シューティングイベント“トランジション”開催 まじめな話題から暴走トークまで飛び交ったトークショーは大盛り上がり!?

2015年12月28日 (月) 19:00

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ファミ通 - ゲーム

●注目のシューティングタイトルが目白押し

 2015年12月26日、東京・秋葉原の廣瀬無線電機イベントホールにて、PC向けシューティングゲームイベント"トランジション"が開催された。縦および横スクロールシューティングゲームがその活躍の場をPCへ移行しようとしている……という現状をもっと知ってもらうために開催されたイベントだ。この日は総入場者数1319名(再入場含む)ほど集まり、シューティングゲームシーンはまだまだ熱いことを再確認できた催しとなった。


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▲縦画面対応ゲームは、その環境で試遊PCを設置。モニタを縦にすると画面が大きくなるね!

▲『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』は2画面モードも設置。これはPC版のみの機能だ。

 イベントとしては、Steamで配信中および配信予定のシューティンゲーム13本の試遊、スコアアタック大会、グッズ物販、そしてトークショーが行われた。
 まず試遊コーナーから見てみよう。設置されていたのは以下のタイトル。

・ダライアスバースト クロニクルセイバーズ(キャラアニ/2016年1月14日配信予定)
・デススマイルズ(ケイブ/2016年春発売予定) 
・Mushihimesama(ケイブ/配信中)
・Strania - The Stella Machina -(グレフ/配信中)
・ESCHATOS(キュート/配信中)
・Ikaruga(トレジャー/配信中)
・DELTAZEAL(トライアングルサービス/配信中)
・XIIZEAL(トライアングルサービス/配信中)
・Raiden IV: OverKill(モス/配信中)
・Raiden III Digital Edition(モス/配信中)
・Crimzon Clover(四つ羽根/配信中)
・Astebreed(えーでるわいす/配信中)
・REVOLVER360 RE:ACTOR(クロスイーグレット/配信中)


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▲ケイブは本イベント会場でSteam版『デススマイルズ』を発表。2016年春リリースに向けて開発中だそう。ベースはXbox 360版だが、インターフェイスなど細かい部分を調整中だという。この発表後、試遊スペースでプレイできるようになっていた。

 物販はタイトーとケイブが出店。この日初売・限定となる商品などもあり、大行列となっていた。とくにケイブの缶バッジガチャはビルの階段まで長く伸びる大行列となり、午後もしばらく途切れることがなかった。


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▲物販はとくに午前中に大賑わい。イベントスペース内だけでは行列の処理ができず、ビルの階段まで行列が続いていた。

●『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』開発秘話

 シューティングファンお目当てのクリエイタートークショーは、全部で5つほど行われた。
 最初に行われたのは、発売間近の『ダライアスバースト』だ。「光と音のバーストリンク! ダライアスバーストシリーズの歩みを振り返る」と題し、シリーズの開発秘話を語るというものだ。


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▲左からサウンドチームZUNTATAの石川勝久氏と土屋昇平氏、タイトーの針谷真氏、開発会社ピラミッドの柏木准一氏とジェームス・ラグ氏。

 まずは『ダライイアスバースト』シリーズの歴史解説から。2009年にPSP版からシリーズはスタート。そこから2010年にアーケード版『〜アナザークロニクル』として移植、2012年にスマートフォンで『〜セカンドプロローグ』をリリース、そして今回の家庭用『〜クロニクルセイバーズ』と続いている。
 最初のPSP版は、元タイトーのアオキヒロシ氏が企画書を2〜3年出し続けてようやく実現したもの。承認が降りたところでピラミッドとともに開発がスタートしたものの、最初は処理速度やメモリなど技術的な部分でかなり難航したという。
 アーケード版は、ピラミッド側で4人同時プレイバージョンをPCで試作していたところ、これをアーケードでできないかということでリリースが決まった。ところがタイトーからのリクエストは「5000ステージ作ってくれ」と言われて途方に暮れたという。どうにか3000面で勘弁してもらえたとのことだが、それでも3000って……!
 スマートフォン版は、ピラミッド社内で「これからはAndroidの時代だ!」というプログラマーがいて、いきなり移植してタイトーに見せに行き、リリースが決まったという。タイトー針谷氏曰く、「ピラミッドさんはいつも試作を見せてくれるんです。まだやると決まってないうちから作ったものを見せてくれるという、やる気の塊で(笑)。でもこれだとすごく説得力があるんですよ」とのことで、開発者の熱意がそのまま形になったケースだ。
 そしてついにプレイステーション4、プレイステーションVita、PC(Steam)でのリリースが決まる。PSP版『ダライアスバースト』が画面比率16:9、つぎのアーケード版が32:9(2画面)だったので、今回また家庭用に戻ってくるなら……と、16:9で開発スタート。ある程度できあがった段階でタイトーへ持って行くと、20:9への変更指示。針谷氏は「私も開発者なのでこの段階でそれ言うのは……とわかっていたんですが、できあがったものを見るとやはりこのままでは厳しいかな、って」と断腸の思いでダメ出し。開発側のピラミッド柏木氏は「もちろん16:9でも十分おもしろいんですよ。でも商品性が足らなかったというか……。そこはみんなで真剣に『ダライアス』シリーズとしてのおもしろさを追求した結果なんです」と、よりよいものを作るべく敵配置やモーションなどはほとんど作り直したそう。


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▲ピラミッドのジェームス・ラグ氏(写真右)は、「日本語の"大丈夫ですか?"という言葉の意味は、"それを直せ"という指示なんだと今回学びました」とぶっちゃけた。

 『ダライアスバースト』といえば、やはりその音楽も注目ポイントのひとつだ。今回は『〜クロニクルセイバーズ』用新曲や歴代『ダライアス』の曲やらいろいろ入って100曲以上になる。その圧倒的な音楽の世界観はどのように作られているのか。
 サウンドチームZUNTATAの土屋氏は、「仕事人としてあるまじき行為ですが、今回は誰の意見も聞かずに自分が作りたいものを作らせてもらう、という条件でやりました」と告白。もちろんシリーズを担当してきたからこその信頼関係もあるが、以下のように語る理由もあって無理を言ったという。
「世界のゲーム音楽って、いますごくかっこいいのがあるんですよ。めちゃくちゃかっこいい。そんな中、日本のゲーム音楽シーンは"あの人はいま"状態で、昔はよかったけどねと思われているフシがあるんです。それがすごく悔しかった。日本のゲーム音楽界にもおもしろい楽曲を作る人がココにいるよって知らしめたかった。今回、Steamで全世界配信になるので、そこに挑戦できるモチベーションはすごく高かったです」
 そして、その結果はすでに出ている。いくつかの海外ゲームメディアではその楽曲について「アヴァンギャルドである」と明記されており、前衛的なサウンドが海外にもしっかり伝わっていた。日本のゲームミュージックファンとしても、これはうれしいことだ。


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▲『ダライアスバースト』シリーズのサウンドを熱く語る土屋氏(写真中央)。トークショー序盤は「場内が暑くてちょっと疲れてました……。だいぶ涼しくなってきたので、いまからいっぱいしゃべっていいですか?」と、本シリーズへの想いを語った。

 『ダライアスバースト』シリーズの歴史を感じとることのできたトークショー、最後は登壇者からのメッセージをまとめておこう。
 
石井氏 「従来のファンも初心者の方にも楽しめる内容になっております!」
土屋氏 「こういう音楽でこういうジャンルのゲームなのに、こんな世界観を表現できるのか、っていう面白さを味わってもらえれるとうれしいです」
針谷氏 「来年はたまたま『ダライアス』30周年なんです。それにあわせたわけではないのですが、我々の思いが詰まったゲームになってますので、よろしくお願いいたします」
柏木氏 「コンシューマー版『ダライアス』の中で最高の出来はPCエンジン版『スーパーダライアス』だったと思うんですが、それ以上のものを作れたんじゃないかなと思っています。ぜひ遊んでください」
ジェームス氏 「初代『ダライアス』をいま遊ぶと1面でゲームオーバーになっちゃう僕ですが、そんな僕でも『〜クロニクルセイバーズ』はすごく楽しめます! ひとりでも複数人でも遊べますので、ぜひ楽しんでください」


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▲トークショーの司会進行はMAGES.盛政樹プロデューサーが担当。Steamではすでにアクションゲーム『ファントムブレイカー:バトルグラウンド』を配信している盛氏だが、今回、新作シューティングゲームは発表していない。今後もしかしたら……!?

●トライアングルサービスとキュートのトークコーナー

 つぎはトライアングルサービス藤野氏とキュート米沢氏のコーナー。
 最初に藤野氏のコーナーからスタート。シューティング系イベントではすっかりおなじみの、パワーポイントを使った藤野氏によるシューティングゲーム解説だ。
 Steamで配信されている数々のシューティングゲームを自ら研究、それらの特徴を将棋(?)で例えるといった内容で、これがいかにもそれらくて思わず納得してしまう。
 Steamならではのインターフェイスや実績などを研究し、その成果を次回作に活かします!と宣言すると、Steam版『シューティング技能検定』を発表。いろんなシチュエーションのシューティングミニゲームをプレイすることで、その腕前を検定してくれるというもの。アーケードやXbox 360などでリリースさていたトライアングルサービスの看板・定番タイトルだ。こちらは近日発売とのこと。


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▲Steamで配信されているシューティングゲームを将棋に例える藤野氏。いつものノリで場内は爆笑しっぱなしだった。

 キュート米沢氏のコーナーでは、Steam版『エスカトス』が4Kモニタに対応していることを改めて説明。どれだけキレイに表示されるかをスクリーンショットで披露した。重い処理をあまり起こってないことから、ここ3年以内に発売されたノートパソコンでも十分動くことをアピール。また、Steamにあるトレーディングカードやサウンドトラック機能など、ちょっと気付きにくい機能も解説、Steam独自の魅力もプレゼンした。
 そして最後に、Xbox Oneで発売予定のキュート新作シューティングゲーム『ナツキクロニクル』が、2015年発売から2016年発売へと延期になったこと発表。Xbox Oneのシューティングファンはもうしばらくの辛抱だ。


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▲Steam版『エスカトス』の4Kモードの説明や、Steamそのものの機能を解説。

 それぞれのトークコーナーが終わったところで、“Steamで開発するイマドキSTG!? Qute×トライアングルサービス”と題して、ふたりでのトークコーナーが開始。お互いの開発経歴・環境など、かなりのぶっちゃトークに発展。最初はどういうキッカケでプログラマーになったのか……なんていう話だったが、現在の開発環境の話になると、素人置いてけぼりな技術寄りのトークに。互いの開発環境が似ていることもあってふたりは大いに盛り上がり、詳しいことはわからない我々観客にも「シューティングゲームの開発はとても楽しいもの」という雰囲気は伝わってきた。


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▲両社ともLightWaveという3Dツールを使っている、という話題からだんだん暴走(?)していく。独自ライブラリやミドルウェアの話になると、そのネーミングにも言及。藤野氏が「うちが使ってるFGLというライブラリは、"フジノ ゲーム ライブラリ"です」と言えば、米沢氏は「うちで開発したスノーフォックスエンジンは、自分が大好きなグレフさんのシューティング『ボーダーダウン』5面の曲名から拝借しました」と、お互いの中二っぷりをアピール。

●クリエイターどうしで語り合うシューティングゲーム座談会

 そして最後のトークショーは、シューティングゲームを作ってきたクリエイターによる座談会だ。題して“これからの「STG」の話をしよう!アーケード、コンシューマ、PCとその未来”、丸山博幸氏(グレフ)、堀井直樹氏(エムツー)、よつば氏(四つ羽根)、清水則雄氏(ケイブ)、外山雄一氏(エイティング)、司会の盛政樹氏(MAGES.)の5人でさまざまな話題で盛り上がった


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▲左から丸山氏、堀井氏、よつば氏、清水氏(ケイブ)、外山氏(エイティング)。

 まずは各自がシューティングゲームを作るようになったキッカケから。
 
丸山氏 「以前の会社でシューティングを作る機会があって、せっかくのチャンスだから真っ先に手を挙げました。以降、作るのがおもしろくなりましたね」
堀井氏 「自分が遊びたいものを作っているだけ。ある意味自給自足というか」
よつば氏 「ネットのフリーゲームに衝撃を受けて、自分も作ることをやってみよう、と思うようになって現在に至ります。親戚のおじさんがパチンコの景品でとってきてくれたのがたまたシューティングが多くて、いま思えばそれが原体験だったのかなあ、と」
清水氏 「『怒首領蜂』が好きでケイブに入りました。でも最初に配属されたのはMMORPGの部署で。それがひと段落したところでSteam版『虫姫さま』の話がきて、二つ返事で担当することになりました」
外山氏 「小中学生のころ『スペースインベーダー』や『ギャラクシアン』に出会って、マイコンでゲームプログラムを組んだりしてました。社会人になってから『ザナック』を遊んでそれがすごく衝撃的で、コンパイルに入りました。そこからシューティングはプレイするのも作るのも楽しくなりましたね」

 自身が開発したタイトルで「これはやりきった!」とか思い出深いタイトルは?

外山氏 「シナリオもプログラムもプランナーもやった『スプリガン mark2』は思い出深いです」
堀井氏 「Xbox 360版『オトメディウスG』はやりきった感じがしましたね。吉崎先生の絵でたくさんの方が買ってくれましたし、3人同時プレイすると上級者が初心者にパワーアップカプセルを譲ったりしてるんですよ。これは素晴らしいな!と思いましたね」
丸山氏 「妥協の産物だったけど、思い出という点ではアーケード版『ボーダーダウン』かなあ。会社の預金残高がゼロになってもなお作り続けて、翌月入金があってどうにか生きてこれた。あそこまでギリギリに作ったタイトルはなかったです」

 丸山氏が『ボーダーダウン』の話題を出したところで、堀井氏が割って入る。

堀井氏 「『ボーダーダウン』って、世界観設定とかすごくよく出きてるじゃないですか。表に出てない設定が山のようにあるというか。そのあたりも含めて再リリースする予定はないんですか?」
丸山氏 「ベタ移植とかHD化とかするくらいなら、イチから作り直したいですね」
堀井氏 「うちの会社、『ボーダーダウン』のファンがいるんですよ。自分もそうなんですけど。だから移植でも新作でもとにかく遊びたい」
司会 盛氏 「堀井さんの会社さんにデータを預けておけば、3年くらいでいつのまにかできてますよ!」
堀井氏 「リソース待ってます!」
丸山氏 「いやいや(笑)」

 『ボーダーダウン』はファンも多いだけに、いつか何らかの形で新しいものを遊んでみたいよね。実際に作り直すとなると、新作を1本作るのと同じなだけに、実現までまでのハードルは高いかもしれないが……。
 
 難易度とサービスのバランス、ゲームとしての気持ちよさをどこに持ってくるかなど、これからのシューティングはどうあるべきかという内容も白熱した。もちろんすぐ結論が出る話題ではないが、ゲームバランスをどこに持ってくるかはいろいろな意見が出た。
清水氏 「海外のユーザーは難しいほうが喜んでもらえている、という印象です」
よつば氏 「Steam用に弾数を大幅に減らしたノービスモードを搭載したら、難易度ノーマルの倍近く遊ばれているんですよ」
 ゲーム内容によっても変わってくると思うが、このあたりは本当に調整が難しい部分なのだろう。


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▲静かにマジメなトークが続いたが、終盤になると弾けるように暴走しはじめる面々。

 宴もたけなわなところで、どの会社にどんなシューティングを作ってほしいか、という妄想トークコーナーへ。最初のうちは各自ブレーキをかけつつだったのだが、徐々にリミッターが外れたトークになっていく。あくまで勝手な妄想会話であるということを、あらかじめ強く念を押しておく。

丸山氏 「エイティング外山さんのところに、『蒼穹愚連隊』の新作を作りませんか?と売り込みにいったことがありますよ。ホントに『蒼穹』は大好きなんで。でも軽く受け流されましたね(笑)」
堀井氏 「エイティングさんの新作シューティングをアーケードて見たいなあ、とは思っているんですけどね。酒の席でもこれは言えないです」
外山氏 「コメントいづらいです(苦笑)」
盛氏 「酒の席ならいいんじゃないですか? っていうかいま言ってるし(笑)」
よつば氏 「裾野を広げる、という意味では『艦これ』のシューティングとかおもしろそうだと思います」
堀井氏 「あっ! そういう話でいいの? だったら『東方』を池田さん(ケイブの取締役。弾幕シューティングの始祖)が作るとどうなるか見てみたい。いまはやっぱり見た目がとくに大事だと思っているんですよ。キャッチーなものでないとなかなか手にとってもらえない。なので注目を集めるためにケイブと『東方』の合体ですよ!」
盛氏 「僕は『グラディウス』の集大成的なものを、ぜひエムツーさんに作ってほしいなと思っているんですが……」
堀井氏 「たしかにうちの会社にはファンが多いので向いているとは思いますが、『グラディウスV』のあとにアレ以上のものをと言われると躊躇しちゃいます。ただ、このシリーズはずっと続いてほしいタイトルなのは間違いないですね……」

 そんな感じで大いに盛り上がったシューティングゲーム座談会、最後は盛氏の締めの言葉でこの記事も終わりにさせていただく。

盛氏 「今後、Steamでシューティングが盛り上がるためには、移植だけじゃなくて新作もほしいですよね。Steamには十分なシューティング市場がある!ということがわかれば、メーカーも新作を作りやすくなります。そのためにはファンの皆さんの応援が必要なので、ぜひご協力をお願いいたします」


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