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YT さんのレビュー一覧 

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     2013/09/07

    LPが誕生し、NHKがTVの実験放送を開始したころ、米国製LPが日本にも上陸し、新宿のコタニ楽器のショウウインドウにもこの『英雄』のジャケットが飾られていた。初輸入当時1枚が3400円だった(岩波文庫の星一つが40円)。78’s盤1枚を買うのがやっとの高校生の分際では学校の帰り道に眺めるのが精一杯だったのだ。これが私とLPとの初対面でもあった。Beethovenの交響曲のNYP盤は待っても待っても復刻されない、Brahmsは出てるというのに。アンドロメダの復刻盤を入手したが今ひとつ物足りぬ。このたび、やっと鶴首したオリジナルの『英雄』の復刻盤を『第5』のおまけ付きで入手できて感激です。WalterのNYP時代の演奏は引き締まったテンポと弛みない緊張感で、後年のステレオ録音時代の弛み切った演奏とは別物だ。戦後間もなく封切りされた米映画『カーネギーホール』に『名歌手第1幕前奏曲』でNYPをWalterが指揮して登場するが、指揮台上に両足をそろえて直立しニコリともせぬ厳しい表情で指揮している。世に柔和な人物と評されるがとてもそうは思えない。この『英雄』と『第5』の演奏スタイルは映画と同一ラインに立つだろう。録音も申し分ない。モノラル録音だがパートのバランスも見事だし、音質もよい。この当時もうテープ録音になっていたのだろうか。私にとってWalter芸術を理解するためには、HMVの78’sとNYP時代があれば十分なのを確認した。終わりに、SONYはNYP時代の録音をもっと復刻してもらえないだろうか。貴重な文化遺産なのだから。

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     2010/09/21

    これは小澤芸術の最上のコレクションだと思う。特に印象に残った点をいくつか。美と高貴さと卑俗さが混在するMahlerは、スコアの至る所に記される指示を誇張したりデフォルメされると私には耐え難いが、ここでは控えめで上品なポルタメント、オーバーにならぬ音量のふくらませかた、抑制されたダイナミックスがとても好ましい。瀟洒なPoulencの、『オルガン、弦、ティンパニー』は、かって、LP時代になってHi-Fi再生が活発になった頃テスト用レコードに盛んに使われたが、ここでの演奏の質と録音のレベルは比べ物にならない。『シェヘラザーデ』の全曲に漂う微かな色気と哀愁、この曲は若い女性の語る物語だったのだと思い起こさせる。VPOの演奏はすべて気楽さのかけらもない。4つのオーケストラは固有のキャラクターを最上の姿で表していると思う。これも小澤の力量によるものか。斎藤記念Oが個々の技量とアンサンブル能力が優れてるのは認めるが、他のオケと比べてetwasが欠けるのも感じざるを得なかった。

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     2010/08/01

    学生時代からRCA VictorのLPに慣れ親しみ、マルチ・マイク録音に強い不信感を持つ私にとって、このセットは思いがけぬ喜びでした。楽器のバランスをとるにかけては最高級のReinerが凄みを持って迫り、HeifetzやRubinsteinが真に名人だったのが実感できます。それに、こんなに安い値段でマスターテープのベストコピーを手元に置けるなんて。余生の座右の友になりました。それからもう一つ。30年ほど前に、勤めた会社の子会社が韓国にあり、頻繁に訪韓した印象から、購入を正直迷いましたが、最近の技術レベルを知るのも良かろうと入手して吃驚、微細加工技術と品質管理の向上ぶりに驚嘆しました。日本のメーカーもぼやぼやしてられませんよ。

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     2009/11/01

    自然科学、人文・社会科学いずれの分野を問わず、物事をマトリックス(行列)に整理すると、見通しが利いて、相互関係が分かり易くなる。このCDの場合は作曲年と作曲家たちの作品となろうか。1997年、英国EMIは創業100周年を記念して、本(EMI The first 100 years)と10枚組CD(100 YEARS OF GREAT MUSIC)を発売したが、私の大事なコレクションになっている。このCDは、録音年度別に、当時の演奏家の録音が(断片でなく)記録されている。これならば、他社でもやってきたことだが、今回のCDセットには全く刮目させられた。私が知る限り、このような企画は初めてで、新鮮に感じた。流石に老舗のEMI。私にとって、19世紀は、歴史的にも、芸術面でも花が咲き実り多き、魅力と興味を呼ぶ時代だ。全てがリアルタイムで便利な今日と違い、駅馬車と産業革命後やっと鉄道が引けて、出版も細々と、通信もろくな手段もない時代に、当時の作曲家たちはどのように相互交流したのだろう。そんなことに思いを馳せながら、これからゆっくりと私も時空の旅をしよう。

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     2009/09/27

    NBC響との初リハーサルで取り上げたのがこの曲だった。創立以来全てのシーズンに在籍したヴァイオリニスト、Samuel Antekが印象を残したが、「Brahms!」と叫んでマエストロが全力で開始した咆吼するサウンドの大渦巻きに吸い込まれて、前もって聞かされてはいたが新しいサウンドを感じ取り、これが何日も根気よく練習した(たぶんメンバーを編成して、初日に備えたRodzinskiとの練習のことか)同じ音楽なのか?新たな凄まじい喜びを持って我々は演奏した、と言った趣旨を述べている(Harvey Sachs,Toscanini,1978)。私も、この演奏を聴く度に、雑念の入り込む余地のない程心を持ち去られ、いつの間にか曲が終わっているのが常だ。第4楽章アルペンホルンのこだまが消えてFag,K-Fag,Posの余韻が残るところ(47〜50小節)の各声部の見事なバランスとニュアンスの絶妙さ。見事な復刻の賜物だろう。

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     2009/08/05

    これを機会に、彼の芸術を集中して聴いた。やはり偉大だった。なんと言っても、自分の全てを自己顕示のためでなく作曲家に奉仕する姿勢に打たれる。だから結果に普遍性が付与されて、無数の同業者のランドマークにもなったことだろう。『トリオ』で、ポルタメントを多用して独特の美音に自己陶酔する向きのあるThibaudが、Casalsが入ってくると、端正な弾き方になるのが可笑しかった。復刻の出来栄えは見事で、音質も半世紀以上も前の録音とは思えぬ良さである。78sシェラック盤の復刻は、片面4分間前後の収録時間のために、長い曲で、面毎のつなぎを、曲の流れをスムースにしかも音量差が無いようにする技術問題がある。かって、英HMIに、Keith Hardwickという名人がおられて、私も恩恵にあずかったが、現在のテクノロジーの進歩は驚くべきで不自然さを感じさせぬ製品が多くなった。昔の愛好家が、高価な78s盤を英米から取り寄せて聴いていたことに思いを寄せると、感慨深い物がある。

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     2009/07/15

    三度全曲録音したのはブダペストだけではなかろうか。最初は78s時代で、片面4分のためか、総じて演奏時間が短く、せかせかした感じがあった。最後はステレオ時代で、円満だが、反面、緊張感が薄れ、ロイスマンの高域部が時々かすれるなどあって、いかにも下り坂の感があった。中間の、このLP時代に入って間もなくのこの演奏を、今まで私は知らず、今回初めての体験となった。心技体一体となったこのアンサンブルの絶頂期の記録というのが私の印象だ。米コロムビアの録音は流石で、このCDの復刻も見事としか言いようがない。吃驚する値段で入手したこのCDは、古典的名盤として私の座右を占めるだろう。それにしても、このように優れた復刻をする良心的なレーベルが休業するとは残念至極だ。

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     2009/07/10

    シリーズ11枚を聴いた感想を述べたい。まず、Toscanini-NBC響の実像にやっと接し得た感激。長い長い回り道だった。特に印象深いのは、精緻で、センシビリティな美しいppの世界の再発見で、就中、『ローマの祭り』には真に陶酔した。かくして、このシリーズは私のコレクションの総決算を飾った。価格は、私にとっては二義的なこと。最も信頼できるマスターテープのベストコピーを手元に置けるだけで満足だ。それに、米盤LPは初輸入時に3400円、1956年頃で2600-2800円もしたではないか。制作者に深甚な敬意と次シリーズの企画を切望したい。

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     2009/06/17

    手持ちのLD(RCA Victor)とあまりにも印象が違うのに驚く。LDは、歌手をクローズアップして、オーケストラはおろか、マエストロの指揮ぶりも殆ど撮されず、甚だ不満だった。これなら音だけでよいと。だが、このDVDは違った。まず、マエストロの指揮ぶりを堪能し、圧倒される。歌手陣の撮り方も良いし、会場も含めて俯瞰したり、適宜オーケストラにも目が行き届く。深く感銘を受けた。実は,LDの印象が悪く、このDVDシリーズで揃え直すにあたって、『アイーダ』は最後まで迷ったが、買ってよかった。なお、LDで煩わしく感じたGustavsonが、実は、演奏会形式にもかかわらず、相手役にも注意を払い、感情移入で表情が物凄い変化で演じるのを目の当たりにして、誤解したことを恥じ入った次第だ。

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