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9 people agree with this review 2010/05/04
昭和45年頃フィリップスの7インチLP名曲アルバムで親しんだショパンがハラシェヴィチの演奏でした。ライバルのアシュケナージと比較して、テクニックの凄みこそ及ばないものの、ことショパンに関する限りアシュケナージのような鈍感さは皆無であり、表現は繊細だし、なんといっても呼吸が自然で好感が持てます。今年はショパンイヤーですが、初めてショパンに親しむには、フランソワやホロヴィッツやルイサダは個性的過ぎ、ルービンシュタインは枯れすぎ、アシュケナージやポリーニは鈍感過ぎ、コルトーはテクニックが不足し過ぎ、ということで本BOXは安くてお薦めです。ヒスノイズを除去しないマスタリングにも好感がもてます。
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1 people agree with this review 2010/03/28
重厚で聴き応えある名演!一般にロシア系のピアニストのリスト演奏はダイナミクスの強弱変化が大きいが、その分不自然なアゴーギクも鼻につく場合が多いが、エデルマンの場合はダイナミクスこそ凄まじいものの、テンポの揺れは少なく、これみよがしの恣意的な表現も無いので安心して聴くことができる。立山ホールでの江崎氏による録音も堂に入ったもので、この名演のディテールを漏れなく拾い上げている。注文をつけるとすれば、もう少しピアノ自体の音色に華があって欲しいが、これはホールと楽器の問題であり、無いものねだりであろう!近年の本曲のディスクとしては出色の出来だ。
1 people agree with this review
2日間の演奏会からの編集により演奏のミスは上手く修正されており、会場ノイズもFM放送より押えられ聴きやすい。ただしサウンド自体はNHKのオリジナルを尊重しており、腰高で強奏時は高域にピーク感がある一方、中低域の解像度は悪い。しかしこれはNHKホールの音響とホール備え付けのマイクの制約によるものであり、リマスターでもいかんとも改善し難かったと思われる。演奏はスウィトナーらしく細部にはこだわらず、流れ重視のおおらかなもの。
2 people agree with this review 2010/02/11
このリマスターは問題だ!なんともこもった音で、すべての楽器が厚いヴェールを被っているようだ。70年のキングスウェイホールの録音がこんなに不鮮明なはずはない。同時期の同ホールでの他の録音と比較しても、本盤の不鮮明さは問題だ!アナログプレイヤーを処分してしまった今となっては確認できないが、LPはもっと鮮明な音だったはず。高価なHQCD盤だからこそ、リマスター音源は何に拠っているのか明らかにすべきではなかろうか?
2 people agree with this review
4 people agree with this review 2010/02/01
月光もワルトシュタインも72年のステレオ録音と解釈がほとんど変わっていないことに驚き!同時に録音も進化していないことにも驚き(というか、本当にCBSの録音は貧弱で情けない!)。しかしステレオでは、もどかしさを感じたトリルの粒立ちや、スフォルツァンドの切れは当盤では万全であり、ホロヴィッツが頭で描いていた通りの音楽が鳴っていることを確信する。電気的なノイズ処理を行っていないとのことだが、本録音とて、そんなに高域の微妙なレゾナンス成分を捉えきってはいないので、適度なノイズリダクションを行った方が良かったように感じる。
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1 people agree with this review 2010/01/31
CBCへの71録音(LP)と比較すると、表現の幅や打鍵の深みで格段の深化を示している。特にソナタで聴かれる安定した巨匠的なテクニックと、揺るがないテンポ、堂に入った解釈は数あるディスクの中でも最高位にランクされるべき名演だ。例によってモコモコしたEMIの録音はこのようなワッツのタッチや表現を十分に捉えきっていないのが残念。個人的には王者ツィメルマンに次ぐ名演と評したい。
2 people agree with this review 2010/01/27
ステレオサウンド誌で嶋譲氏が「ウィルキンソンの五指に入る名録音」と評していたが、音の鮮烈さこそ当時の録音としては群を抜く素晴らしさだが、エネルギーバランスが高域側に寄り過ぎており、コントラバスや、トロンボーン、テューバの力感が不足するのが気になる。これはリマスタリングの問題だと思われ、イコライザーで補正すれば解消するものの、ウィルキンソン録音では数少ないSACDだけにやや残念!禿山の一夜はリムスキー・コルサコフ編ベースにつき、オリジナルほどの過激さは無いが、これはこれで面白い。展覧会の絵はレイボヴィッツだけにもっとユニークな解釈を望みたかった。
6 people agree with this review 2010/01/18
15年後に録音されたバイエルン盤と解釈はほとんど変化していない。大きな差は録音で、解像度はDG盤が優れ、ホールトーンを含めた全体の量感はSONY盤が優れている。15年間での録音技術の差やマスターテープの劣化に起因する問題は全く無いので、クーベリックファンなら両盤とも揃えておきたい。
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3 people agree with this review 2010/01/01
オーディオデモ用としてのド派手な音作りではなく、あくまでホールの最上席(席とは限らず空間か)で聴くことのできるナチュラルなパターンである。しかしながら最近のEMIやLSOライブで聴かれるような解像感不足は皆無であり、オーディオ的な快感は十二分に味わえる。特筆すべきはバスドラムの空気感を損なうことなく収録していることである。大植の指揮ぶりも実に丁寧。なお、オリジナルマスターテープは「アナログ」とクレジットされているが、ライナーノーツにはこの理由は一切記載されていない。
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5 people agree with this review 2009/09/24
冒頭からいきなり軟体動物のようなぬめぬめとしたレガートや、ヘルマンスによるフェーダー操作が見えるかのような超ピアニッシモを聴いただけで「ああカラヤンだ」と分かる。そして盛り上がる場所では弦も金管もグンと前に迫り出し、サイボーグのような暴力さ剥き出しとなる。しかしこれこそがベルリオーズが表現したかった狂気であり、カヤランの演奏以外はどれも生ぬるく感じてしまう。下の方でも書かれておられるが、白眉は終楽章の鐘の音。どこぞの教会の鐘をサンプリングしたうえで、電子的に低域を付加しており、まるでコントラバスを重ねているようにも聴こえるが、この鐘の音は、怒りの日のテーマを吹く金管と絶妙なマッチングを示す。なお残念なことに、バスドラムやティンパニの低域成分を録音でカットし過ぎている。OIBPでこの辺を修正して再発されることを切に望みたい。
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2 people agree with this review 2009/09/24
まずは肝心な録音(SACD)だが、特にバスドラムやコントラバスの重低音がほとんどそのままのダイナミックレンジで収録されており、こと中低域に関して言えば、かのショルティの「幻想」ステラボに肉薄する見事な音作りである。きっと江崎友淑の脳裏には、ウィルキンソンの名録音のことが思い浮かんでいたに違いない。しかしながら中高域の輝かしさには大いに欠け(これは録音のせいというよりは、ホールやオケに起因すると思われる)、特に第2楽章のコルネットがなんとも地味で目立たないのは致命的!演奏はいつもながらのコバケン流だが、やはり唸り声がうるさすぎる。ライブでも前のほうではうるさいが(笑)、このように録音された唸り声は繰り返し聴かれるディスクではなんとも気になる。
1 people agree with this review 2009/09/23
ドイツ的な重厚感や、低い雲が立ち込めたような暗い雰囲気は皆無で、冒頭から室内オーケストラによる演奏かと思うような、シャープで薄い響きが鳴り出すのはユニーク。しかし味が薄いかと思えばそうではなく、弦にはポルタメントまで動員した濃厚な表情がつけられている。フィッシャーの解釈か録音のせいか定かではないが、金管もティンパニも引っ込んでおり、まるでブラームスの新しい弦楽五重奏曲を聴いているようだ
8 people agree with this review 2009/09/15
いろいろ評判の悪いHS2088リマスターだが、本ディスクに関して言えば92年オランダプレスに若干の華やかさが加わったパターンであり、意外に好ましいと感じられた。近年の「夜の歌」ブームで巷には夥しいディスクが出回っているが、本ディスクはこれらとは別格の高みにそびえたつ文字通りの金字塔である。中学生の時分から数多の「夜の歌」を聞いてきたが、何度聴いても新鮮な感動を与えてくれるのはこの演奏しかない。話題に上がる超スローテンポはけだし確信犯であり、リズムや対位法が込み合えば込み合うほど遅くなり、視界が広がり、隅々まで光が射し、見通しがよくなる様はまさに鳥肌ものだ。
8 people agree with this review
3 people agree with this review 2009/09/13
ホロヴィッツ独特のノンペダルでの強打鍵の凄みと、軽やかな粒立ちのパッセージとの対比がフルダイナミックレンジで収められている。過去に発売された同アルバムのLPではこれほどまでの情報が含まれていることはけっして無かった。ホロヴィッツの悪魔的なテクニックも、病的なまでの神経質さもこの時代がピークであり、本当に他の凡庸な演奏を寄せ付けない孤高のショパンアルバムだ。
1 people agree with this review 2009/08/31
恥ずかしいことにハイブリッドであることを知らず、先日改めてSACDプレイヤーで再生したところ、意外に鳴りっぷりが良いのでビックリ!なんとマスタリングエンジニアにはXRCDでおなじみの杉本一家氏の名前がクレジットされていた。どうしてもファインNF秋山&東響の惑星との比較になるが、オケの鳴りっぷりはN響の方が豪快だが、ライブ特有の詰めの甘さも露呈。録音はさすがにファインNFに軍配が上がるが、結局のところ両者共に、海外のメジャーレーベルの並居る強豪達のレベルには届かない。
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