トップ > My ページ > CD小僧 さんのレビュー一覧

CD小僧 さんのレビュー一覧 

検索結果:4件中1件から4件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/19

    まさか、バルトークのオケコンで感動するとは思わなかった。まるでベートーヴェンの交響曲のように熱く疾走し、終わった後には爽快感さえただよった。指揮者も奏者も汗を浮かべ満足げに微笑みながら聴衆の熱狂を浴びていた。三十年以上も前に、初めてオケコンを聴いた時は恐ろしげでフランケンシュタインでも出てきそうなホラー映画の音楽みたいに聞こえたものだ。聴いているうちにいたたまれなくなって、途中でレコードの針を上げた記憶がある。それが、こんなふうに演奏されちゃうなんて……、時代が変わったなあと思わざるをえません。そんな個人的な感想はともかくも、本当に素晴らしい演奏でした。ベルリンフィルの名人たちがノリノリで演奏しています。ヴィオラの清水直子さんが美しく、ソロでもないのに何度もカメラを向けられていたのがちょっとご愛嬌です。コンサートの出だしはラヴェルですが、ライブとは思えぬ完璧な美しさで、この最初の一撃でガツンとやられてしまいます。ピリスはちょっと老いたかな、という気もしますが、これだけの素晴らしいコンサートに回り逢えることはなかなかないでしょう。星五つです。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/29

    かつて、吉田秀和氏が著書「LP300選」の中で、びっくりするほどいいレコードだ、と述べた演奏で、また当時のベルリンフィルの団員だったフルートのツェラーが、在団していたときに一番印象に残った録音としてこの演奏をあげていました。ただ、レコードからCDに切り替わった際、1988年の日本盤では音質が変わってしまいがっかりした記憶があります。音が平板になって、奥行きがなくなってしまったのです。しかし、このアビーロードでリマスターされた録音は素晴らしい。しっとりとして神秘的にさえ感じられた音のドラマが戻ってきました。数多いカラヤンの録音の中でもベストの一つといっていいでしょう。多くの人に聞いてもらえればと思います。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/29

    ブレンデルという名前の大きさに引きずられて、これまでモーツァルトやシューベルト、バッハ、ハイドンなど協奏曲から室内楽、独奏曲まで聴いてきたのですが、どうも今ひとつ心をグッとつかまれるところがなかった(確かに悪くはないのですが)、それで実はあまり期待しないで買ったのです……まあ、安かったし。しかし、それがとても素晴らしかった。ブレンデルというと、自分を殺して曲そのものの姿にすべてをささげるという演奏イメージがあって、よくいえば中庸、わるくいえば平凡という、決して大胆に冒険のしない人だと思っていたのですが、くつがえってしまった。ベートーヴェンなる巨人の前にひざまずくというような演奏ではなく、実にのびのびと好きなオモチャでも作りあげていくように楽しげに弾いています。あちこち工夫をこらして、そしてそれが楽しくて楽しくてしようがないみたいだ。知がまさっていたブレンデルは、様々なテキスト批評や歴史にしばられ過ぎていささか身動きが取れないところがあったけれど、そこから、するりとうまく抜け出して、自由と過去の遺産との見事なからみあいを果たした。自由で、チャーミングで、聴いていて心がウキウキする。もしかして、ポリーニは、この演奏を聴いて、ちょっと嫉妬したんじゃないか。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/07/19

    自然で素直な演奏とはまったく対極の作為に満ちみちた演奏である。それが、しかしすこぶるオモシロイ。微細な点にいたるまで月並みにならぬよう徹底的に考え抜かれている。普通、そんな演奏は嫌味っぽくてとても聞いていられたもんじゃないけれど、オモシロさが先にたって、思わずニンマリとしてしまう。あの変わり者で新し物好きのモーツァルトが聞いたら、喝采するんじゃないだろうか。自然な流れでピュアな演奏もいいけれど、こういうのもモーツァルトの場合は「有り」と認識させられました。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:4件中1件から4件まで表示