ハンナ・アーレント

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全体主義の起原 1 反ユダヤ主義

ハンナ・アーレント

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784622086253
ISBN 10 : 4622086255
フォーマット
出版社
発行年月
2017年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
322p;20

内容詳細

国家や法という伝統、さらに人間の本質まで破壊した全体主義への道筋とシステムを描いた不朽の大著。最新の研究を反映し読みやすくなった新版刊行。全3巻。

目次 : 第1章 反ユダヤ主義と常識/ 第2章 ユダヤ人と国民国家(解放の曖昧さとユダヤ人の御用銀行家/ プロイセンの反ユダヤ主義からドイツにおける最初の反ユダヤ主義政党まで/ 左翼の反ユダヤ主義/ 黄金の安定期)/ 第3章 ユダヤ人と社会(例外ユダヤ人/ ベンジャミン・ディズレイリの政治的生涯/ フォブール・サン=ジェルマン)/ 第4章 ドレフュス事件(ユダヤ人と第三共和国/ 軍・聖職者対共和国/ 民衆とモッブ/ 大いなる和解)

【著者紹介】
ハンナ・アーレント : 1906‐1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。1928年、ヤスパースのもとで「アウグスティヌスの愛の概念」によって学位取得。ナチ政権成立後(1933)パリに亡命し、亡命ユダヤ人救出活動に従事する。1941年、アメリカに亡命。1951年、市民権取得、その後、バークレー、シカゴ、プリンストン、コロンビア各大学の教授・客員教授などを歴任、1967年、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学教授に任命される

大久保和郎 : 1923年東京に生まれる。慶應義塾大学文学部中退。独・仏文学を専攻。1975年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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ハンナ・アーレントの主著と言って良いであ...

投稿日:2021/04/13 (火)

ハンナ・アーレントの主著と言って良いであろう全三巻の大著。そして読むのが大変。それはそれとして、全体主義の依って来たるところを説き起こすに、アーレントはこの第一巻で反ユダヤ主義から始める。それはアーレント自身がユダヤ人出自であるからというのはあるにせよ、そこにアーレントは反ユダヤ主義そのものというよりは「反ユダヤ主義的なもの」として反ユダヤ主義を着目しているようにも思える。つまりは、他の何かがその代わりになった可能性はあるのではないかと思わせる。そこが、この書が普遍性を持ち得た理由であると思う。

Verdi さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 夜間飛行 さん

    国民国家の解体から帝国主義への移行に際して反ユダヤ主義の果たした役割とは? 19世紀後半、経済成長を遂げるヨーロッパ社会にあって、無用の富を蓄え非ユダヤに同化しつつあったユダヤ人は政治的な寄生集団と見なされた。本書はそうした状況全般に触れつつ、独や墺で反ユダヤ主義が国家と対立し政党に発展する経緯、また英や仏の同化ユダヤ人、さらにドレフュス事件が投げかけた政治的問題点を論じている。以前プルーストの小説で読んだ仏の政治や社交界に対する辛辣な筆致が面白かった。啓蒙書としてだけでなく、柔軟な批判精神に胸がすく本。

  • Shintaro さん

    難解で2年越しの読書となった。反ユダヤ主義はドイツのみならず19世紀ヨーロッパで広く普及した思想だった。オーストリア・ハンガリー帝国やフランスで。特にフランスを断罪している。フランス第三共和政は烏合の衆で、ユダヤ人政商の腐敗は著しく(パナマ運河疑獄)そこをナチス・ドイツのプロパガンダにつけこまれ、脆弱な国家であったと。また戦うカトリックであるイエズス会がユダヤ人差別のレトリックを完成し、ヒトラーらはその大部分を取り入れた。ナチスは突然変異ではなく、ヨーロッパの文化を受け継ぐ嫡子だとアーレントはとらえる。

  • ケイトKATE さん

    20世紀を代表する思想家、ハンナ・アーレントによる歴史上最悪の政治体制である全体主義とは何かを考察した大著。第1巻はアーレントの出自であるユダヤ人と反ユダヤ主義の原因を探っている。反ユダヤ主義が顕著になったのは国民国家が形成された19世紀である。それまでユダヤ人は金融業で成功し、君主や貴族に経済面で支援する見返りとして、自分たちを保証してもらっていた。ところが、国民国家においてユダヤ人は常によそ者であるのに加え、経済面で裕福なため民衆からの嫉妬と憎しみの対象となってしまったことを指摘している。

  • singoito2 さん

    最近、軽めの本を読んでたせいか、読み始めた途端、「ホンモノ」の濃密さと重厚さにズッキュン!って感じでした。本巻は「反ユダヤ主義」と題されているが、ユダヤ人に対しても歯に物着せぬ観察はさすが。最後の「第4章 ドレフュス事件」における筆の冴えは一読の価値あり。ヤスパースの独語版への序文も、ほっこりさせられて良いです。

  • ブラックジャケット さん

    これは難解な本だ。学生時代の教科書を思い出す。ふだんから軟弱な本ばかり選んでいると、こんな堅い本では歯が折れてしまいそう。一冊、ユダヤ人問題にさいている。ナチスの絶滅人種に選定された反ユダヤ主義を18、19世紀の欧州を詳細に分析している。つまりナチスの専売特許ではなかったことが、掘り起こされる。ユダヤ人こそが、反ユダヤ感情をアイデンティティーの保持に利用し、国境をまたぐロスチャイルドの存立基盤を追承認している。19世紀最後のドレフュス事件に現れたように、全欧州の地下水脈に流れる反ユダヤ主義を認めている。

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