カラヤン60(82CD)

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  • ★★★★☆ 

    あまでうす  |  神奈川県  |  不明  |  2012年08月21日

    カラヤンが1960年代にドイッチエグラモフォンに録音したすべてのLPをそのまま82枚のCDセットに再構成したもので、1枚当たり212円の廉価盤である。 アルビノーニ、バッハからモーツアルト、スッペ、ヴィヴァルディまで、カラヤンはそれこそ隅田川でダボハゼを釣りあげるが如く交響曲や管弦楽曲、協奏曲を張りきって演奏しまくっているが、いずれも演奏の水準は高く、それがどんな作曲家のどんな小曲であっても(フルトヴェングラーと同様)全力を尽くしているので好感が持てる(なんのために全力を尽くしたのか、その理由は天と地ほども異なるとはいえ)。 オーケストラがベルリンフィルに完全に切り替わっているために、演奏と録音の精度がさらに向上しているが、音楽の内容自体については、すでにEMIに入れた管弦楽とオペラの全録音を聴き終えた耳にさほどの驚きはなく、カラヤン一流のレガート奏法が気にならないといえば嘘になる。 己が醸し出す官能美に自ら酔うようなこの耽美的な奏法は70年代以降になるともっと露骨になるので、この時期の初々しいベートーヴェン、チャイコフスキー、ブラームス、R.シュトラウスの表情を高く評価する人も多いだろう。 しかしここに聴かれる数多くの名演奏の中で、そのベストワンを挙げよと言われたらどうしても「オペラ間奏曲集」ということになってしまうのは、カラヤンの素晴らしさはやはりオペラの世界にあるからだろう。たとえ彼が天人俱に許すべからざる悪魔のようなナチ党員であったとしても、彼のオペラ演奏の価値を否定することは誰にも出来ないだろう。

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