交響曲第2番、第7番 ベーム&ウィーン・フィル(1980年 ザルツブルク・ライヴ)
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てつ | 東京都 | 不明 | 2015年12月20日
ベームのベートーヴェン、特に2番と7番は何枚持っているのだろうか。新譜が出るたびにポチるのは「ベームならではの剛」を求めているから。しっかりしたフォルムの中に気合が詰まっている独特の響き。決めたことをやり抜く集中力。ベームの音楽にはそういう「良い仕事」的匂いがする。その意味ではこのディスク2番が超名演。決められたバランス通りでありながら血の通う音が冒頭から最後の一音まで一切の綻びなしで聴ける。またHMVレビューにもある第2楽章は慈愛まで感んじられた。ただ、ベームとしては78年のバイエルン放送響との同曲演奏の方が推進力は強く、一長一短かも。7番は第二楽章冒頭の音に寂寥感が漂い、思わず「これがベームか」と唸ってしまう。この楽章だけとれば他のどの指揮者にも成し得なかった彼岸の音楽となっている。一方他の楽章は少々一本調子。力の入りまくった剣道の試合を見るようだ。だいたいホルンよりトランペットの方が圧倒的に強い第四楽章を聴くと、勘弁して欲しくなる。もったいない。7番は73年のバイエルンとのライブの方がずっと良い。ただ、最近では、このような構成感を持ち重心の低い演奏にお目にかかれない。巨匠の時代は終わり、懐かしむのみになってしまったのか。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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