歌劇『エフゲニー・オネーギン』全曲 ブレット演出、バレンボイム&ウィーン・フィル、マッティ、サムイル
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村井 翔 | 名古屋 | 不明 | 2008年06月29日
演出は舞台を帝政末期に劣らず閉塞感の漂う1980年代のソ連に変えている。貴族社会の慣習である決闘がこの時代に合うかどうか心配したが、第2幕の寒々としたワルツの場面、決闘の場ともにタルコフスキーの映画から抜け出てきたような美しさだ。マッテイ、サムイル以下の歌手陣も好演で、本来なら文句なしの出来であるはずだが、劇的なくまどりの濃い指揮ともども、あまりになまなましく、リアリスティックな舞台は、あえてこの曲を「抒情的場面」と名付けた作曲者の意図を裏切ってしまったように思える。このあたりがオペラ上演の難しいところ。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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