ナンシー・フレイザー

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資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか ちくま新書

ナンシー・フレイザー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480075659
ISBN 10 : 4480075658
フォーマット
出版社
発行年月
2023年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;18

内容詳細

なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなりえない。破局から逃れる道はただ一つ、資本主義自体を拒絶することなのだ―。世界的政治学者が「共喰い資本主義」の実態を暴く話題作。

目次 : 序章 共喰い資本主義―私たちはもう終わりなのか/ 第1章 雑食―なぜ資本主義の概念を拡張する必要があるのか/ 第2章 飽くなき食欲―なぜ資本主義は構造的に人種差別的なのか/ 第3章 ケアの大喰らい―なぜ社会的再生産は資本主義の危機の主戦場なのか/ 第4章 呑み込まれた自然―生態学的政治はなぜ環境を超えて反資本主義なのか/ 第5章 民主主義を解体する―なぜ資本主義は政治的危機が大好物なのか/ 第6章 思考の糧―二一世紀の社会主義はどんな意味を持つべきか/ 終章 マクロファージ―共喰い資本主義の乱痴気騒ぎ

【著者紹介】
ナンシー・フレイザー : 1947年生まれ。アメリカの政治学者。ニューヨーク市立大学大学院で博士号取得。ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの政治・社会科学教授。専門は、批判理論、ジェンダー論、現代フランス・ドイツ思想

江口泰子 : 翻訳家。法政大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • どんぐり さん

    資本主義体制の歴史を重商資本主義から始まり、植民地資本主義、国家管理型の独占資本主義。現在のグローバル化した金融資本主義、の4期に分け、そこでの搾取と収奪の仕組み、経済的生産と社会的再生産、人間と自然との関係、経済と政体との関係を論じている。資本主義体制下にある社会では、公的経済が投資家と所有者のために貨幣価値を積み上げ、それ以外の人の富を貪り喰うウロボロス状態にあるという。人類の持続可能性に影響を及ぼす共喰い資本主義を葬り去るにはどうすればいいのか。その解決策を、この本を読んで考えてみましょう。

  • おたま さん

    この本は、今後資本主義社会をどう捉え、それを超える社会・運動をいかに構想するのか、そうした点に概観的ではあるが視座を与えるものだ。マルクスの行った資本主義「経済」の分析(剰余価値と資本の蓄積、搾取等)によっては捉えきれなかったその背景であり条件となるもの(収奪、労働力の再生産、自然環境、公的権力)をも内部化し資本主義「社会」の分析を行っている。それによって現在顕現してきた様々な問題にも応えられる見通しを提示しようとしている。今回は全体を捉えるべく流し読みとなったが、精読が必要。即再読しなくては。

  • よっち さん

    なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。生活や自然といった存立基盤を餌に成長する今の巨大な資本主義の実態に迫る一冊。16-18世紀の重商資本主義、19世紀のリベラルな植民地資本主義、20世紀の国家管理型資本主義、21世紀から現代に続く金融資本主義といった資本主義の歴史を踏まえつつ、人種差別、再生産、自然環境、国家権力という4つの側面からも解説していて、対比となる社会主義も考察していましたが、コロナの混乱を経た今の状況を、民主的プロセスで政治的に解決するのはなかなか難しいというのが正直な実感でした。

  • koke さん

    マルクスは主に当時の工場労働者の搾取を批判的に論じたが、マルクス主義フェミニズムやエコ社会主義など、そこから遡って別の領域への重点移動や拡張を試みている人は多くいる。著者が強調するのは、それら重要な諸領域での危機は相互に無関係どころか、どれも資本制社会の構造から生まれていることだ。したがって経済も含め特定の領域を手当するだけではダメで、社会全体が資本制から転換しないかぎり危機は続く(げんなり)。ところどころ集中が途切れてしまったので『時間かせぎの資本主義』などとあわせて読み返したい。

  • 逆丸カツハ さん

    本書は具体的な事例が少なかったよう感じた。色々と問題は山積みなのはわかる。資本主義に代わるものというのが一体どのようにしてありうるのか、考えていきたい。

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