フルート・ソナタ全集 ヴェンツ(traverso)ムジカ・アド・レヌム(3CD)
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西荻椿山 | 東京都 | 不明 | 2013年01月31日
J.S,バッハのFlソナタは8曲しかありません。もっとみたいなものを聴きたい、それもむしろ偽作のほうをという方がいたら、Vn音楽史でチラッと名前をきいたことがあるかもしれない程度の作曲家のFlソナタ全曲ですが、かなりいけるのではないでしょうか。1曲を除きLargo-Andante系で曲が開始しますが、大方で偽作と同じような牧歌的雰囲気を感じることができます。急速な楽章でもC.P.E.バッハ作品のような焦燥感じみた気分はありません。いずれも聴いていると口笛がでてくる箇所があります。偽作との差はただ聴きなれていないせいだけかもしれないが、1曲としての纏り感にやや欠けるかいう点です。どこで1曲が終わりか判りかねないわけですが、本盤ではOp.2では、Continuoに偽作でも聴きなれたVcやharps.の他にバスーンやOrgなどを起用し、1曲毎に組み合わせを変えています。また、Op.5は2つのVnまたは2本のFlのための作品ですが、半数をFlとVnで演奏しています。学問的にはどうなのかは存じませんが、聴く分には変化があっていいです。偽作のように耳が虜になって思考のじゃまになって困るというほどではなく、かといって空疎過ぎて途中で止めたくもなりません。BGMとして適すると思います。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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