また、ミステリー作品としてもよく練られていて、「大雨」
    という背景の中、真犯人についてもその動機についても、作者が
    伏線をはっているにも関わらず見事に騙されます。
    そして、作中で主人公たちに差し伸べられる手に、ここに
    道尾先生の思いがあるのかもしれませんが、やはり感動します。

    私は道尾先生の作品は割と早くから読んでいました。当時から
    好きでしたが、この「龍神の雨」や前後して発表された「カラスの
    親指」、「ラットマン」あたりで完全にとりこになりました。
    今でも好きですし、そして思い出深い作品です。

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     2021/03/03

    バーチャル・リアリティ(VR)を舞台にしていますが、なんと1989年の作品です。
    この小説のすごいところは、今読んでも全く古さを感じないところです。
    それどころか、はじめて読んだ時以上にリアリティをもって迫ってきます。
    お話は、主人公であるゲーム作家が自身の作品が新型ゲームの原作に
    採用されるところから始まります。このあとすぐにヒロインも登場し、
    ヒロインとの甘酸っぱい展開を置きつつ読者を引きつけます。
    しかし、その後はVRを巡る混乱が待ち受けています。
    作者の岡嶋二人が2人の作家による合作で、そのうちの1人である井上夢人
    先生はダークな作風があると思っています。この作品も、後の井上作品に
    通じるものを感じました。
    私はこの小説を何度か読み直しています。そのたびに「VR」の仕掛けが、
    私自身にも張り巡らされているような気になるのです。

    ところで、この作品を読んだきっかけは、NHKが十数年ぶりに復活させた
    「少年ドラマシリーズ」の原作として採用されたことでした。少年ドラマ
    シリーズと言えばSF、原作して申し分ありません。原作もドラマも、
    とてもおもしろかったです。

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     2021/03/03

    20118年に発表されたクラプトン初のクリスマスアルバムです。
    正直なところ、2006年のJJケイルとの共作「ザ・ロード・トゥ・エスコンディード」
    以降のスタジオ作品は、いくらなんでも枯れすぎで、ちょっと敬遠していました。
    今作もほとんどブルースです。しかし、クリスマスということも
    あってか、さほど暗さをや枯れを感じません。ネイサン・イースト、
    ジム・ケルトナー、ドイル・ブラムホール2世といったおなじみの
    面々による演奏も温かみがあります。
    そして、クラプトンの歌のうまさを改めて実感しました。ロック調
    の曲はない分、歌声に集中することができます。1曲だけ、ミドル
    テンポのロック曲があるのもうれしいです。クラプトンのボーカル
    もうなっています。
    できれば、次のスタジオ作品もこれくらいの雰囲気で作ってほしいと
    思います。

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     2021/03/03

    パックが1982年まで在籍していたアンブロージアと異なり、明確なAOR路線に
    なっています。
    聞きどころは2曲目「I Just Can’t Let Go」に尽きます。パックの手になる美しい
    メロディーラインに、パックのハイトーンのボーカル、そして盟友マイケル・マクドナルドと
    ジェイムス・イングラムが鉄壁のコーラスをつけます。この曲を世に送り出した
    だけでも、パックの功績は計り知れません。

    アルバムを通してサウンドは80年代全開で、ベースやドラムなどリズムの音に顕著です。
    4曲目「My Baby」や5曲目「That Girl Is Gone」は、特に80年代型AORを
    感じます。
    また、6曲目「She Don’t (Come Around Anymore)」は、かつて在籍していた
    アンブロージア的なハードなロックでうれしくなります。パックのリード
    ボーカルとマクドナルドのコーラスがサビでからむところがスリリングです。
    ギタリストとしてのパックは1曲目「Anywhere You Go」でハードなリフと
    メロディアスなソロを聞かせます。

    ゲストミュージシャンにはマクドナルド、イングラムのほか、カンサスのケリー・リブグレン、
    TOTOのマイク・ポーカロとジェフ・ポーカロ、ロイス・ジョーンズなどなど
    書ききれないくらい豪華です。こういう「クレジット買い」に耐えうるところも、
    「AORの名盤の証」といえます。

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     2021/03/03

    トム・ジョンストンを中心にした「The Captain & Me」時代のメンバーが
    終結しています。そして何より素晴らしいのは、70年代ドゥービーの特徴
    であるコーラスワークをふんだんに取り入れているところです。80年代の
    終わりにあって、自らの強みを再確認したアルバムと言えるでしょう。

    1曲目「The Doctor」は名曲「China Grove」を再現、2曲目「One Chain」
    はカバー曲ながら、力強いホーンセクションにのってトムがソウルフルに
    歌います。ボビー・ラカインドのパーカッションもリズムに厚みを与えています。
    私はこの2曲でスタートするドゥービーのライブを、今でも観たいと思って
    います。

    このアルバムは、70年代半ばにリタイアしたトムの復調も注目されました。
    そんな心配を吹き飛ばすかのように、トムは快調に歌っています。熱気あふれる
    4曲目「South Of The Border」や9曲目「Wrong Number」では高音の
    伸びも披露します。

    もう1人のリーダーであるパット・シモンズはハードロックな一面を
    担っています。トムが守旧派の音ならパットが新しい試みをしており、
    この2面性が作品を成功させています。3曲目「Take Me To The Highway」
    はハードな音の中にパットを中心にしたコーラスが光ります。7曲目
    「I Can Read Your Mind」はパットらしいピッチの速いロックです。

    そして6曲目「Need A Little Taste Of Love」は、カバーを自分たちの
    曲にしてしまうドゥービーの伝統が強く出た曲。ギターのリフ、コーラス、
    どれをとってもドゥービーらしさにあふれています。

    この作品からドゥービーの新しい歴史が始まりました。個人的にも
    思い出深い作品です。

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     2021/03/03

    2017年から2020年までの連載マンガを収録しています。
    益田先生のここ最近のコミックエッセイは少々暗めでしたが、
    この作品は久しぶりにクスクス笑えました。
    旅先や近所のおいしいものを紹介するときに、グルメ用語を全く
    使わずにおいしさを伝えるところがよかったです。

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     2021/03/03

    ユーモアお仕事小説で定評のある
    山本先生の最新作、今回は社会人一歩手前の義肢装具士をめざす専門学校生3人組
    が主人公です。
    義肢を扱うので障害のある人が大勢出てきます。簡単にいってしまうと語弊があるかも
    しれませんが、とてもよかったです。
    前半は、その専門学校での実習が中心です。主人公たちの様々な義肢製作への思いは、
    社会人としてすれてしまった私にはとてもまぶしく感じられます。
    後半は主人公の1人が義肢製作会社で実習するところが描かれます。この主人公は
    一度社会人を経験しているため、思い悩む箇所にはうなずけるところがありました。

    山本先生の作品には、たまに前半は少々間延びして後半にぐっとおもしろくなる
    ものがあります。この作品もそれかなと思っていました。しかし、山場らしい
    山場がなかなか現れません。前作「あたしの拳が吼えるんだ」がおもしろすぎました
    ので、評価が辛くなっているのかと思っていたら、最後の最後にやられました。
    そして、登場人物には「山本幸久オールスターズ」とも呼べる、他の作品からの
    ゲストキャラクターが大挙出演します。
    繰り返しになりますが、とてもよい作品でした。

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     2021/03/03

    ミレニウムはバンド形態をとっていますが、実際にはボーカルとプロデュースを担当する
    カート・ベッチャーを中心にしたレコーディングユニットです。フルアルバムとしては1968年発表のこの1枚しかありません。
    しかし、ソフトロックを代表する1枚です。
    ベッチャーの他には、リー・マロリーやジョーイ・ステック、サンディ・ソールスベリー
    といった人がボーカル担当で参加しています。
    アルバムはハープシーコードを中心にしたきらびやかなインスト曲「Prelude」から始まります。
    そのまま2曲目「To Claudia On Thursday」へ。コーラスがもたらる高揚感に驚かされます。

    ソフトロックらしい穏やかな曲は4曲目「5 A.M.」や6曲目「The Island」などがあります。
    これに陰影の深さを与えているのが3曲目「I Just Want To Be Your Friend」あたりでしょうか。
    5曲目「I’m With You」の高音を駆使したコーラスワークもすごいです。
    ロックな曲もあります。7曲目「Sing To Me」や10曲目「It Won’t Always Be The Same」です。
    これらの曲では意外とベースやドラムがメリハリのある音を出しています。また11曲目「The Know It All」
    はエレキギターがうなり、トランペットが焦燥感を演出、これと併走するコーラスもキレています。

    この後は、ベッチャーの趣味になります。12曲目「Karmic Dream Sequence #1」の後半から
    一気に混沌の世界へ。13曲目「There Is Nothing More To Say」でベッチャーが高音でドラマチック
    に歌い、14曲目「Anthem」はテープの逆回転や大仰なコーラスを前面に出します。もはやアバンギャルドの域です。

    この作品はポップな曲で構成されています。
    これを、多重録音を重ねた複雑なコーラスワークで彩っています。またシンプルな楽器編成と
    演奏をこれまた複雑に録音することによってかなり先鋭的なものがみられます。これら相反する
    要素を持つことが、現代でも名前を残す結果につながったのではないかと思います。

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     2021/03/03

    前作「Reckless」(1984年)で人気の頂点にたったアダムスが次に
    発表したのは、「Reckless」と全く異なる作品でした。キャッチーな
    曲がありません。多くのファンが戸惑い、収録曲は滅多にライブで演奏され
    ません。アダムスの長いキャリアの中でも異色作と言えます。

    しかし、私はアダムスのアルバムの中ではこれが1番好きです。
    アダムスの力みというか、「ティーンエイジャー向けのロックンロールは
    もう卒業」という決意が伝わってきます。硬派な演奏と歌詞が
    とてもかっこいいです。
    また、リードギターとサイドギターを明確にわけており、この音色が
    とてもかっこいいです。力強いドラムとベースの演奏、オルガンの
    疾走感など、演奏面での成長と充実が見られます。
    そして、アダムスが世界的なミュージシャンになる足がかりとなった
    ジム・ヴァランスとの共作チーム最後の作品でもあります。

    1曲目「Heat Of The Night」は重苦しい雰囲気が立ちこめています。
    そしてドラムの強いビートと、ギターソロの後に何度も繰り返される
    サビが焦燥感を煽ります。「Into The Fire」の幕開けにふさわしい名曲です。
    2曲目はタイトル曲。ザクザクとしたリズムギターをバックにリードギターが
    鋭く切り込み、アダムスが緩急つけてある種の決意を歌い上げます。
    4曲目「Another Day」は割とライブで盛り上がりそうな曲ですが、歌詞が
    硬派すぎます。しかし、ギター中心の演奏とアダムスのボーカルはゴキゲンです。

    5曲目「Native Son」は、これまでのアダムスにはなかった新境地です。
    生まれ故郷の大地とその歴史を歌っています。乾いたカウベルの音色、
    抑制の効いたギター、前半は抑え気味に、後半で一気に熱くなる
    アダムスのボーカルが素晴らしい名曲です。

    6曲目「Only The Strong Survive」は、アップテンポでわかりやすいロックン
    ロール。アダムスのザ・フー好きも伝わってきます。8曲目「Remembrance Day」
    はベースが太くうなり、やはり故郷の歴史を歌っています。9曲目「Hearts On Fire」
    はイントロからワクワクする楽しいロック。ヘヴィな雰囲気のアルバムの中で、
    浮いてしまうことなくよいアクセントになるのは、アダムストバンドの
    力量でしょう。
    そして最後の「Home Again」はバラードタイプですが、甘ったるさが全く
    ありません。渋く、そしてドラマチックです。アダムスのバラード曲
    の中では最も好きです。

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     2021/03/03

    ブルースカバー作品が続いていましたが、再び「Reptile」(2001年)の
    路線に戻り、収録曲はバラエティに富んでいます。

    1曲目「So Tired」は朗々と歌うクラプトンと楽しい音色のギター、これをブラス隊が
    華やかに彩ります。親馬鹿ノロケソングな歌詞で、ある意味クラプトンがこういう
    のを歌うとほっとします。
    クラプトン自身はこの作品を気に入っていたと思うのですが、続くライブツアーで
    演奏されたのは、多分この曲と7曲目「Lost and Found」だけです。その「Lost and Found」
    は太いギターのリフがうなる、クラプトンらしいロックなブルースです。ザビで女性
    コーラスが入るところもいいですね。私はいつもこういう曲を期待しているのですが。
    3曲目「I’m Going Left」はスティービー・ワンダーの曲で、力強くそして
    流れるようなギターソロは、久しぶりに80年代のロック型クラプトンがよみがえっています。
    10曲目「One Track Mind」
    はアンプラグドテイストをもとにポップに仕上げています。11曲目「 Run Home to Me」
    はソウルミュージックやゴスペルを彷彿させます。

    そして6曲目「Love Comes to Everyone」はジョージ・ハリスンのカバーで、この
    アルバムのハイライトです。盟友スティーブ・ウィンウッドもオルガンで参加、情感
    たっぷりのクラプトンのボーカルに、慈しみを感じるギターの音色がとても素晴らしい
    です。

    この後のクラプトンは枯れたブルースの世界に
    いりびたってしまって、もうこういう曲やアルバムを作らなくなってしまい
    ました。そう考えると、これまでのクラプトンの集大成的な作品に思えてきます。

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     2021/03/03

    2002年の作品です。スタジオ作品としては1984年「Born In The USA」以来の
    Eストリートバンドとの録音になりました。
    2001年にアメリカで同時多発テロが起こりました。この作品にも大きな影響を
    与えています。以前のスプリングスティーンなら、直接的な怒りを表明する歌や、
    陰鬱な曲を発表していたかもしれません。しかしこのときはEストバンドと
    ともにありました。できあがった作品は、世界に「連帯」と強く呼びかける
    ものになっています。ファンがスプリングスティーンとEストバンドの音楽
    に最も期待するものであり、スプリングスティーン&バンドがしっかりと
    応えた形になっています。

    この観点から考えると、アルバムのハイライトは3、6、7、13、15曲目
    です。
    3曲目「Waitin’ on a Sunny Day」は、アコースティックギターとバイオリン
    の陽気な音色にのって「君の笑顔を待っている」と呼びかけます。バックコーラス
    も楽しいです。サックスの音色も高らかです。6曲目「Empty Sky」では喪失感
    が歌われています。気持ちを持ち上げるだけ、あるいは陰鬱になるだけではなく
    スプリングスティーンが1人のアメリカ人として隣人に寄り添っています。
    7曲目「Empty Sky」は民族音楽的です。分断された世界に、もう一度1つに
    なる努力をしようというメッセージは、後半の力強い演奏と苦悩を表現する
    ギターソロで明確になります。
    13曲目はタイトル曲です。力強い演奏にのって「立ち上がろう、命の大切さを感じて」
    と直接的なメッセージを伝えます。サビで全員がコーラスをつけるところも重要です。
    最後の「My City of Ruins」では、荒廃した街への鎮魂歌です。しかし最後に
    もう一度「立ち上がろう」と呼びかけます。

    このように書くと説教のような作品に見えるかもしれませんが、決してそうでは
    ありません。確かにやや異色の作品かもしれませんが、
    Eストバンドと演奏するときは常に最高の状態をたたき出す
    スプリングスティーンですので、ロックアルバムとしても素晴らしいです。
    1曲目「Lonesome Day」は弦楽団を従えつつドライブ感のあるロックンロールを、
    9曲目「Further On (Up the Road)」のスピードとワイルドな歌声。11曲目
    「Mary’s Place」は今でもライブを盛り上げる1曲になっています。

    スプリングスティーンは、2000年以降ほぼ休みことなく活動しました。Eスト
    バンドとのアルバム製作と大規模ツアー、ルーツミュージックの追求など、
    様々なテーマに挑んだ活動ですが、その発火点は間違いなくこの「The Rising」
    です。素晴らしい作品です。

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     2021/03/03

    森先生の傑作です。児童文学と言えるかもしれませんが、
    大人も読むべき小説です。
    主人公は生前に犯した罪のよって、別人(中学生男子)に成り代わって
    人生をやり直すよう、天使から言い渡されます。その中で、自分の
    罪を自覚できるかどうかが、お話の中心になります。
    こう書くと「よい子の小説」のように見えるかもしれませんが、
    決してそうではありません。普通の家庭ですので、普通の問題が
    山積みです。森先生は、決してこれを美化して描かないのです。
    また、中学生男子に対しても容赦ありません。
    その中で、主人公が中学生男子のことを考える、思う様子、
    醒めた目で見てしまう様子、そして結論を出す過程が心を打ちます。
    汚い世俗と、これにあがないつつ、流されつつの主人公の
    絶妙のバランスこそ、この小説の一番の魅力です。
    蛇足になりますが、主人公と天使の、友情といってしまって
    よいのか、その関係性がとてもうらやましくなります。

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