ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番『ハンマークラヴィーア』、第6番、シューベルト:即興曲 バックハウス(1959)
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M | 愛知県 | 不明 | 2014年11月05日
ハンマークラヴィアソナタ カーネギーホール盤も併せ聴いたみたが、演奏録音共にこちらの方がより良い。第一楽章は、悠然と構えたような独特の弾き方の出だしが少々気になるが、バックハウスほどこの第一楽章にふさわしいピアノの音を持ったピアニストは他にないと思う。まさに鍵盤の獅子王たる演奏である。問題は第三楽章以後で、第三楽章では早目のテンポと強弱のなさにより曲本来の幻想性を損なっているし、第四楽章は指にまかせてバリバリ弾くのみで、この難解なモンスター的楽章に解釈的チャレンジが感じられない。こうした点は野村光一氏の<ピアニスト>という本の中の評論の具体的例に該当すると思われる。(野村氏はバックハウスのベートーヴェンを低く評価しているわけではない)。以上のことから最もバックハウスらしいベートーヴェンのピアノソナタの演奏はこのハンマークラヴィアソナタだと考えます。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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