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Verdi さんのレビュー一覧 

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     2021/04/16

    塩野七生のローマ人の物語シリーズの中でも、ある意味一番面白い巻ではないかと思う。いわゆる五賢帝の時代を取り扱う巻だが、単純にそんなに素晴らしい時代と決まっているわけではないのではないか、そもそも「賢帝」とはどうしてそう呼ばれたのか....?という視点で描かれたもの。他にも興味深い巻はあるけれど、そうはいってもやはりローマが隆盛を誇っていた時代ではあるので、その意味でも楽しく読めると思います。

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     2021/04/16

    正直に言うと読むのが辛い本。元々、活字も結構小さいし、とか、そう言う意味でも読みづらいといえば読みづらいのだが、内容的にも中々に厳しい本である。バルトークはアメリカに亡命して、決して楽とはいえない、恵まれたともいえない暮らしの末に1945年に祖国に戻ることなく亡くなっている。その亡命の時期の記録なのだけれども、それが身近に居て見聞することのできた人の手によるものなので、そのリアルな状況が、結末を知っているだけに読むのが時々辛くなる。それだけに読む意味もある本ではある。

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     2021/04/15

    邦題の「女王陛下のユリシーズ号」も中々なのだが、原題は「H.M.S. Ulysses」。H.M.S.はHer/His Majesty’s Ship の意で、英国軍艦に付ける接頭辞。つまり、単純に船名をタイトルにしているだけなのである。第二次大戦当時の英国君主はジョージ6世。従って、本来ならば「国王陛下のユリシーズ号」ではないかと思うのだが、ちなみに、この邦訳が出る頃に、007シリーズで「女王陛下の007」が出ているので、それに引っ張られたのではないかなぁと思うのであります。
    それはともかく、この小説はなんと呼べばいいのか。海洋冒険小説、というような呼ばれ方をすることはあるが、しかし、ここでやっているのは明らかに戦争である。戦争小説?そう呼ぶには、あまりにもロマンチックすぎる。明らかに戦争ではあるのだが。何よりも、沢山人が死ぬ。ロマンチックな死を与えられる人物も多いが、そもそも戦争なのだから、というにしても、よく死ぬ。むしろ、この本は、ハードボイルドなのではないだろうか。原題の簡潔さは、それをよく示していると思う。あくまで個人の意見ではありますが。

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     2021/04/14

    中公新書の「物語 xxの歴史」シリーズは、国により、著者の個性により、色々なのではあるけれど、その中でもこの「ドイツの歴史」は出色の出来と言って良いと思う。著者は「ハーメルンの笛吹き男」などの著作で知られる、西洋史、それも中世民衆史(という呼び名が正しいのかどうかということはあるけれど)の阿部謹也氏。無論専門に限らず広く深い造詣を遺憾無く発揮して、ともすれば手垢のついたものになりかねない、メジャー過ぎるドイツという国の歴史を様々な視点から描き出している。

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     2021/04/13

    歴史学の碩学であった阿部謹也の一般向けの代表作。一般向けに平易に書かれていると言っていいと思うが、それでいて、氏の民衆史的視点だけでなく、多面的にかの有名な「ハーメルンの笛吹き男」伝説の史実性を追い掛けると共に、それを追う歴史家にも迫ることで、歴史学というものを複眼的かつ多義的に表してみせた本。既に発表後何十年と経っていながら、全く色褪せないのは、その視点が未だに実に鋭いものであるからと言うべきであろう。だがそういうことは脇においても、読み物として単純に面白い。その意味でも良書です。

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     2021/04/13

    全三巻の大著の最終巻。「反ユダヤ主義」「帝国主義」のタイトルで論じられてきた本著は最終巻で遂に「全体主義」を論じる。ここで論じられているのは20世紀前半に引き起こされた全体主義、主にはまずドイツ第三帝国であり、ソビエト連邦であり、ナチズムと共産主義独裁、或いはスターリニズムなのであるが、前2巻からの流れで言えば、疎外することによって支配するという手法が、ミクロ・マクロの両レベルで押し進められた結果全体主義が完成する、ということになるのではないだろうか。(あくまで個人の見解です)こうしたテーマでここまで論考を重ねた著作というのも稀有だと思います。

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     2021/04/13

    ハンナ・アーレントの主著、全三巻の2巻目。第1巻で反ユダヤ主義をテーマに論じられたテーマが「反ユダヤ主義的なもの」としての疎外という構図であるとするならば(個人の見解です)、この第2巻で論じられるのは「帝国主義」であり、より大きな枠組みで展開される「疎外」の構図、というところではないだろうか。疎外という手段が前者ではあくまで一つの閉じられた社会の中での個対個、あるいはあくまでその延長上レベルでの支配に用いられているとすれば、ここではそれが国家レベルで、遥かに大きな枠組みレベルで用いられている、ということなのではないかと。(あくまで個人の見解です。)

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     2021/04/13

    ハンナ・アーレントの主著と言って良いであろう全三巻の大著。そして読むのが大変。それはそれとして、全体主義の依って来たるところを説き起こすに、アーレントはこの第一巻で反ユダヤ主義から始める。それはアーレント自身がユダヤ人出自であるからというのはあるにせよ、そこにアーレントは反ユダヤ主義そのものというよりは「反ユダヤ主義的なもの」として反ユダヤ主義を着目しているようにも思える。つまりは、他の何かがその代わりになった可能性はあるのではないかと思わせる。そこが、この書が普遍性を持ち得た理由であると思う。

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     2021/04/13

    率直に言って一般的には難解という部類になるかと思うけれども、それには少なからず翻訳が影響している面は否めないと思う。(ハンナ・アーレントの著作としてはむしろわかりやすい方ではないかと。)それだけに、副題の「悪の陳腐さについての報告」という日本語は秀逸であると言っておきたい。無論原題もその意味で秀逸であるにせよ。端的に言えばこの副題で本書の内容の過半は表されていると言っても過言ではないのではないか。被害者側も加害者側すらも、大罪を犯した主体にむしろ巨悪を希求する、それはある種の欺瞞であり、むしろとるに足らない、それ故に我々の隣や我々自身の中にあり得るようなものがその主体の一つなのだ、というアーレントの指摘は確かに心地悪かったろうし、今でも心地悪いと思う人は少なくなかろう。それ故に今でも意味のある書になってしまうのが哀しいと言えば哀しい。

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     2021/04/13

    不思議といえば不思議な本。フィッシャー=ディースカウが、フルトヴェングラーとの、決して多くはなかったであろう交流について語った本。フルトヴェングラーについてはいろいろに、特に昨今はいわば外野から書かれた本も多い中で、いってみれば当事者の一人として、偉大なる音楽家の共演者という立場で、にも関わらずその当人が決して自己主張はしないけれどもその「偉大な音楽家」と同じくらい偉大な存在が著したもの。まぁ、良くも悪くもただのエッセイです。でも、なんでしょうね、書かれた対象以上に書いた当人への興味の方がより強く湧いて来るという、そこが不思議といえば不思議。

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     2021/04/13

    フィッシャー=ディースカウには「シューベルトの歌曲をたどって」という名著があり、これはその姉妹版とも言うべき本。シューベルトの方は新版になり、復刊もされたこともあり、比較的読まれているのだが、こちらはどうも分が悪そうな塩梅です。とはいえ内容的にはこちらもシューベルトに劣らず興味深く読める内容になっています。歌曲について丁寧に書かれている本というのは決して多くはないので、貴重な一冊だと思います。

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     2021/04/12

    ドナルド・キーンの音楽好き、オペラ好きはつとに有名で、古くは音楽に関するエッセイ集もものしているのだけれど、とうとうそれだけで出してしまったのがこの本。個人的にはかつて書かれていた(もっとも日本語ではなくて英語で書かれたものを翻訳されたものだったのだけれども)エッセイ集の方が滋味深くて好きではありますが、この本もなかなかに面白いものではあります。

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     2021/04/12

    日本文学研究者であるドナルド・キーンが、クラシック音楽について書いたエッセイ集。いやもう全く趣味の世界の話ではあるのだけれど、本業とまるで関係ないかというと、確かに関係はないのだけれど、人生の友としてきたものについてであるだけに、そしてまたその深い教養に基づいて書かれるものであるだけに、凡百の音楽評論家では足元にも及ばないエッセイに仕上がっている。今では全集で読むことが出来ると思います。

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     2021/04/12

    須賀敦子の数ある著作の中でも、家族を主題に置いたエッセイ集。なんというのか、須賀敦子という人の生きた証、というよりは、息遣いが感じられる一冊。最後の一編に現れる深い愛情と細やかな心の襞は須賀敦子の白眉と呼んでもいいのではないかと思います。須賀敦子を語る上では逃せない一冊、それ以上になによりも忘れ難い一冊です。

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     2021/04/12

    吉田秀和の著作としてはかなり古いものではあります。なにしろ岩波の青飯です。あとがきの日付は1957年。もう60年以上前の本です。いや、そもそもタイトルからしてもう21世紀も20年を過ぎたというのに。それもあって、正直言うと内容的にはその時代を感じさせるものです。が、それ故に、その当時の「現代の音楽」がどう受け止められていたのかを知ることが出来ます。なによりも吉田秀和を読む上で、初期の氏を知る一つの材料として良いものだと思います。これをこの時代に復刻してくれた岩波書店に感謝です。

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