大地の歌、交響曲第5番〜アダージェット クレツキ&フィルハーモニア管、フィッシャー=ディースカウ、ディッキー(限定盤)
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eroicka | 不明 | 不明 | 2013年01月07日
若いフィッシャーディースカウの声とすでに老成した巧みな表現力が聴ける1枚。後年のバーンスタイン盤よりは勿論完成度や凄みは劣るが、指揮者の縛りが少ないためか、心なしか伸び伸びした歌いぶりが好ましい。クレツキの指揮は自然体で、激しい主張やコントラストの強調をおしつけず、あたかも6曲の歌曲集かカンタータのように禁欲的に歌心を重視した表現に徹している。ディッキはFDに比べればどうにも格が落ちるが、力強さは悪くない。この音源はかつて東芝EMIの「セラフィムシリーズ」1300円LPで出ていたので、40歳以上の人は馴染みの人も多いはず。15年ほど前に国内盤CDで出たときから、新たに今回リマスターされたのか1959年のEMI録音にしては、同じシリーズの巨人よりは思いのほか改善されている印象で驚いた。EMIのクレツキのマーラー3枚ではこれがイチオシだ。8人の方が、このレビューに「共感」しています。
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masato | 新潟県 | 不明 | 2012年08月01日
当然といえば当然なんだろうけど,21世紀に入ってからのものとは違って聴こえる。21世紀に入ってからのものは,少し離れたところにカメラを置き,全体像を見せてくれるような感じ。ダイナミックレンジは広大で,最弱音から最強奏まで見事に聴かせてくれる。それに対して,このクレツキ盤(に代表されるようなもの)は,その都度対象物に近づいて,今起こっていることをダイレクトに伝えてくれているような…そんな感じ。ワルターも,クレンペラーも,バルビローリも,そうだ。これらは,だから,指揮者が今この瞬間に何を(どの楽器を,どの旋律を)最も聴かせたいのかがハッキリして,ある意味,凄く聴きやすい。指揮者の個性もよりハッキリと届けられて,面白い。 ここでのF=ディースカウ,凄くいい!もしかしたらバーンスタイン盤よりもいいかも…。少し理屈っぽい(すいません…)F=ディースカウの歌唱と,淡々としたクレツキのバックがなんともいい感じで溶け合っている(バックがバーンスタインだと“淡々と”するはずがない…)。ディッキーの中高音もきれい。 また,ここにきて,『大地の歌』の名演奏に出会えた。6人の方が、このレビューに「共感」しています。
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