【インタビュー】EARTHLESS

2018年03月16日 (金) 19:00

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ヘヴィ・サイケのトリップが世界を突き抜ける。アースレスの『ブラック・ヘヴン』は、ロックによる深遠なる宇宙へのパスポートだ。

時には数十分におよぶスペース・インストゥルメンタル・ナンバーで知られ、2015年1月の来日公演でも終わりなき夢幻のジャムでライヴ会場をトランス空間へと叩き込んだ。

通算4作目となるフルレンス・アルバム『ブラック・ヘヴン』、そんな彼らの未知への出帆である。全6曲中4曲がヴォーカル入り、いずれも10分未満という構成は、バンドの新たなる可能性を示唆している。

アースレスの向かう先には、何があるのか。アイゼイア・ミッチェル(ギター、ヴォーカル)が語った。

――『ブラック・ヘヴン』がヴォーカル・ナンバー中心となったのは、どんな契機があったのですか?

これといった大きなきっかけはなかったんだ。マネージャーと電話で話していて、「ヴォーカル入りの曲はやらないの?」と訊かれて、「やってみようか」と答えた。それからすぐに「ギフテッド・バイ・ザ・ウィンド」を書いたんだ。俺がやっているもうひとつのバンド、ゴールデン・ヴォイドで歌っているし歌詞も書いているから、決して新しい経験ではなかったんだ。バンドのメンバーが異なれば、歌詞も自然に異なるものになっていくけどね。

――『ブラック・ヘヴン』のレコーディング作業はどのようなものでしたか?

マイク(エジントン/ベース)とマリオ(ルバルカバ/ドラムス)はサンディエゴ在住で、俺はサンフランシスコ在住なんだ。どちらもカリフォルニア州だけど、飛行機で行くぐらいの距離がある。だからなかなか全員でジャムを出来ない。たまに集まるから惰性になることなく、刺激があるんだけどね。今回は集まって1週間ぐらいリハーサルして曲を書いて、ジョシュア・トゥリーにある『ランチョ・デ・ラ・ルナ』スタジオでレコーディングしたんだ。もしかしたら今回曲が短いのは、延々とジャムをやる時間がなかったからかもね。曲に親しむ時間は短かったけど、そのぶん全編ピリッとしたテンションが貫いていた。このアルバムではそれがベストな結果を出しているよ。

――『ランチョ・デ・ラ・ルナ』はカイアスやフー・マンチューなどが名盤の数々を作ってきた、デザート・ロックの“聖地”と呼ばれていますが、そんなマジックは感じましたか?

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのファースト・アルバムは楽曲もサウンドも理想的だったし、実際にレコーディングしてみて、本当に素晴らしいトーンを得られるスタジオだと思った。スタジオのオーナーでプロデューサーのデイヴ・キャッチングは俺たちをリラックスさせてレコーディングさせてくれたし、とても満足している。ただカリフォルニア砂漠は俺たちにとってファンタジーではなく“現実”の一部だったし、信じられない魔法が起こったようには感じなかった。“聖地”というより、優れたスタジオだったよ。俺にとって、“聖地”といったらデトロイトのモータウン・スタジオとかシカゴのチェス・スタジオ、メンフィスのサン・スタジオ、アラバマ州のマッスル・ショールズ、サウサリートのレコード・プラント...もちろんカイアスは最高のバンドだし大好きだけど、ヨーロッパの若手バンドがそうするように、神格化はしていないよ。あともちろん、ジョシュ・ホーミがデイヴ・キャッチングとやっているイーグルス・オブ・デス・メタルも大好きだよ。

――デイヴ・キャッチングとの作業はどのようなものでしたか?彼は2015年11月13日、パリのバタクラン劇場でのテロ事件時、イーグルス・オブ・デス・メタルのギタリストとしてステージ上にいましたが...。

デイヴはプロデューサーとして、アルバム制作中ずっと一緒にいた。ただ、パリの事件のことは話題にしなかった。その必要を感じなかったんだ。『ランチョ・デ・ラ・ルナ』スタジオはデイヴの住居を兼ねているんだ。バンドも泊まり込んで、ギターは寝室で録音した。デイヴは今でもイーグルス・オブ・デス・メタルの一員だし、アースリングス?もやっている。プロデューサー業もどれだけ活発にやっているか知らないけど、俺たちと作業しているときは現役感バリバリだったよ。彼はとても心の大きな人だ。一種の“南部っぽさ”というのかな、レイドバックして寛大な人だよ。彼はとてもフレンドリーで、俺たちをコントロールしようとはしなかった。ちょっとしたアイディアを出してくれたり、俺たちが頭の中で求めているサウンドを「こんな感じ?」と出してみてくれたり、ヴォーカルやギター・サウンドについても意見を言ってくれた。
自分のサウンドを押しつける感じではなく、背中を押してくれるんだ。

――『ブラック・ヘヴン』のジャケット・アートについて教えて下さい。

アンドリュー・スローンというアーティストの作品なんだ。マイクがinstagramでたまたま見つけて、感銘を受けたんだ。鉛筆画か、あるいはチャコールで描かれた作品なんだ。一度あの絵を見たら、他の選択肢は考えられなかった。まるで導かれたようだった。

――アースレスは色彩豊かでサイケデリックなアートワークやステージ・ライトなどで知られていますが、ファースト・アルバム『Sonic Prayer』(2005)や10周年記念シングル(2012)など、白黒ジャケットの作品も発表していますね。

うん、いろんなタイプの音楽をやりたいのと同様に、いろんなアートワークに挑戦したいんだ。アースレスの可能性は無限大だよ。

――アースレスはこれまでライヴ会場限定のオフィシャル・ブートレグCDなどを数多くリリースしてきましたが、今後もそのようなポリシーは続くでしょうか?

『ブラック・ヘヴン』はヨーロッパでは『ニュークリア・ブラスト』レーベルからリリースされるんだ。その契約で“外伝”的な作品を出していいか確認する必要があるし、俺たちがそういうDIYな作品を出す時間があるかにもよる。自分でジャケットを作ったりして、100枚限定とかのCDを出すのは楽しいし、熱心なマニアも喜んでくれる。具体的な予定はないけど、次に日本に行くときは“ライヴ・イン・ジャパン”をレコーディングしたり、日本の会場限定のリリースを出してみたいね。

――アースレスの2018年のツアーについて教えて下さい。

まず2月にゴールデン・ヴォイドで短いツアーをやるけど、そのアースレスとしてツアーを始めて、年内は世界各地をサーキットするつもりだ。『ブラック・ヘヴン』から全曲プレイするか、それとも数曲をピックアップするかはまだ判らないけど、今後のライヴでは新作からの曲も多くプレイするだろうし、歌う機会が増えるよ。アースレスのライヴは、意識の流れのようにひとつの連続性があるんだ。ステージMCはほぼ皆無で、水が下から上に流れていくように盛り上がっていく。ナチュラルとアンナチュラルが交錯するところにあるのが、俺たちのライヴなんだ。

取材・文:山崎智之


日本盤

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発売日: 2018年03月16日

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