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ビゼー(1838-1875)

CD 『カルメン』組曲、『アルルの女』組曲 カラヤン&ベルリン・フィル

『カルメン』組曲、『アルルの女』組曲 カラヤン&ベルリン・フィル

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年09月11日

    本盤にはビゼーの「アルルの女」組曲と「カルメン」組曲がおさめられている。本盤の演奏は、カラヤンがこれらビゼーの2大有名管弦楽曲を手兵ベルリン・フィルとともに行った演奏としては、1970年盤に続いて2度目のスタジオ録音ということになる。本演奏は、一般的な意味においては、十分に名演の名に値すると言えるであろう。もっとも、1970年の演奏があまりにも素晴らしい超名演であったため、当該演奏と比較すると本盤の演奏はいささか落ちるということについて先ずは指摘をしておかなければならない。カラヤン&ベルリン・フィルの全盛時代は1960年代、そして1970年代というのが一般的な見方であると考えられるところだ。この黄金コンビによる同時期の演奏は、分厚い弦楽合奏、ブリリアントなブラスセクションの朗々たる響き、桁外れのテクニックを披露する木管楽器の美しい響き、そして雷鳴のようなティンパニの轟きなどが鉄壁のアンサンブルの下に一体化した完全無欠の凄みのある演奏を繰り広げていた。そして、カラヤンは、ベルリン・フィルのかかる豪演に流麗なレガートが施すことによって、正にオーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマの構築に成功していたと言える。しかしながら、1982年にザビーネ・マイヤー事件が勃発すると、両者の関係には修復不可能なまでの亀裂が生じ、この黄金コンビによる演奏にもかつてのような輝きが一部の演奏を除いて殆ど聴くことができなくなってしまった。本盤におさめられた演奏は1982〜1984年にかけてのものであり、これは両者の関係が最悪の一途を辿っていた時期でもあると言える。加えてカラヤン自身の健康悪化もあって、本盤の演奏においても、いささか不自然なテンポ設定や重々しさを感じさせるなど、統率力の低下が顕著にあらわれていると言えなくもないところだ。したがって、カラヤンによるこれらの楽曲の演奏を聴くのであれば、前述のようにダントツの超名演である1970年盤の方を採るべきであると考える。もっとも、本演奏においては、とりわけ緩徐箇所における情感豊かな旋律の歌わせ方などにおいて、晩年のカラヤンならではの味わい深さがあると言えるところだ。そして、管弦楽曲の小品の演奏におけるカラヤンの聴かせどころのツボを心得た語り口の巧さにおいては、本演奏においてもいささかも衰えが見られないところであり、総じて本演奏を名演と評価するのにいささかの躊躇をするものではない。音質については、これまでリマスタリングが行われたこともあって、本従来盤でも十分に良好な音質であるが、先日発売されたSHM−CD盤は、若干ではあるが音質が鮮明になるとともに、音場が幅広くなったように思われる。カラヤンによる名演をSHM−CDによる高音質で味わうことができるのを大いに喜びたいと考える。

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年09月11日

    本盤にはビゼーの「アルルの女」組曲と「カルメン」組曲がおさめられている。本盤の演奏は、カラヤンがこれらビゼーの2大有名管弦楽曲を手兵ベルリン・フィルとともに行った演奏としては、1970年盤に続いて2度目のスタジオ録音ということになる。本演奏は、一般的な意味においては、十分に名演の名に値すると言えるであろう。もっとも、1970年の演奏があまりにも素晴らしい超名演であったため、当該演奏と比較すると本盤の演奏はいささか落ちるということについて先ずは指摘をしておかなければならない。カラヤン&ベルリン・フィルの全盛時代は1960年代、そして1970年代というのが一般的な見方であると考えられるところだ。この黄金コンビによる同時期の演奏は、分厚い弦楽合奏、ブリリアントなブラスセクションの朗々たる響き、桁外れのテクニックを披露する木管楽器の美しい響き、そして雷鳴のようなティンパニの轟きなどが鉄壁のアンサンブルの下に一体化した完全無欠の凄みのある演奏を繰り広げていた。そして、カラヤンは、ベルリン・フィルのかかる豪演に流麗なレガートが施すことによって、正にオーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマの構築に成功していたと言える。しかしながら、1982年にザビーネ・マイヤー事件が勃発すると、両者の関係には修復不可能なまでの亀裂が生じ、この黄金コンビによる演奏にもかつてのような輝きが一部の演奏を除いて殆ど聴くことができなくなってしまった。本盤におさめられた演奏は1982〜1984年にかけてのものであり、これは両者の関係が最悪の一途を辿っていた時期でもあると言える。加えてカラヤン自身の健康悪化もあって、本盤の演奏においても、いささか不自然なテンポ設定や重々しさを感じさせるなど、統率力の低下が顕著にあらわれていると言えなくもないところだ。したがって、カラヤンによるこれらの楽曲の演奏を聴くのであれば、前述のようにダントツの超名演である1970年盤の方を採るべきであると考える。もっとも、本演奏においては、とりわけ緩徐箇所における情感豊かな旋律の歌わせ方などにおいて、晩年のカラヤンならではの味わい深さがあると言えるところだ。そして、管弦楽曲の小品の演奏におけるカラヤンの聴かせどころのツボを心得た語り口の巧さにおいては、本演奏においてもいささかも衰えが見られないところであり、総じて本演奏を名演と評価するのにいささかの躊躇をするものではない。音質については、これまでリマスタリングが行われたこともあって、従来盤でも十分に良好な音質であったが、今般のSHM−CD化によって、若干ではあるが音質が鮮明になるとともに、音場が幅広くなったように思われる。カラヤンによる名演をSHM−CDによる高音質で味わうことができるのを大いに喜びたいと考える。

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