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バッハ(1685-1750)

CD 『フーガの技法』 コンスタンティン・リフシッツ(2CD)

『フーガの技法』 コンスタンティン・リフシッツ(2CD)

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    六里庵  |  神奈川県  |  不明  |  2011年06月04日

    リフシッツの「フーガの技法」を聴く時、同じロシア出身のピアニスト、アントン・バタゴフの演奏をどうしても思い起こしてしまう。リフシッツにあってバタゴフにないもの:アーティキュレーション、アクセント、アゴーギク、アフェクト、コントラスト、ダイナミクス、リリシズム、理解可能な解釈、ほらほらここにテーマがいるよと教えてくれるような親切心、親密さ、未完成曲の末尾にあっても無音の虚空に永久に放擲してしまうような冷酷さを持たず暖かい懐に回収してくれるような優しみ、等々(アイウエオ順w)。あまりに対極的に思えるからだ。その意味でリフシッツはなすべきことを極めて高いレベルで実行してくれる、最も優れた意味での大人の演奏者だといえるのだろう。そうすると、バタゴフは最も優れた意味での子供の演奏者だったのか。何の虚飾も身に付けない子供の、何も付け加えない、大人の期待に背いた愛想のないシュピール。論理でも何でもないが、しかしどちらも真正のバッハへの異なるアプローチなのだと思う。むしろ死せるバッハが演奏家たちを思うままにさまざまに走らせているというのが真相か。バッハの多くの鍵盤音楽独特の硬質の光沢を放つ緊密な織物のような質感は、端から人間の息吹が吹き込まれているピアノのコロコロした音質では表現不可能と思っている。特にフーガの技法ではその感が強いが、この二人の演奏は聞き逃すことはできない。このリフシッツの演奏を聴くと、ある種家庭の団欒のような癒しに溢れた「フーガの技法」もあって良いものと思わせられてしまう。

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