蓮華人  |  千葉県  |  不明  |  2010年09月15日

緻密に書かれたスコア。しかし誰もそれだけでは満足しない。より巨匠的なアゴギークやディナミークで、マーラーの「情念」を埋め込んでいく。まあマーラー自身の指揮も、そうだったのだろう。しかし、もっと音楽だけを見つめてみれば、さらに豊かな音響世界が享受できるのではないだろうか。インバルの哲学とは違うかもしれないが、私はそうした感覚で、この演奏を聴いている。押しつけがましく脂っこいドイツ人的嗜好がなく、好感が持てる演奏で、長大重量級の作品でも抵抗感なく聴き始められる。録音は大音量にしても決して聞き辛くならない上質な職人芸を感じる。不思議なほど、聴くたびに評価が上がるのは「歳の所為」かな。星一つ評価を上げます。

 

ｺｰｷﾛﾏﾝﾊ  |  神戸市  |  不明  |  2008年01月25日

ﾌﾗﾝｸﾌﾙﾄ放送響の響きは美しく録音もﾎｰﾙのｽﾍﾟｰｽ感が感じられ､きれいです｡が､この頃のｲﾝﾊﾞﾙの解釈は総じて鈍重に感じられます｡ﾏｰﾗｰの管弦楽って転性と転調の妙が醍醐味ですので､早すぎず､でも流れるﾃﾝﾎﾟをﾍﾞｰｽにした旋律の強弱と緩急の綾がﾎﾟｲﾝﾄ｡あまり鈍重だと抒情も出ず､時折出るﾏｰﾗｰ特有の親しみのある調べもかき消されてしまいます。ﾌｨﾙﾊｰﾓﾆｱ管でのｲﾝﾊﾞﾙはそうでないような気がするのですが･･･。

 

Tiss  |  東京  |  不明  |  2007年10月06日

マーラーといえばバーンステイン盤が定番ですが、この全集も良いですよ。強烈濃厚なレニーに対して、非常に気持ちよく透き通っています。リザーブ選手として購入してもよいのでは。ＤＥＮＯＮでの廉価版で揃えるよりも、まだお買い得です。

 

ゆこりん師匠  |  東京世田谷  |  不明  |  2005年05月26日

録音に関して。オンマイク的要素が少ないので、デフォルメされた通常の録音とはイメージが違うのだと思います。帯域のバランスは至極真っ当なので、それなりの装置なら空間情報とも、自然で豊かな音だと思います。DENONの録音の多くは、エンファシスがかかっているので、トランスポート側でアップサップリングをしてDAに入れた場合、エンファシスが働かなくて、かなり中高域上昇の音になるのではないのでしょうか。

 

suzukitosino  |  北海道  |  不明  |  2004年10月09日

この全集は初心者から上級者まで納得させる名演奏揃いです。聴く側に極端な演出効果を押し付けるのではなくオーソドックスに演奏を成功させているところが特に凄い処だと思います。フランクフルト放送響もビシッと決めてます。

 

kaede  |  sendai  |  不明  |  2004年03月03日

この全集は素晴らしいとしか言い様がない、感動しました。

 

つーくん  |  不明  |  2004年01月01日

私はマーラーの大ファン！今まではノイマンのチェコフィルオンリーだったが、それに次ぐインバルのフランクフルトとなった！確かにあっさりしているとの意見もあるが、そこに隠されている繊細且つ深みはまたたまらない！俺は２番の唸りは好きだ！５番・７番は絶品！

 

セクスィー部長代理  |  ギンザ  |  不明  |  2008年11月13日

今や百花繚乱の感のあるマーラー録音ですが、このインバル録音がエポックメーキングとなったのは否定できないのではないでしょうか。最初に聴いたのは5番でしたが、その演奏、録音ともに感じられる透明感に感心した記憶があります。個人的好みからすれば、テンシュテットなのですが、気分によって色々な演奏が安価に楽しめるようになったのは幸せなことです。

 

SWest  |  東京  |  不明  |  2007年12月26日

この全集を聴いたのは確か中1かそこらだった。最初「マーラーの交響曲とはこのように退屈なものであるのか…。何だこのＣＤは？」と。それからずいぶんたった。あれからマーラーを何十種類以上聞いたが、結局このＣＤに戻ってきてしまった。 インバルは進化し続ける指揮者であると思う。それは今年のフィルハーモニアの日本公演や、都響の公演を聞いて十二分に理解できるはずだ。だから私は、贅沢を言うと、もう一度撮りなおして欲しいと思うのだ。

 

くれよん  |  東京西麻布  |  不明  |  2004年01月05日

クレスト1000で発売された同一音源と聞き比べましたが、音質上の差異はありませんでした。全くこれだけ質の高いマーラーがこの値段で買えるとは、消費者にとっていい時代です。

 

wakasugi  |  saitama  |  不明  |  2004年01月01日

マーラーの交響曲は全集だけに限っても私にとってこれで5セット目。これも良い全集だった。等身大の人間マーラーを聴くという点だけから見ると最も優れている。しかし、インバルさん、都響でもこれくらいのレベルの演奏をしてほしい。

 

Y&Y  |  Paris  |  不明  |  2003年07月12日

買！ 派手なマーラーでは決してないが、変な演出がなく安心して聞く事ができる。実際に彼のマーラーを生で何度か聴いて感心したが、生で聴かせるマーラーの作品へのセンスのよさを、このCDに余すところなく表現している。 1つだけ難をいえば、頻繁にCDをチェンジしなければならないこと。

 

サルゲッチュ  |  足立区  |  不明  |  2003年05月31日

この全集の録音方式ってフルベンの『指輪』（1953年ローマ）と一緒だったんで、全く違和感を感じなかった。深い読みと、醒めた音作りという点でも両者は共通している。文句なしに大傑作だと思う。

 

桐嶋屋勝造  |  愛知県碧南市  |  不明  |  2003年03月14日

第10番がクック版だけでなくアダージョのみの演奏と両方おさめられています。クック版第1楽章と単独のアダージョとは厳密には版が異なるのです。ここまでこだわるのはインバルらしい見識と思います。

 

のざぽん  |  茅ヶ崎  |  不明  |  2009年03月11日

インバルのマーラーは あいまいで難しいですが 演奏はわるくないので、 ぎゃくをいえば 聴けば聴くほど 味が出る演奏とも いえないこともないでしょう