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しふら さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/26

    ハンガリー動乱を機に亡命して数年後の若きシフラのパリでのライブ。やはりライブはすばらしい!!スタジオ録音では妙にとり澄まして模範生的な(それでもぶっ飛んでいるが)演奏をするシフラだが、ライブでは別人。その場の感興にまかせて演奏する。ここでも特に、ハンガリア狂詩曲6番の第2部(?)。ふつうライブでは繰り返さないのだが、ここでは珍しく繰り返している。その繰り返しの弾き方が、最初とは違って、(おそらく)即興的に創った弾き方。右手と左手とを微妙にずらして弾いている。シフラのこの創造性に打たれた。この部分が聴きたくて、何度も聴いてしまった。エステ荘の噴水を初め、他のリストも熱演。シューマン、ベートーヴェンは、リストほどのタッチの強さを出さず、「あれっ」と思うことも何度かあるくらい、軽めの表現がある。それでも、このシューマンは好きだ。シフラファンには必携のアイテムだろう。聴衆の反応も暖かく、かつすさまじい。私も77年の来日時の演奏に大興奮して拍手した覚えがあるが、それを思い出して拍手の部分でも興奮してしまった。苦労を重ねてやっと自由の身になったシフラの渾身の熱演が聴ける。すばらしい!!

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/05/05

    ライブ録音特有の生き生きした感じがたまらなく新鮮ですばらしい!!ステレオ録音だからか(帯?タグ?)にはモーツァルト24番を強調してあるが、私にはベートーヴェン5番が好ましく思える。ケンプ特有の美しい音色と軽やかさ。ベートーヴェン的な力強さ・重厚感。これらが類い稀なほどうまく結合した演奏だと思う。第1楽章の押してくる速めのテンポ。第3楽章の主題の力強い弾き方など、調子のいい時のケンプであろうと思わせる(実演では好・不調の波が大きかったケンプだった)。スケールの指さばきもお見事!のひと言。聴衆の拍手も入っているが、60年代のおとなしかった日本の聴衆にしては熱烈なものだ。嬉しくも、久々に何度も聴きたくなるCDにめぐり会った。
    パンフレットには、ケンプが日本の聴衆に宛てたメッセージ、当時のプログラムに載った解説(藤田晴子氏、武蔵野音大学長・福井直弘氏)があり、ケンプと日本の聴衆の相思相愛ぶりが伝わってくる。当時の日本の人気ナンバーワンピアニストはケンプだったことがよく分かる。
    なお、70年春の協奏曲全曲を録音したCDでもそうだったが、このCDにも誤記が散見される。ケンプファンとしてはNHKに猛省を促す。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 12人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/12

    70年4月4日は私の記念日だ。ケンプは61年と70年に日本でベートーヴェンのピアノソナタ、協奏曲の全曲演奏を行っている。60歳代から70歳代前半にかけては、演奏活動の主目的をベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏として、世界中で行っていたようだ。私は初めてのケンプの実演、70年の全曲演奏シリーズのソナタの部の最終回(4月4日・第29番、30番、31番、32番の4曲)を聴いて人生が変わった。ケンプのベートーヴェンチクルスは、他の大方のピアニストとは違って、番号順に弾く。「ベートーヴェンの成長過程をほぼ忠実にたどることになる」(ケンプ)というわけだ。実演では好不調の波が大きかったケンプだが、好調時はまさに奇跡。あまりの素晴らしさに涙が出る演奏だった。技術を云々されることもあるが、好調時にはそのようなことはどうでもよくなってしまうのだった。終生消えることのない感動。その後の人生を支えられる感動。内面的幸福を生涯持ち続けることができる感動。好調時のケンプの演奏はこのような感動をくれる、真の芸術と言えるものだった。実演では、3回のうち1回は好調の演奏会が聴けたケンプ。ソナタ全曲に続くこの協奏曲シリーズは聴いてないが、果たしてどうだろう。実演と録音は別物だと思うが、その片鱗でもうかがえればいいと思う。71年正月の2日だったか、『新春コンサート』と題してNHKTVで1番と5番が放映された。不調とは思えない演奏だったが…。これでも分かるように、50年代から70年代は、日本人の人気ナンバーワンピアニストはケンプだった。日本の聴衆はケンプが大好きだった。演奏会場で「ケンプさん、お元気そうでよかったなあ」などと「さん」づけで呼んでいる人がたくさいた。ケンプも日本の聴衆を愛して、1936年の初来日以来、54年、61年、65年、70年、72年、74年、76年、79年と10回も来てくれて、素晴らしい演奏をしてくれた。79年時はなんと84歳である。音楽マスコミはいろいろと言うようだが、私はケンプからもらった生涯消えない感動を語り継ぎ、後世に伝えなければならない。「ケンプ顕彰会」のような団体を立ち上げたいくらいだ。12月20日の発売を待ちきれなくて書きました。

    12人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/01

    ケンプもバックハウスも互いに「覇」などを競ったことはない。日本の音楽マスコミの創作に踊らせてはいけない。当然なことだが、行き方はまったく違う。が、ともに偉大なベートーヴェン弾きだ。ただし本国ドイツでは、シュナーベル、ケンプのふたりが偉大なベートーヴェン演奏家として人々にいまだに記憶されている。バックハウスの評価が高いのは、発端としては日本の音楽評論家(Y)とそれに頭が上がらない日本の音楽マスコミが作り出したものだ。もちろんバックハウスはほんとうに偉大だ。日本での評価が高いのは、日本の聴衆(断じて音楽評論家、音楽マスコミのせいではない)の耳が確かな証左だ。ドイツで忘れ去られたピアニストが日本で高い評価を聴衆から得ているとは、ある意味で誇るべきことだ。言いたいことは、Yに頭が上がらない歪んだ音楽マスコミに乗せられないように気をつけなくてはいけないということだ。そういう観点からケンプとバックハウスという偉大なベートーヴェン弾きを評価することはぜったいに避けなくてはいけない。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/02

    シフラは本当に酒場で弾いていたことがあるんですよね。共産政府が芸術家のデビューまで決めていたから生計のため。バウンサー(喧嘩仲裁屋)までやらされて鼻の骨を何度か折ったことがるとか(奥さん談)。それ以前は兵役にとられ捕虜。片耳の聴力を失う。亡命を企て失敗し投獄。ハンガリー動乱で亡命後のシフラがこのDVDでのごとき演奏をするようになったのは、このような人生を取り戻すためであるかのようにも思われる。シフラインプラハ1955のCDでは、意外なほど模範生的演奏もできたのだから。それにしても、ポロネーズの両手スケールの速さ。ギャロップの超高速(ボレットもこのDVDで同曲を弾いてますが、テンポだけで言うと練習みたい。失礼)。ハンガ6番フリスカでの右手オクターブの見事さ。何度見ても惚れ惚れする。シフライン東京1964のレビューでも書いたが、私の人生を救ってくれた大ピアニストが、同じ曲を弾くのを映像でも観られるのは幸せ!!何度も観てる。そしてこれも2枚買った!!

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/06

    同い年のふたりのピアニスト。ハスキル、ケンプ。61歳の時のライブ録音。読んではいたがハスキルを聴いたのは初めて。軽やかで明るい感じがした。あまり深刻な感じはしないが透徹している。粒立ちのよいタッチ。
    ケンプは実演を21回も聴いた。好不調がはっきりと分かれる人だった。好調時は奇跡と言ってよい演奏だった。聴く者の人生を変える力をもった、本当の芸術だった。そして独自の境地だった。ベートーヴェンの協奏曲は第5番を1回聴いただけだが、よかった。この4番でも独自の解釈。他のピアニストのように力ずくではない。水彩画というかパステル画というか、淡いながらも色彩に富んだ演奏。そして軽やか。特に第3楽章のロンド主題を、この軽さで弾ける人はいないだろう。しかし第1楽章の展開部など、なかなか迫力を感じさせる。ベートーヴェンに生涯をかけたケンプの(おそらく)いい時の、そして、ライトナーとのステレオ録音より以前のより闊達だったころの録音。お薦めです!!

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 17人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/07/21

    小6時の交通事故後のリハビリ期。学校にも行けず家でふらふらしているほかなかった時に出会ったのがこの演奏。テレビの前にマイクを置いて何気なく録音したもの(最後の3曲)を、あとになって聴いてとらわれた。これがそれまで全く音楽に縁がなかった私のピアノとの出会い。その後の人生を変えることになった出会い。おもしろかった。ピアノってこんなに素晴らしいんだ!!こんなにもおもしろいんだ!!夢中になれた。1日に10回以上も聴いた。事故後のふさぎこんでいた私が変われたのは、この演奏のおかげ。前向きになれたのはシフラさんのおかげ。その後いろいろ知ったところでは評判はよくない。「音楽のサーカス」「技術ばかりで内容がない」「曲芸的演奏」。しかし私にはそんなことはどうでもよかった。私の心を救ってくれた大ピアニスト。その演奏がこうしてCDで蘇ったのは無上の歓び。その後77年に生で聴いたハンガリア狂詩曲第2番の驚異的演奏も生涯忘れられない。自分たちの教養を誇りとする愛好家は顔をしかめるかもしれないが、私にとっては本当に大切なピアニスト。大事なものなので2枚買いました。

    17人の方が、このレビューに「共感」しています。

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