ハル、ハル、ハル 河出文庫

古川日出男

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309410302
ISBN 10 : 4309410308
フォーマット
出版社
発行年月
2010年07月
日本
追加情報
:
15cm,223p

内容詳細

「この物語は全部の物語の続編だ」―親に捨てられ、行き場を失った少年と家出少女、リストラされた中年男。世間からはみ出してしまった3人のハルが世界を疾走する。乱暴で純粋な人間たちの圧倒的な“いま”を描き、話題沸騰となった著者代表作。表題作に加え、「スローモーション」「8ドッグズ」を収録。

【著者紹介】
古川日出男 : 1966年、福島県生まれ。98年『13』で作家デビュー。2002年『アラビアの夜の種族』で日本推理作家協会賞と日本SF大賞を受賞。06年『LOVE』で三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • masa さん

    物語の時間÷生きてきた時間=時間の密度はどんどん薄まっている。例えば8歳児と40歳中年の時間の密度は約5倍違う。つまり1秒後の君はどれだけ祈っても今の君より確実に短い1秒しか持てない。僕らが本能的に速さに焦がれる理由はそれだ。物語にはゴールが必要だからいつも急いでいる。少しでも濃い時間に恋をして、行く手を阻む壁を超える為の衝動を、暴力を、絶叫を、逸脱を、踊りを求めている。やがて死を悟るとき時間は1分の1に収束していく。密度を最大にしてスローに逆流し始める。走馬灯。それまで君は全部の物語の続編を生きてゆけ!

  • とら さん

    円城塔さんが解説をしているのが妙に納得の古川日出男の短編集。疾走感溢れる文章は更にその勢いを増した気がする。改行が特に多かったからかもしれない。今までの中で一番読みやすかったし、それは文章的な意味だけでは無くて、物語的な意味でもそうだ。読者に問いかける、読者に向かって描かれている物語。登場人物が、どこかからどこかへ向かう物語。もう一度三篇を思い返してみて、色々と共通点があるのが分かった。そして確実に、千葉県ばかり描かれていた様に思うのだが…これは古川さんが住んでいるからなのか?生まれは福島らしいのだが。

  • さっとる◎ さん

    成り行きで再読(笑)。初めて読んだ日出男本がこれ。この本の1ページ目で、一目惚れしちゃったんだなあ。生まれ変わるとしたら、何になりたい?私は、文字になりたいかもしれないなあ、日本語に。こんな風な本の一部、というか全てになれる。これ以上書くと気持ち悪いので、レビューは自粛(笑)。三篇とも、ヒリヒリ。「もしも物語がこの現実ってやつを映し出すとしたら。かりにそうだとしたら。そこには種別(ジャンル)なんてないんだよ。」

  • さっとる◎ さん

    苦手なんだ、生きるのが。それなのに生きちゃってるから、足りないんだ。足りない。全然足りない。種別は溢れすぎている。家族、恋愛、友情、暴力etc.でもどれもうまくできない。ジャンルオール無視の無差別級ゲンジツで、分解する。私が分裂する夜が散る。それでも生きてる。生きてる、どうしようもない物語のこの私、生きて生きて続編を生きている、ざまあみろ世間!て絶望しながら絶叫しながら。愛の最終形態が一体化を目指すものであるなら私はあなたになりたい。この物語を創る文字になってしまいたい。全然足りないのに愛だけ過剰なんだ。

  • さっとる◎ さん

    お初古川日出男氏(*^^*) 最初の1ページで確信「私これ好きだ」。短編3つがどれも超絶クール。物語ではあるのだけど小説って括りが似合わない。詩じゃなかろうか。「この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ。」アナーキーで流動する今を文字から感じる「ハル、ハル、ハル」。あなた一人だけに向けて書かれたルールのない日記「スローモーション」。読み終えた私の意識はゆっくり拡散する。そして房総半島に、5に、8に、犬に、呪縛された敏也の愛「8ドッグズ」。愛が痛すぎて、夜に潜んで。夜を抜けて、背にする日の出。一番好き。

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人物・団体紹介

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古川日出男

1966年生まれ。98年『13』でデビュー。『アラビアの夜の種族』で日本推理作家協会賞、日本SF大賞、『LOVE』で三島賞、『女たち三百人の裏切りの書』で読売文学賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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